■2023年4月
我が家ではここ最近コンデンサ交換が流行っている。部屋のマンションのインターホンにはじまり、古い電子基板のコンデンサ交換を複数実施しており、どれもが正常動作するようになったからである。どれもだいたい20年越えるくらいで動作に異常をきたしたのを見ると、やはり電解コンデンサがデジタル動作に影響を与えるのは20年というのは一つの指標のようだ。アイのECUも15年を越えていて、かつ予備を1台づつ持っているので、一方の予備側を事前にコンデンサ交換しておこうというのが今回の作業である。まずはECUの基盤外しから。
4ヶ所の爪で嵌っているだけなので、精密ドライバを複数差し込んでうまくひっぱれば外れる。精密ドライバが8本あれば簡単に外せそうだけど、そんなにもってないのであっち外しこっち外しでがんばった。
エンジンECUにはコンデンサが2個。47μF 35Vと47μF 50V。
一応基盤の型番も記録しておく。
続いてT/M のECUも分解。
型番は次の通り。
T/M ECUのコンデンサは1個。コンデンサは47μF 50V。
ここで使われているのは”導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ”という名前の長いやつらしい。足部は下写真のような形状をしいる。普通のコンデンサと比べ価格も高い。
”導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ”の特長を記したページを下に張り付けておく(電波新聞のニチコン製品紹介より)。 アルミ電解コンデンサより高性能長寿命で少し高級のタイプというわけだ。
秋月電子で47μF、63Vのを7個購入した。1個80円ならまだ許容範囲だしね。
まずはコンデンサの取り外しから。基盤固定型のコンデンサってどうやって外したらいいのかな?とりあえずはんだごて2本で左右の脚を温めて真上にひっぱればとれそうだ。ということで下写真の仕組みを用意。木材の先端にコンデンサをテープで固定し、反対側におもりを固定。そしてコンデンサの脚のはんだを溶かせばテコの原理で外れるはず。
脚部をはんだで温めているとテコがカタンと動いた。「外れた!」と思ってよく見ると外れたのはコンデンサとテープでした。はんだの熱でテープの粘着力が弱まって外れたもよう。こういう形式のコンデンサ脚のはんだを溶かすのはむずかしそうだ。
うまくいかずイライラしてきたので破壊工作に走ることにする。基盤に無理な力がかからないように慎重にニッパで切断。
内部の電解紙やらアルミ箔をラジペンでむしり取る。
するとケースが外せる。
台座部分は強く引っ張れば外れそうだが、基盤がめくれたりすると一巻の終わりなので、台座部をニッパでちまちまちぎっていく。
台座部分が外れたらはんだごてで外せる。
コンデンサの取り外し終了。
粉々になったコンデンサ。
次は取付けである。高さ方向に余裕がなく、どうやって取り付けるかしばし悩む。
コンデンサは横向きに取り付けよう。固定には信越のシリコン(絶縁タイプ)を使う。
慎重を期するために余分なはんだを吸い取り線で取り除く。
コンデンサを固定するところにシリコンを付けて、大雑把にコンデンサを固定する。
それからコンデンサの脚部をはんだづけ。
絶縁タイプのシリコンなんだから取付け後、保護もかねてたっぷり塗ったほうが良かったかな?
横向きにしても高さ方向の余裕は少ない。
最後に基盤部をパチンと押し込んで作業完了。
このコンデンサも破壊して外す。
そして取付け。左側のは高さ方向に余裕があったのと、横向きに取り付けるスペースが苦しかったので直立でとりつけた。
慣れてくれば短時間で作業終了だ。基盤部をパチンと押し込んで完了。
そういえば他にもECUってあるよね。何があるのか確認する。走るという基本動作に関連するECUは予備を入手しておいたほうがいいかな。★重要ECUと記す。
A/C-ECU :エアコン制御
A/T-ECU : A/T制御 ★重要ECU
ABS-ECU :アンチロックブレーキ ★重要ECU
EPS-ECU :エレクトリックパワーステアリング制御 ★重要ECU
ETACS-ECU :ドアロック、ミラー、ワイパー等の制御(Electronic Time and Alarm Control System)
KOS-ECU :キーレスオペレーションシステム (Keyless Operation System)
PTC-ECU :暖房用ヒーター等の制御
SRS-ECU :エアバッグ制御
エンジン-ECU :エンジン制御 ★重要ECU
コラムスイッチ(ECU内蔵) :
コンビネーションメーター(ECU内蔵) :車速メーター等
パワーウインドウサブ、メイン(ECU内蔵):パワーウインドウ
ヘッドランプオートレベリングECU :うちのアイには非搭載(手動レベリング)
ヘッドランプコントロールユニット :うちのアイには非搭載(ディスチャージタイプだけ)
確かにECUはいっぱいあるけど、まあ走りに関係するのは数個だね。エンジンとT/Mとパワステだけかな重用なのは。ABSは大事かもしれないが日常使用ではほとんど動作する機会がないし別にいいかも。エアバッグはすごく重要だけどコンデンサ交換しても動作確認ができないし、その過程で逆に壊してたら怖いしで悩ましい。とりあえず考えるのはパワステのECUだけど、これは動きが悪くなってから考えてもいい気もする・・・。
ECUのCAN通信の回路図もおまけで掲載しておく。
それではECUの交換だ。エンジンECUは予備品も同じ型番(1860A700)。T/M ECUはもともとのNA用(A001)とターボ用(A002)。ちょっと変速タイミングが違う感じ。
交換後してしばらく経つが特段問題なく元気に走っている。半年ほど様子を見て問題なさそうなら予備のECUのコンデンサも交換しよう。
ついでにプラグホールのオイル漏れ点検。1番2番がちょっとオイル溜まっているけど量は少しだけ。いつものようにオイルを拭き取った。今後も経過観察していく。