■2023年6月
タイヤチェンジャーシステムの最後の案件、ホイールバランサーの改良を行う。今までは余っていた材料とプラ板で試しに作ってみたのを使っていたが、今の流れに乗ってちゃんとしたのを作ろう。
まずは支点部の改良。今までは旋盤の芯だし治具を流用していたが、柔らかい鉄なので、先端が削れてくるだろう。より固い材質の木ネジを使って支点を作る。
先端は旋盤とリューターで60°に尖がらせている。
木材の先端に固定して支点部のできあがり。
次はホイールバランサー計測用の治具の製作。以前のは塩ビのまな板を切り抜いたものだったが、タイヤの重さでたわんで水準器をちゃんと置けない。今回は鉄でしっかりと作る。
4ヶ所穴開けて治具に固定して旋盤で掴んで外周を切削していく・・・
はずだったが材質が固い。我が家の貧弱な旋盤だと少しずつ削っていくのだが、Φ75mmからΦ62mmまでの切削はちょっと敷居が高すぎてしばらく放置。
切削作業をしばらく見ないふりして他のものを色々見ていたら急にひらめいた。そうだハブ径の大きいホイールを入手すればいいんちゃう? 今のホイールはまあまあ気に入っていたけど、ちょっと気分を変えたいという気持ちもあってホイールをいろいろ探しだした。一番候補は初期に検討したミニのホイール。リム幅5.5Jで前後同一サイズしか選択肢がないのだがデザイン的にはすごく気に入っている。他にECO FORME SE-12とクロイツァー Series XII を候補に探していたが、手ごろ価格のSE-12を落札した。
アイはフロント4J、リア5Jがオリジナルで今のはフロント5J、リア6J。これくらいが一番いいと思っているが、前後とも5.5Jでもいいかなー。アイは重心がリア寄りなので、安全のためアンダーとするためフロントが細い。ミッドシップの証たる前後タイヤサイズの違いは貫きたいという気持ちもある。
落札したのはリム幅6Jのが4本。フロントは5Jがいいのでさらに5Jも探す。
とりあえずこのホイールはハブ径が73mmなのであとちょっと削ればバランサーの治具は完成する。ハブ部との形状を考え下写真の形状で加工した。はじめは外周は直角にした円柱形状にしていたのだがホイールのハブ部内側が丸状の隅取り加工でぴったりと収まらないのでこういう形状に変更した。
中心部は2mmのドリルで穴をあけて芯が刺さるようにしている。
水準器を置きやすいように高さ1mmくらいのリブを加工している。
錆止めのため塗装して完成。
ここまで来たらタイヤのアンバランスを計測する治具も作る。これまではホイールとタイヤを組んだ後に(ビートは落ちた状態)ホイールとタイヤを回転させ一番バランスが取れる所でビート上げしていた。しかしタイヤやホイールによっては回転させずらいものがあり、適当に組んで最後おもりで調整していたのが多かった。どうせならホイールとタイヤのアンバランスを事前に計測しておき、一番バランスがいい位置でタイヤを組んだら効率的だ。端材でタイヤをはめる治具を製作。
裏側にはΦ73mmのハブを作りホイールバランサーがセットできるようにする。
タイヤを嵌めてバランスの一番かるい位置をマーク。
次にホイールの一番軽い位置をマーク。
タイヤを組む時はホイールとタイヤの最軽量点を180°ずれたように組む。これでタイヤを2組組み合わせたが、いずれもバランスはまずまず良好で、ホイールバランス用のおもりは最小で済んでいる。一組は20gのおもり、もう一組はおもりなし。
このタイヤアンバランス計測治具は使えそうなので塗装して一軍登録決定。
道具が増えたら、その収納場所も用意しないとね。ベランダの倉庫を収納場所とする。この倉庫はもとは妻の園芸用品用だったのだが、最近はほとんど使っていないので、徐々にこっそりと大胆に領土拡張している。
ホイールバランス治具も収納場所を用意。グリース類の上に二階建に配置している。
これでホイールバランス計測装置は完成。支点部が一点支持でないため、多少の摩擦があるので計測感度はあまり高くない。それでも少し変位させた状態からバランス点への動きを見て(動摩擦での計測)10~20gくらいの計測精度はある。この治具では計測軸まわりのバランス(静的バランス)しか測れない。まあ我が家の車は街中の買い物が主な使い方なのでこれで十分と思っているが、将来、動的バランスも計測できる装置を作ろうかなとも思っている。天井から紐をつるし、タイヤをくるくる回して外周での軸方向のブレ具合を見れば計測できるんじゃないかと思っている。まあたぶんしないけどね。