O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_37(NA車とターボ車の違い)

6-2.アイのターボ化_37(NA車とターボ車の違いについて整理する)

■2020年10月

 エンジン換装を目前に控え、NAとターボの違いについて整理しておく。以前のバキュームチューブ購入時にも書いたが、私の知っているパーツリストだけではNAとターボの違いはよく分からないので憶測も交えている。今回のエンジン換装はターボ車のエンジンを載せ替えるわけだが、降ろされたNAエンジンを再びターボ用として搭載する場合の必要加工についても記述する。NAエンジンをターボエンジンに仕上げていくのが、真のアイのターボ化だからね(本気で考えている訳ではない)

 1.仕様上の違い                        

■エンジン
 1)圧縮比(NA:10.8 T/C:8.8)     ※おそらくピストンが違う
 2)カムシャフト          ※カム高の許容数値が異なるのでたぶん違う
 3)過給機、インタークーラーの有無
 4)過給機取付に伴うオイルラインや冷却ラインの穴加工
 5)燃料ポンプについてはわからない

トランスミッション
 6)最終減速比の違い(NA:6.421  T/C:5.841 ⇒ 1:0.91)
 7)トルコンストールトルク比の違い(NA:2.33  T/C:2.15 ⇒ 1:0.92)

■電装系
 8)エンジン制御ECUECU交換)
 9)O2センサの配置場所違い(ケーブル延長)
 10)ウエストゲートバルブの配線の有無(2芯ケーブル追加)

 

2.違いの詳細とNAからターボへの変更必要項目          

1)圧縮比
 NAは10.8、ターボが8.8、とノッキング抑制のために圧縮比が下げられている。クランクシャフトやコンロッドはおそらく同じパーツで、ピストン形状だけが異なるのだと思う。もしもNAエンジンに後付けでターボを取り付けるのであれば、ピストンをターボ用に変更するか、シリンダーヘッドやピストンを切削して圧縮比を下げることになる。圧縮比はそのままで燃料をハイオク化することで対応できないか興味があるのだが、そういう情報ってどこかにないかな?。 NAとターボでのエンジン特性の違いを下図で示す。

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ターボ車のエンジン特性はカタログからの目分量プロットであるが、NA車のトルク特性ってどこにも無い。ディーラーで部品発注する時に、「NAエンジンのトルク特性があればコピーください」とお願いしたのだが、「NAのは無い」との返事。ほんまかいな~?  しかたなくカタログスペックの最大トルクを1点プロットしたが、それだけでもターボ車のトルクがどれだけ大きいのかよくわかる。3000rpmあたりではNA車の2倍くらいトルクある。私のターボ化への期待は低回転域での高トルク。今のNAエンジンは普通に平地を走っている分には特に不満はないのだけど、ちょっと急な坂道だとキックダウンしないと加速しない。そういう坂道でもそのままのギアでちゃんと加速してほしい。また平地であればトップギアの1500~4000rpmで40~100km/hをカバーできるので、ターボエンジンであればトップギア固定で十分な走りができる(私的には)。欲を言えばパドルシフトでの変速、そこまでいかなくてもトップギヤで固定する機能がほしい。

※2021年3月追記:整備解説書(CD-ROM)内を探すとNAエンジン特性グラフがあったので、それを目測プロットしてエンジン特性図を更新。ターボは6500rpm、NAは7500rpmまでで、ターボは相当低速トルク側に振っているのがわかる。64馬力に抑えるためのセッティングだと思うが、もう少し高回転型にしてやれば80馬力とかは出そうに思う。レッドゾーンはいずれも7200rpmだと思う。

 

 2)カムシャフト
 パーツリストからは正確にわからないのだが、摩耗限界値がNAとターボで異なるので、おそらくは違う部品だと思う。

 3)過給機とインタークーラー
 NA車をターボ化するには
  ・エキマニ
  ・過給機
  ・エキゾーストパイプ
  ・マフラー(NA用でもとりあえずOKみたい。ターボ化の心の師匠ruoさん情報
  ・サクションパイプ(エアクリーナー⇒過給機⇒インタークーラー⇒スロットル)
  ・インタークーラー
 が必要。

 4)NAとT/Cの冷却ライン、潤滑ラインの違い
 ターボ車ではエンジン冷却後のクーラントが過給機を冷却する。NA車をターボ化するにはこの冷却ラインの加工が必要となる。

 【NAエンジンの冷却ライン】 f:id:otypemako:20200930222205g:plain

 

【T/Cエンジンの冷却ライン】 f:id:otypemako:20200930222222g:plain

 

過給機への潤滑ラインはオイルフィルター通過直後で分岐し過給機に送られる。潤滑後はオイルパンに戻る。NAエンジンをターボ化する場合はこのラインの取り付け穴の加工が必要となる。

【T/Cエンジンの潤滑ライン】 f:id:otypemako:20200930222236g:plain

 

過給機周辺の冷却ラインと潤滑ラインの写真。

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冷却ラインはシリンダーヘッドのコンデンサータンクに戻るラインとほぼ横並び。

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オイルラインをエンジンに固定するために、M6のタップを2か所切る必要あり。

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NAエンジンをターボに改造する場合にこれらのライン穴加工が難関。タップ切くらいならできそうだが、穴あけと接続面の切削加工を正確に加工するのは難しそう。加工屋に丸投げするか、治具を自作して加工するか。まあたぶんNAエンジンのターボ化なんてしないと思うけど、未来の自分の行動は今の私には分らない (*´ω`*)。

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シリンダーヘッドもタップ切る必要あり。

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 5)燃料ポンプ
 NAとターボの要求燃料流量の違いから、もしかしたら燃料ポンプが異なるのかもしれない。ディーラーでの雑談時にNAをターボ化する話をしたら、ディーラーの人が「それはおすすめできないですよ(^^;)、燃料ポンプとか違ってきますから」って言ってたのだ。この人は雑談のノリで軽く答えただけだと思っていて、私の考えでは燃料ポンプは同じだと思っている。アイはターボ車から発売されてNAは数年遅れての発売なので、少しくらいのパーツ代を浮かせるためにわざわざポンプを替えないのではと推測。

6)T/Mの最終減速比
 ターボ化によるトルクアップのために最終減速比を下げているのだと思う。詳しく調べるまではT/Mは同じものだと思っていたので、この事を知った時はちょっとショックだった。N/AのT/Mを使ってエンジンのターボ化したら、燃費が悪くなりそう。

7)トルコンストールトルク比
 トルコンまで違うんかぁ~~~ …(*゚。゚)m

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ストールトルク比って、完全ストール時(速度ゼロ時)に伝達されるトルクの増幅率だよねぇ。ターボではこのトルク比が下がっているというのはどういうことだろう?  発進駆動力で考えると、ターボではT/Mの最終減速比が下がっているので、NAと同じ発進駆動力を得るには、トルコン入力軸に1/0.91×1/0.92=1.19倍のトルクが要求される。まあ20%高いトルクが要求されるってことだ。ターボ化によるトルクアップって全域30%以上はあるから余裕ってことかな。 逆にNAのT/Mのままでターボエンジンに換装すると、発進駆動力がそれだけ高くなる・・・、っというか必要以上にエンジン回転数が上がって乗りにくくなるのかなぁ~。将来心に余裕があるのであればターボ用のT/Mに載せ替えたい、などという気の遠くなる考えが浮かぶ。

8)エンジン制御ECUECU交換)
 エンジンECUはNA用とターボ用でもちろん違う。これも某オクで初期型を入手済み。

9)O2センサの配置場所違い(ケーブル延長)
 O2センサの取付位置がNAとターボで異なるので、ターボ化においてはケーブルを延長する必要がある。

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ハーネスの取り回し図でもO2センサのコネクタ(E-11)位置を確認。 

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ちなみにターボ車の後期型ではO2センサが2個ついている。これはおそらくエコ運転のモニター用。

 

10)ウエストゲートバルブの配線の有無(2芯ケーブル追加)
 ブースト制御用のケーブルが新規に必要になる。

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回路図で確認。12Vのコモンコネクタ(C-20)と、エンジンECU(C-34)に接続する。

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C-20はエンジンECUのすぐ横。

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C-20の⑬ピンに接続するのだけど、こういうコンタクタって1個で購入するのがめんどくさいので、⑨か⑫のケーブルから分岐して接続する。電流容量的には問題ないよね。だって大元は①の赤ケーブルでここから他のケーブルに分配しているんだから。

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C-20コネクタのコンタクタはこんな形。

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エンジンECU側はC-34コネクタの⑫ピンに接続。ターボ用のECU購入時にコネクタ部はついてきたので(ケーブルを10cmくらいでぶった切っていた)、このコンタクタを使う。エンジンECUのピン配置は回路図をちまちま読み取って作成。

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左手に持っているのが、ターボ用ECUについてきたコネクタ部。

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エストゲートバルブの制御用に、入手したECUのコネクタからコンタクタを1つ取り外しておく。まず水色のコンタクタ固定具を外す。

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コンタクタ固定具はこんな形状。

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コンタクタは爪などで抜け止めされていないので、引っ張れば抜ける。

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コンタクタは背面を固定具で押さえつけている。

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電気的接続はこのウエストゲートバルブの追加のみがNAとの差異になる。

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今回のエンジン換装では追加した水温、油温のセンサと油圧センサSWの6芯をハーネスに追加する。油温センサと油圧センサSWはオイルクーラーに取り付けるので、実装はまだ先になりそう。

ターボエンジンに付いてきたコネクタを再利用して必要ハーネスを製作した。

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エンジン換装時に実装する。

 

※追記

エストゲートバルブ制御用コンタクタは無くしてしまいそうなので、先にアイに取り付けた。

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黒のケーブルがちょろっとコネクタから延びている状況

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エンジン換装時にここにハーネスを接続する。

 

※後日追記(2021年2月)

 ユーザー車検の準備をしていて気が付いたのだが、ターボ車にはキャニスターの前にチェックバルブがついている。なるほど、ターボが効いて加給圧があがるとキャニスター側へ逆流してしまうことを防止するのだな。

NA車

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ターボ車

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 これが原因で車検が通らないってことはないと思うが、近いうちに取り付けよう。