O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-4.永遠のアイ:OBD2データー取得&故障診断チャレンジ

■2021年10月

 ターボエンジンに載せ替えたらブーストアップしてパワーアップだ!  とか思っていたのだが、齢13年の自動車って基本メンテだけで結構手間がかかり、パワーアップなどのお遊び要素までは手が回らずにいる。しかしいつかはパワーアップをと考えているので、とりあえず現状のアイの基本動力性能は把握しておこうと0-100km/h加速のデータを取得した。少し前にもデータ取得にチャレンジしたんだけど、近所の一般公道では車の通行が多く100km/hまで加速したデータはとれなかった。単車に乗っていた頃は100km/hなんてあっというまに出るしどこでも出してた気がするが、年齢を重ね社会的立場もあるのであまり無茶はできない。そして車自体が遅いのでなかなか加速しない。こんな全力加速運転は今までしたことがないし日常運転では必要もない感じ。なので0-100km/h加速データーは日常使用で求める動力性能を評価する指標とな異なる。個人的には3速または4速ロックアップ状態で50km/hから80km/hあたりへの加速データーが評価指標だと思っているが、アイのATだとすぐにロックアップが外れるし、変にキックダウンするしできれいなデーター取りが難しい。そういう意味で取りやすい0-100km/hのデーターを指標の代理とする。

 早起きして交通量が少ない早朝にデータ計測した。外気温23.5℃晴れである。OBDでデータを取得しながらストップウォッチでも計測した。0-100km/h加速は14秒程(13.84、14.39、14.41)であった。アイは低速ではトルクフルでいいのだが、回転を上げるとトルク感が乏しく惰性で回っているような感じ。普段はせいぜい5000rpmほどしか回さないので不満は無いけどね。取得したデータを下図に示す。

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 スタートはブレーキを踏んでアクセル全開、そしてブレーキを解除して発進するのだが、グラフからわかるように結構早いタイミングでブレーキ解除している。車に負荷を掛けるのに気が引けたからである。エンジン回転がもっと高い状態までブレーキ解除を遅らせればもう少しタイムは上がると思う。上図のデーターはストップウォッチ計測では13.84sec出ているのだが、グラフで見ると15secくらいかかっている。車速メーターとOBDデーターは同じだと思うのだけどストップウォッチとデーターは結構違いがある。まあストップウォッチ計測を正としておく(ストップウォッチは我が愛車は少しでも速くあってほしいという願望が混じり早く押しているかもしれないけど)※追記:OBDの車速はメーター値より少し高く、OBDで100km/h時、メーターでは105km/hほど出ている

 トルコン速度率(適当に名前付けた)はエンジン回転数と各ギヤ段数から計算した車速と実車速の比で計算している。100%以上は0に置き換え、1~4速のトルコン速度比で最大値をプロットする。0%がストール状態で100%がスリップなしの状態となる。OBDデーターはサンプリング500msecにしているが同一数値が重なることもあり、応答性、精度ともいまいち。OBDはこういう過渡特性を取得するためのものではないのだろう。毎回メーター読みで100km/hを越えてからアクセルをOFFにしているが、OBDデーターでは100km/hに届かないデーターもある。OBDには取得遅れもあるのだろう。ブースト圧は0.6キロほどで安定している。今後のブーストアップでは0.8~0.9キロ、0-100km/h加速は13秒台を目標にする。

 後日、高速(阪神高速湾岸線)を走る用事があったので、この時もデーターを取った。外気温24.9℃。1時間弱の走行データーをBくん作アプリでプロット。①横軸:エンジン回転数、②縦軸:ブースト圧、③色:エンジン負荷になる。回転数6000rpm、ブースト圧0.5キロ(150kPa)近辺に飛び地のようなのデーターがあるがこれは90km/hほどでフルスロットルにした時に3速にキックダウンして加速した時のデーターである。フルスロットルにしたのはその時だけで、後は最小限のアクセル開度での運転データである。

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 同じデーターを①横軸:車速、②縦軸:相対ギヤ比(車速/エンジン回転数)、③色:ブースト圧でプロットする。こうするとキックバックで3速に入った様子がよくわかる。

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 ①横軸:エンジン回転数、②縦軸:車速、③色:ブースト圧でプロットするとこんな感じ。ミッションがNAのままで最終減速比がターボより大き目なのでエンジン回転数は全体的に高め。113km/hで4769rpmとなっている(100km/hで4220rpm相当)。

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 次に①横軸:スロットル開度、②縦軸:ブースト圧、③色:エンジン負荷でプロットしてみる。このプロットだときれいなラインに乗る。アイは電子制御スロットルなのでスロットル開度はコンピューターが計算して制御するので、無駄な開閉をしないことが良くわかる。アクセルをステップでONにしても電子スロットルは急激には開かず、アクセルを不用意にOFFにしても電子スロットルはエンジンの状態を見ながらゆっくりと閉じるのだろう。こういう動きをするので、リリーフバルブはなくてもOK!となったのだろう。

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 ちなみに吸気温度は38~46℃くらいであった。高速道路で80→110km/hでの高負荷加速で8℃程吸気温度が上がる。ブースト圧に対して5~6秒遅れて応答するがセンサ値のフィルター処理の遅れかな(追記:エンジン制御するセンサにそんな遅れがあるとは考えにくい。モニタ情報のみフィルターかけていると思う)。車速がゼロになっても温度は38℃あたりから下がらない。外気温は24.9℃だがエンジンの熱で温められているようだ。吸気温度はインテークマニホールドについているMAPセンサのデーターだと思う。これくらいの温度であればそれほど気にしなくていいのかとも思うが、実温度(フィルター遅れのない)はもっと高くなっているはずだ。今後はインタークーラーの能力を上げて吸気温度を下げようと思っているけど、全力運転なんてしないのだからあまり意味のない改造かもね。でもインタークーラーガイドの大型化くらいはしたいと思っている。その前に部位ごとにもう少し正確な温度を計測したい。またブーストOFF時の吸気温度が外気温+13℃というのはちょっと高いと思うので、吸気配管の断熱処理も効果ありそう。ちなみに吸気温度はインタークーラーなしの場合、計算上は入口温度25℃、ブースト圧0.5キロで62℃、ブースト圧1.0キロで90℃となる(※1)

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 次に故障診断にチャレンジ。前にエンジン警告灯が点灯しゆっくりしか走らなくなった。その時はエンジンをかけ直して普通に走るようになったが、最近妻も同じ状況に陥った。センサ関係の不具合のようだが、故障ログを見る手段を得る必要がある。ネットで調査すると"OBD Info-scan"で故障ログを見れるようだ。無料のトライアル版ではトラブル診断は使えないので、お金を払って有料版を使えるようにしました。500円なんだから元はすぐに取れる。

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三菱アイでも使える、とのことで初期接続はあっさりできた。エンジン回転数などの状態量表示も確認。

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満を持して ”イザ、故障診断!” ・・・と、トラブル診断のアイコンをクリックしたら以下の画面が出た。

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未対応・未取得の表示。え・・・、アイには対応してないの? なんかすごいショック。ログ消去のボタンもあるのに・・・。惜しい! なんとかならん?  


 追記:予備のエンジンECUをいじってたら光明が見えた。ECUの単体動作で故障診断するとあっさりできた。おそらくはダイアグノシスピ・・・。詳細は後日。

 

 

※1:ポアソンの関係式のおさらい

T・P^((1-K)/K) =一定

 T:絶対温度[K] =温度[℃]+ 273.16

 P:絶対圧力[Pa]

 K:比熱比(空気は1.4)