O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

4-2.星空撮影2016年11月~

4-2.星空撮影2016年11月~

  いよいよ今年も星の季節がやって来た。SP赤道儀も稼動しはじめ準備は着実に整いつつある。R-1000に2倍のテレプラスを装着したf=2000mmの鏡筒で亜鈴星雲を狙う。
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      日時:2016年11月1日 / 月齢1日 /  空透明度70% / 気温12℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:亜鈴星雲 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:90° / 3枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-1000(D=100mm f=1000mm+2倍) / 露光:25min / ISO:1600

  まずは写っているので満足である。これまで目で見えない天体は導入が困難だったが、今回自動導入機能を拡充したため、PC画面上でマウスクリックするだけで、ほぼ確実に導入できるようになった。2倍テレプラスもまあそこそこ使い物になっている。ただ、星象を詳しく見るとどうも星が二重に写っている。調査の結果鏡筒の共振が主因と考えられるので、R-1000はいったん休憩とし、再びR-100Sに載せかえる。そして再び亜鈴星雲を撮影。なお、今回からはコンポジット処理を単純合成平均からRegistax(フリーソフト)を使用して行うようにしている。ざらざら感はずいぶん抑制できるようになった。

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      日時:2016年11月5日 / 月齢5日 /  空透明度60% / 気温14℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:亜鈴星雲 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:90° / 8枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:150s / ISO:800
R-1000と比べ星象がシャープである。R-1000のピントが甘いのか、反射鏡またはテレプラスの精度の問題なのか?
両方の画像を同じ大きさに拡大して比較。
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やはりR-1000の方は星象がぼてっとしている。倍率でいうとR-100Sの方が1/3.3なのになんか精細に写っているよな・・・(困惑。
そうこうしているうちに夜空の透明度がどんどん落ちていき星が見えなくなってきた。
これ以上撮影してもいい絵は撮れそうにないが、構図の確認のために北アメリカとアンドロメダを撮影しておく。
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      日時:2016年11月5日 / 月齢5日 /  空透明度50% / 気温14℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:北アメリカ星雲 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:90° / 19枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:150s / ISO:800

なんか毒々しい色にしすぎたな。

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      日時:2016年11月5日 / 月齢5日 /  空透明度40% / 気温13℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:アンドロメダ銀河 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:80° / 1枚コンポジットな
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:120s / ISO:800

こうしてみると周辺減光が気になってしかたがない。よし笠井トレーディングのΦ46.5斜鏡買おう。今決意が固まった(笑。

ちょっと行き詰まったので気分を変えて擬似Hαフィルターを作る。以前に購入したSC62がずっと眠ったままだ。
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これをはさみでちょきちょき。
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そしてEOSにはめ込み、
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上からLPR-Nフィルタを取り付ければ完成。うん思ったより簡単だね。
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こいつとLPR-Nフィルタを重ねることで、630~680nmの光だけを透過するフィルタとなる。
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まあ本物のHαフィルタは5~13nm幅だけを通すものだけど、ちょっと高価で手がでない(笑。 気分だけを味わえればいいので、これで満足だがね。
  さてこいつで北アメリカ星雲を撮影。

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      日時:2016年11月9日 / 月齢9日 /  空透明度50% / 気温13℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:北アメリカ星雲 / フィルター:LPR-N+SC-62 / 鏡筒回転角:90° / 8枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:300sec / ISO:800

結構いい感じだと思う。

話変わって最近使い出したRegistaxでの画像スタックの効果を確認してみる。夜間に遠方マンションをR-100Sで撮影し、処理なしと4枚単純合成、4枚スタック、48枚スタックを比較してみる。
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これまではYIMGの自動合成を使ってきたが4枚までしか合成できなかった。Registaxで多数枚のスタックで滑らかさがずいぶんアップすることを確認。10~20枚くらいスタックすればざらざら感はかなり抑制できそうだ。

そしてついにR-100S改が完成。斜鏡をΦ36からΦ46.5に大きくし周辺減光を改善。晴れを待って北アメリカ星雲を撮影。
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      日時:2016年11月24日 / 月齢24日 /  空透明度70% / 気温7℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:北アメリカ星雲 / フィルター:LPR-N+SC-62 / 鏡筒回転角:90° / 7枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:480sec / ISO:800

おお!感動的に周辺減光が改善された。テンション上がる~!。
次にSC-62フィルターをはずしてアンドロメダ銀河
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      日時:2016年11月24日 / 月齢24日 /  空透明度70% / 気温7℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:アンドロメダ銀河 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:80° / 9枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:420sec / ISO:800

相当いけてると思う。Registaxの使い方がもうひとつわからないのでもう少し研究しよう。
とにかく今回は斜鏡を大型化した成果をしみじみ味わいたい。以前に撮影したものと比較して周辺減光の効果を評価する。
まずは北アメリカ星雲
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そしてアンドロメダ銀河
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ううむ、並べての比較だとその効果がよくわかる。R-100S改は大満足な改造であった。欲を言えば四隅にわずかにけられがある。ほとんど気にならないが気にすれば気になる(あたりまえ。これも改造していこうー。「おー!」

翌日の晩も晴れた。ぱっぱっとすばるを撮影。
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      日時:2016年11月25日 / 月齢25日 /  空透明度70% / 気温?℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:すばる / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:140° / 7枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:210sec / ISO:1600

もう少し星間ガスが写ってほしいなぁ。
次にM33
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      日時:2016年11月25日 / 月齢25日 /  空透明度70% / 気温?℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:さんかく座銀河(M33) / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:140° / 9枚Registax
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:360sec / ISO:800

アンドロメダ以外の銀河は初めてだな。

数日後、擬似Hαで北アメリカ星雲とペリカン星雲を撮影。今回は2枚のスティッチに挑戦した。
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      日時:2016年12月6日 / 月齢6日 /  空透明度80% / 気温?℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:北アメリカ&ペリカン星雲 / フィルター:LPR-N+SC62 / 鏡筒回転角:90° 
                     / 7枚コンポジットと8枚コンポジットをモザイク合成
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:480sec / ISO:800

う~む。結構いいんでない?真中のつなぎ目あたりがちょっと不自然なような気もするが。スティッチにはmicrosoftImage Composite Editorフリーソフト)を使用。難しかったのは二枚の写真の色合いを合わせること。同じ条件で撮ってはいるが、ペリカン星雲を撮影する頃には相当高度が下がっていて写りが悪かった。また写真のコンポジットはRegistaxからYIMGに戻った。というのも合成前の写真を見ると中心付近を中心に結構回転しており、RegistaxやYIMGの”画像合成ー自動”ではうまく合成できない。今回初めて、YIMGのポイント指定合成を使った。これは4枚までしか合成できないがきれいに合成してくれる。面倒くさそうで敬遠していたが、慣れれば結構すぐにできる。
  余談だが、ペリカン星雲って、下の写真の部分がペリカンなんだよね?写真中の?マークの部分は、ペリカンの目の部分が飛び出している、というか仮面を外した感じなのかな?よく見ると笑ってしまう絵だよねぇ~。
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  今回からフラット補正も実施。斜鏡改造前までは周辺減光があまりにひどく、フラット処理などの画像処理に注力する気になれなかったが、斜鏡の改造によりハード側の仕様はほぼ満足できるレベルに達したので、次の段階として画像処理にも注力する。また、今までの画像ではセンサ面のちりが結構写っていて、気にはなっていたのだがフラット処理でこれらもほぼ解決できる。ちなみにフラット補正画像は次の通り。
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センサ面に付いたちりはブロアで噴いたくらいでは取れないし、レンズクリーナーで拭いても別のチリが付く。もうあきらめてフラット処理したほうがいいわ!という感じである。そうそう、もうひとつ大事な改造があった。EOSのシャッターレス化である。これにはエネルギーを注いだ。途中泥沼にはまって断念風潮が高まったが、ついに完成し今回から実践投入。

年が明けた。おめでとう。
年末に体調を崩しておりあまり活動できなかった。元旦の夜「お風呂入って寝よ」と思っている時にふとベランダに出て、空を見上げるとオリオンが西の空に、つまり我が家の天文台から視野に入る位置に来ていた。空の透明度はまずまず。ここで悩む。昨年にばら星雲が導入できなかったことをきっかけに赤道儀をSPに替え、自動導入システムを構築した。つまりばら星雲は大きなリベンジでもある。それをこの体調がもうひとつで集中力も途切れそうな状態でチャレンジしても良いものだろうか。いや、それよりも早く寝たい・・・。いや、元旦という節目の日にチャレンジだ!と勇気を出して望遠鏡を設置。それで撮影したばら星雲。
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      日時:2017年1月1日 / 月齢3日 /  空透明度70% / 気温?℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:ばら星雲 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:75°/ 4枚コンポジット
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:420sec / ISO:800

元旦から初のばら星雲撮影となり2017年は幸先が良さそうだ。思った以上に淡く、生画像を見ても撮れているのかわからないほど。また大きさも思った以上に大きい。



年初の週末にもう一度ばら星雲を撮影。今度は擬似Hαで撮影。
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      日時:2017年1月6日 / 月齢13日 /  空透明度80% / 気温?℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:ばら星雲 / フィルター:LPR-N+SC-62 / 鏡筒回転角:75°/ 7枚コンポジット
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:420sec / ISO:800

この擬似Hα画像をLとして元旦に撮影した画像とL+RGB合成を行った。

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なかなか良い感じで立体感がでた。我が天体撮影人生で最高の一枚に認定!間違いない。うっすらとしか写っていない生画像にちょっと手を加えることでこのような鮮やかなばらが浮かび上がるのは感動的である。

急に寒くなりました。マイナス気温も頻発している。寒すぎてあまりベランダに出たくないが、オリオン周辺は今しか撮れないのでちょっとがんばる。まずは馬頭星雲。

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      日時:2017年1月25日 / 月齢25日 /  空透明度80% / 気温0℃ / 撮影場所:西南ベランダ
      撮影内容:馬頭星雲 / フィルター:LPR-N / 鏡筒回転角:90°/ 4枚コンポジット
      撮影:EOSkissD(IR改) / R-100S(D=100mm f=600mm) / 露光:420sec / ISO:800

 星空写真からフラットフレームを生成するソフトを試作し今回使ってみた。まだセンサ面のちり対策はできていないが、周辺減光などは目立たなくなった。馬頭星雲は二回目だが、前回よりはざらざら感がなくしっとりとできた。
・・・しかし寒い。ちょっとガイド望遠鏡の調整にベランダに出るのも辛い。遠隔で調整できるようにしようかな・・・。フィルタの付け替えもめんどくさいからホイール化しようか、といろいろお風呂に入りながら考える。お風呂から出てヤフオク見たら、EOS Kiss X2を落札していた。”err99が出て動作しません!”というジャンク品を2漱石でゲット。X2はダークノイズが少ないとの評判を良く見るが、私としてはビット深度が14bitというところに特に引かれた(我が主力機のEOS kiss Dは12bit)。使えるようになるかはわからないが、またおもちゃが増える。