■2016年2月
我が旋盤はトップスライドが付いている。テーパー加工などもできるのだが形状の制約から使えるバイトは10mm角までとなる。しかしヤフオクでは10mm角のバイトは数が少なく高価である。ついカッコいい16mm角のバイトをぽちりしてしまった。
ということで、16mm角バイトを使えるよう、またさらには剛性アップのため、刃物台を強化型に改造する。具体的にはトップスライドを外して、直接(本当は12mm厚のベースの上に)クロステーブルに刃物台を取り付ける。適当な刃物台をずっと探していたのだが、先日すばらしくぴったりな品をゲット。1漱石でした。それがこれ。
ヤフオクの写真で見るのと現物を目の当たりにするのではずいぶん違う。でかすぎる。しかし剛性はみるからにアップしそうだ。しかしこのままでは高さが合わず、下側を20mmほどカットしなければならない。どうやってカットしよう?
ためしに旋盤にくわえてみた。大きすぎてチャックが締められない。予想通り(笑。
じゃあどうする?我が家にある工具で対応可能なのは金のこだけ。
てっ、手で切るの? ・・・他に手段がありません!
3日くらいかければ切れるんじゃないかな・・・。
何ごともチャレンジだ。
上の写真あたりまでは1時間ほどで切れた。この段階で、「もしかして今日中に切れるんじゃない?」という予感がした。しかし、なかなか体力が続かない。のこを50回ひいて5分休憩、というペースで、4時間後に・・・。
切れた~。
人生最大の切断だわ(^_^;
切断面は旋盤で平面に切削する(予定)。
少し話は脱線し、定盤についての話題。機械加工に定盤は必須だが、なかなか高価で手が出ない。ホームセンターでぶらぶらしている時に、御影石がふと目に留まった。表面はつやつやしていて、空などをきれいに映している。これって定盤替わりに使えるんじゃない?300mm×300mmで大きさ的には十分。でも厚さは10mmなのでちょっとたよりなさそう。もっと分厚いのは無いかなと、うろうろするとありましたよ。50mm厚のが。でも表面は砂っぽくて平らなのか否か良くわからない。手でなでた感じでは結構平ら。・・・と手がじゃりじゃりになった。でもだめでもこの金額ならチャレンジしてみようと購入。
12.5kgと結構重く、どっしりとしている。定盤として使えなくても作業台としては間違いなく役立ちそう。
雑巾できれいに拭き、表面の様子をパシリ。
刃物台切断後、腰の痛みは翌日軽~く出ただけで、その後一週間経つが体は大丈夫だ。以前望遠鏡のアリガタ・アリミゾのアルミ材を切った時は一週間以上腰にダメージが残った。体への負担のかからない切り方を習得できているのだろう。
また定盤への渇望が残っており、結局厚さ10mmの御影石も買ってしまった。
平面がつやつやで、鏡のようだ。平面に映る空などを見ると、結構平らな面だと思う。
まあ、金額が50mmの半分だし、50mmは切削用作業代、10mmは検査用定盤としてつかっていく予定。
次は刃物台の切削面(底面)の切削だ。刃物台は3面にバイトが取り付けられる形で軸対象ではないのでバランス用のおもりをつけた。
チャックの爪で掴むのはあきらめ、爪を外してチャック本体にM5ネジで固定した。
まずは軸あわせ。
さ~て、いよいよ切削だ。
ドキドキしながら刃を近づける。
が・・・
ガゴゴゴゴゴ・・・とすごい音と振動。
まったく削れない。どうも先丸剣バイトは先端が磨耗して刃が出ていないようだ。
10mm角で使えるもう一本の斜剣バイトでやってみる。
先丸剣バイトとか斜剣バイトとか書いているが、旋盤ど素人の私はこのバイトの呼び方も今知ったばかり。本来の使い方など知りませんが、なんとなくこうかな?って感じでやってます。
よーし、一応削れてる。心底わくわくしながら削ってる(^^)/
しかし主軸オイルカップがすぐに無くなる。この端面を一回削るとオイル補給だ。
やはりオイルカップの大型化は必須だな。
そうして全面切削完了!
平面度を測ってみる。100均のステンレス定規で(笑。
なんかだめだ。四隅が出っ張っている。切削不足ということか。
この現象について想像すると、方形短辺以内を切削時は連続切削となるが、それ以上の外を削る時は不連続切削となる。この時にガッガッガツっと不連続な振動が発生するのだが、その振動で往復台の送り軸のガタ分が押し戻されたのだろう。クロステーブル軸にはスラストベアリングを入れてガタはほとんど無いのだが、往復台の送り軸は現状、0.5mmほどのガタがある。これが主因と思われる。他にも切削は外周から開始すべきなのかも知れない。しかし斜剣バイトの片面は刃先が欠けているので、内から外方向にしか削れなかった。
四隅だけもう一度削りなおしてみる。
あ~あ、ちょっと削り過ぎた。まあなんとかしよう。
さて、ぜんぜん削れなかった先丸剣バイト。やっぱり刃物は研がないとねぇ。これは前から気にしていたことで、両頭グラインダーをヤフオクで探していた。でもねぇ・・・。刃物を研ぐのってどれくらい音が出るの?マンションのベランダで刃物研ぐのってちょっと非常識では?という感じで二の足を踏んでいた。部屋の中でグラインダー使うのって、それもだめだろ。金属粉でどうなるやら。一時はグラインダーを囲う防音&金属粉ガードケースも考えたが、そこまでするエネルギーが沸いてこない。
で・・・、手で研げない?とふと思った。流しの下には100均で買った砥石もある。
ものは試しでやってみた。
やったら意外と研げた。実際切削して見たが見違えるほど削れる。うむ、意外といける!。 よーし、こっち方向で腕を上げていこう。
刃物台の続きだ。切削した底面を平らにする。定盤(ミカゲ石ね)に布ヤスリを置いて、平面を削っていく。
はじめに#40番で削り、次に#60で削る。手を動かしながら、感触的には意外と平面出るんじゃないかという雰囲気。
しかし定規で平面度を見てみるとどうも凸レンズっぽい。
やっぱ、キサゲだな。キサゲとはスクレーパー(木工のノミみたいなの)で手作業でちまちま削って平面を仕上る技術。キサゲ職人の動画を見るとかっこよさがにじみ出ている。俺もそんな世界の入り口だけでも覗いてみたい。
キサゲ工具(スクレーパー)をモノタロウで見てみる。かっこいい!でも高い。
どうしたらいい。バイトを工夫してキサゲを作る?とか一週間ほどお風呂で考えていた。で・・・、ふと「そういえば、使っていないのみがあったなぁ」。
もしかして使えない?お風呂上りにごそごそ工具箱からのみを出して刃物台の底面を削ってみる。
なんか削れてる!まぁ、ちょっとでも削れるんだから、時間をかければ平面出せるかもね。
この頃、旋盤熱は最高潮に達していて、いろいろ買った。
まずはチャック。
今のチャックちょっと頼りないし、独立タイプなので軸あわせもめんどい。で・・・買いましたよ、80mmのチャック。
どっしりとした重量感。100mmか80mmか相当悩んだのだけど、100mmは我が旋盤にはちょっと大きすぎるかなぁ、と80mmにした。漱石さんが五人去っていった。
あと、よくわからない鉄ブロック。廃業したおもちゃ製造工場のものらしい。
全部で1漱石さんくらい。
これで芯押し台を作れないかと模索中。
そしてオイルカップの大型化である。100均ショップをぶらぶらして手ごろな大きさのものを発見!
なんか不吉なものを買ってしまった(^_^;)