O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_42(NAエンジンを降ろす)

■2020年11月

 作業二日目。といっても初日は午後からの移動とクーラント抜きだけなので、エンジン載せ替え作業としてはこれが一日目になる。今日からB君も参戦してくれる。まずはリアバンパー、マフラーを外す。バンパーはクリップで付いているだけなので、外し方がわかれば簡単に外せる。マフラーもボルト6本外すだけなので、下写真の状態には30分くらいの作業。これくらいなら月極め駐車場でもできそうなので、今後定期的にこの状態までばらしてメンテナンスしていきた。

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T/M側のドレンを外してオートマオイル抜く。T/Mはそのまま使うのでオイルは抜かなくてもいいかな?とも思っていたけど一応抜いておく。といってもドレンから抜けるオイルは半分くらいしかないようだ。

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エンジン載せ替えの方法は前の検討ではじめに検討したのを選択。車体側を上下させ、エンジンリフトは使わない方法。B君宅には枕木など車体下に敷く木材が多数あるので、エンジンを引き出すために車体を高くジャッキアップするのも問題なくできそうだったから。 

 

 エンジン載せ替えに際しての不安事項のひとつがドライブシャフトの取り外し方法。整備解説書を見る限り、ドライブシャフトはミッション側にCリングのみで”かぽっ”とはまっているだけで、下図のようにレバーを使って”てこ”の原理で”クイッ”とすれば外れるとのこと。でもB君にも意見を求めたのだが、そんな軽い感じで固定されているの? と納得し難い。ドライブシャフトのEDJ ASSY(ETJ ASSY)はユニバーサル機構と軸方向への伸縮機構の役割があるのだが、ドライブシャフトの付け根には軸を引き抜く方向の力はかからないのだろう。でなければ”かぽっ”とはめ込んむだけということはないはず。

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リアサスを伸びきった状態にして、右側のドライブシャフトをレバーで”クイッ”とすると、たしかに簡単に抜けた。しかし問題は左側。左側はドライブシャフトの長さが短くてシャフトの曲がり角度も大きくこのままでは軸がT/Mから抜けない。リアサスのダンパーを外してリアアームをもっと下げようとしても、左ドライブシャフトとリアアームが干渉してあまり下げられないし、がんばればぎりぎりドライブシャフトのスプライン部までは抜けるのだが、オイルシール部を超えて抜き取ることはできない。

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かなり行き詰ったが、結局リアサスアームの支点ボルトを外し、リアサス全体を少し左に移動すれば左ドライブシャフトが抜けた。初めからリアサスアームを外せばいいのだが、そうするとリアブレーキライン、サイドブレーキワイヤー、車速センサを取り外す必要があり、その手間を省くためリアサスアームは外さない方法を選択したわけだ。今回左ドライブシャフトを抜く時はリアサスアームの支点ボルトを外して、ブレーキラインの長さの余裕分の範囲でアーム全体を左側に10cmほど移動したらシャフトは抜けた。

 ドライブシャフトが抜けたので、もう一度リアサスアームの支点ボルトを再度取り付け、リアサスのジャッキポイントにジャッキを掛け直して車体全体を下げていき、エンジンが接地するまで下げる。エンジンが接地すればエンジンを車体に固定してナットを外していき車体とエンジンの分離完了。

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アイのエンジンは片側3本づつ(左右で6本)エンジン固定ボルトがあり、一本は位置決め用に長くなっている。この6個のナットを外せばエンジンは分離するのだが、ナットを緩めていくと6本中3本のボルト自体が抜けてしまった。

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ボルトはエンジンマウント側に固定されているのだが、このボルトがナットと一緒に回って抜けてしまったのだ。ボルト山が腐食かサビかで回りづらくなっており、それを無理に回したのでボルト自体が回ったというわけ。事前にボルト山を綺麗にしておけば良かったのだが、そんなところまで気は回らない。まあ抜けたボルトのネジ山をダイスで修正しておけば問題なく取り付けられるだろうと思ったのだが、B君の指摘で気が付いた。抜けたボルトは車体側がM12、エンジン側(取付ナットが付く方)はM10。M12はたぶん細目。そしてM10の方は車体側のM12とネジピッチが同じなのだ。えっ!どういうこと? M12とM10が同じピッチ? なんか特殊なネジなの? ・・・と混乱したが今はそんな細かいことを確認している余裕はない。(後日確認したらM12とM10の細目ピッチはいずれも1.25mmで同じでした)。細目のダイスはもってないので、その夜にカッターでちまちまネジ山をきれいにし、ボルトがスムーズに回るようにした。

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それからハーネスやラジエターパイプなどのエンジンに接続しているものをすべて取り外した。エアコンコンプレッサーはエンジンから離し、車体側にぶらぶらさせている。

エンジンが切り離されたので、車体をさらにジャッキアップしリアアームの下側からエンジンを引き出した。ここで日没サスペンド

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 作業三日目(エンジン載せ替え作業二日目)。当初立てた理想の計画では、エンジンルームの汚れやサビを落としてシャーシブラックを塗布するつもりだったが、理想計画からは大きく遅れており一切の余裕がないのでパス。加えて写真などもいっぱい撮ろうと思っていたが、そんな余裕もまったくなし。

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エンジン前側のクーラントの配管系統を確認。あれ?なんかスロットルにもクーラントが廻っている。ターボ用のスロットルにこんな配管は無い。どういうこと? エアコンヒーターへのラインと合流するんだけど、ターボ車用のパイプにはこの合流ラインも無い・・・と混乱するがこれに関する情報を探す余裕もなく「ターボ用スロットルにはクーラントラインが無いんだから不要流路は塞げばいいよな?」と自信なく決定。オートマウォーマーから出てスロットルに分岐するラインを栓で塞いでおいた。

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エンジンとトランスミッションを分離する。まずドライブプレートとトルコンを接続しているボルト3本外す。ミッションとエンジンの間に小さなカバーがあり、それを外すとドライブプレートが見える。3か所ボルトがあり、クランクを回して順に外していく。

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エンジンとトランスミッションの接続ボルトを外し、左右からひっぱれば簡単に分離。でもトルコンがエンジン側にくっついて出てくる。ボルトは外しているんだけど、軸部の摩擦でエンジン側に引っ張られる様だ。トルコンが出てこない様に手で押さえてエンジンを完全に分離する。ちなみにトルコンはトランスミッション側の軸と噛み合う位置が決まっていて、ちゃんと奥まで入っているか確認しないといけない。解説書で読んではいたが、軸の奥に切り欠きがあり、スプラインのはめ合いが1山ずれてもダメ。ここでも結構難航した。まあ一回経験すれば難しい作業ではないけど初めてだと戸惑う。

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そして精魂込めて整備したターボエンジンとの結合。

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エンジンに比べトランスミッションが汚すぎる。いや、エンジンが綺麗すぎるんだね。

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結合時は長いボルトを2本案内ガイドとして取り付ければ結構すんなり結合した。ただ、ドライブプレートとトルコンの結合用ボルトの位置は合わしておかなければ、結合後に位置合わせするのは結構難しそう。

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エンジンを車体の下に押し込む。

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エンジンに接続するパイプ類は下記写真の通り。

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コンプレッサーを挟んで傷付けない様に気を付けながら車体をジャッキダウンすればエンジンと車体を結合できる。

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そろそろ暗くなってきたので作業終了。なんとかエンジン搭載まで進めたかったが暗い中で作業すればミスも出るだろうし、エンジン搭載は翌日に持ち越しとなった。

 

ラジエターパイプの接続を下図に整理。

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右側のドライブシャフト(長い方)の構造。等速ジョイントは鋼球が8個使われている。この鋼球部分は軸方向に移動可能で、ドライブシャフトの伸縮部となっている。

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左ドライブシャフト(短い方)の構造。こちらはボールベアリングの様なものが三又状になった構造。右側と比べ等速ジョイントっぽくない気がするけど、左側の方がドライブシャフトの曲がり角が大きいのと関係しているのかな?

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