■2020年11月
このエンジンをポチッた時にもっとも気がかりだったのが、エンジン載せ替え作業が本当にできるのだろうか? ・・・というか載せ替え作業の場所を確保できるだろうか? ということだった。ぼや~っと考えていたのは、うちのマンションには車を置いていない駐車場が一つある。駐車場は個人の持ち物でその駐車場の持ち主が今は駐車場を使っていないということだ。その人と交渉して1週間程借りるというのがAプラン。しかし、借りることができるのか? またエンジン載せ替えという重作業を借りた駐車場でしていいものか? さらに駐車場は壁で囲われているとはいえ、近所迷惑では? 駐車場の壁を傷つけたら? オイルをこぼしたら? など不安は山ほどある。
Bプランは近所に上記のような不安の少ない空き地を探して持ち主と交渉するというもの。家の近所をぶらぶら回ると荒れた空地は結構ある。でもこういう場所でエンジンの載せ替え作業をしていいものか考え込む。また近所とは言え工具や外した部品を夜中に置きっぱなしにするのは不安だし、物置小屋でも作らないといけない雰囲気。
Cプランは実家(50kmほど遠方)にエンジン・工具一式を持っていく作戦。
そもそもエンジン購入時、エンジン載せ替えの実現性は50%以下と考えていた。それでも明るい未来を信じてエンジンのOHを進めていたのだが、妹の旦那のB君から「うちでエンジン載せ替えしない~? ぼくも手伝うよ」というまさに起死回生の提案が来たのだ。B君の家は70Km程の距離なのだが、作業場所(駐車場)は十分に広く、なにより信頼できる技術者のサポートがあるというのは決定的なアドバンテージである。それまでは一人での載せ替え作業を想定して作業手順を考え、必要な設備(ジャッキスタンドなど)を製作してきたのだが、考えれば考えるほど「本当に一人でできるだろうか?」という不安が膨れ上がっていた。
そんな状況での「場所提供&手伝う」という提案。これは天から降りて来た蜘蛛の糸だ。これにすがるのはあまりにも当然な話であった。アイは来年の3月に車検なのだが、この蜘蛛の糸が降りてくるまでは”車検までに載せ替え作業は無理だな”という諦めムードが支配的であった。寒くなるしいろんな意味で自信が持てなかったから。でも助けがあればがんばれる。俄然勇気が湧いてきて、載せ替えの準備作業を猪突猛進に進めた。
まずはエンジンをアイに載せなければならない。リアトランクまでの高さ75cm程で、部屋で一度エンジンをそこまで持ち上げられるかトライした。持ち上げレンジが長いので体勢の変化も大きく、腰がやばそうな姿勢は通過できそうにない。当初は全集中すれば大丈夫と考えていたが、ちょっと無理そう。
下写真のように片側づつ上げていくのは大丈夫そうなので、台や椅子を使って高さを上げていけば大丈夫そう。でも突然妻から「椅子が汚れる!」とかの想定外のNGが発令されそう。それを回避するには椅子をダンボールできれいに覆って・・・、とか考えてたらめんどくさくなってきた。
少し頭を冷やしてもう一度考える。そうだ!助手席に載せられるんじゃない?。どうせ荷物搭載のため助手席は取り外すんだし、助手席なら高さも低い。さっそく助手席を外してみたらシート下の床がぽっこり膨らんでいる。そうそう、アイはセンタータンクだったのだ。エンジンを置くためにはまずは台座造りから必要だ。
2x4材でエンジンが置ける台座を製作。
よし!これで出陣準備は整った。今一度全部品を確認。
ベランダにも勢ぞろい。忘れものないかな~?
まずは大将からの出陣だ。エンジンをお迎えした時と比べ、きれいに箱に入っているので移動はすごく楽だ。エレベーターで一階に降り、自転車用の道(スロープになっている)を通り、160m先の駐車場へGO !
アイに横付けして、
前方を持ち上げて台座を置き
後端にも台座を置く。これで取手の位置が持ち上げるのにちょうどいい位置となり、余裕で持ち上げられる。
20cmほど持ち上げて端っこを台に乗せると、あとは押し込んでいけばいい。思った以上に楽勝!
こんな感じで台座に乗る。急ブレーキを踏んだ場合に備えて台の前側にストッパーをつけているが、もう少し大きい木片のほうが良かった感じ。次回(たぶん無いけど)はそうしよう。
補器類などの荷物を一式積み込む。
車内は思ったよりパンパンだ。
左サイドミラーはエンジンが邪魔で完全に見えない。センターミラーも見えにくかったが、一番上の箱(サクションパイプ)をいろいろ動かしてミラー視界は確保した。
左サイドミラーが見えないというのは思ったよりも気を遣う。左へのレーンチェンジ時は左すぐ後方がサイドミラーで確認できないし、直接見ようとしても荷物が邪魔で見にくい。背の低いカウンタックなどは見えないと思う。なので二車線ある道路では左レーンをずっと走った。万が一の事態を考えレッカー車手配の連絡先も確認している。
そしてB君宅へ到着。B君は今日は夜まで帰ってこないので、一人でできる作業を進める。作業場は少しスロープになっているので、前後どちら向きで作業するか悩む。アイはリア駆動でサイドブレーキを引いても前タイヤはフリーになる。安全性をいろいろ考え、前側が高い向きで作業をすることにした。リアを高く持ち上げた時に前上がりの地面の方が車体傾斜が少なくなるからね。
まずはクーラント抜き。フロントをジャッキアップし、クーラントのドレンボルトを外す。
ドレンは並んで2か所ある。エンジンが冷える前に作業したので、ドレンが外れた時にクーラントが噴き出して顔にかかった。悠長にエンジンが冷えるのを待っているほど余裕がないので仕方ないよね。※後日追記:コンデンサータンクのキャップを外しておけば良かった。
このままではエンジン側のクーラントが抜けないので、リアをジャッキアップして残りのクーラントを出し切る。
できれば、リアバンパーやマフラー、そして過給機回りまで外しておきたかったが、暗くなってきたのでここで初日の作業は終了。