■2022年5月
シフトレバーまわりの構造を確認する。下写真の丸印の部分がパーキング時にドラム側のギヤと噛合ってミッションを固定する。なるほどね、パーキング時はこういう爪で回転ドラム部を完全固定するわけね。AT車のパーキングと言えば若かりし頃の記憶が鮮明によみがえる。学生時代に祖父のプレリュード(リトラクタブルライトになる前の型)をよく使わせてもらっていた。その時は仲間とわいわいとはしゃぎながらたこ焼きを食べて乗っていた。左手でたこ焼きを持ち直進時に手放し運転で食るのだ。そして信号停車時には膝でシフトレバーを動かしてニュートラルにしていた。今思えばあきらかに危険運転だ(いや、いつでもどこでも誰にとっても危険運転だ)。前方の信号が赤になったのでまだ20~30km/hの速度が出ていたのだがとりあえずニュートラルだ! とシフトを膝で押し込んだ。その時ちょうどシフトボタンを膝で押す形となってシフトレバーを前方に押してしまったのだ。ギヤは一気にパーキングへ。いきなりタイヤがロックしてガゴゴゴゴーーー! ってな盛大な音と共に自動車停止。エンジンも停止。「うわー、エンジン壊れたよー」 ・・・と涙目になった愚かな事件でした。幸いキーをひねると普通にエンジンは始動して変速機も問題なく動いていたので、”若気の至り”の一言で片づけている。その時のロック機構を今目の前にしているのである。
別角度。
シフトレバーシャフトの抜け止めは下写真のピンが担なっている。
ひっぱり抜くとこんな長さ。これは組付け忘れしそうなのでメモしておく。
シフトレバーの動きを動画で撮影。
別角度で撮影。
それではいよいよケースを割っていく。左側(助手席側)のケースはエンドクラッチカバーと称する。このケースはベアリングが固定されており軸端を保持する役割を持つ。そのためケースの位置決めブッシュはなくボールベアリングが位置決めを担っているようだ。
一か所Oリングがある。ベアリングへのオイル供給ラインである。Oリングは断面が四角形なのだが、たぶん元は丸断面だよね。
内径9mm、太さ2mmので代用できそう。
以前購入したOリングセット。ゴムの種類や耐圧、耐温度など細かいスペックは忘れちゃったが耐油性能はあるはずなので、エンジンまわりには使えるはず。
エンドクラッチは引っ張れば外れる。
エンドクラッチはフリクションプレートが3枚。NA用のは2枚ね。
その下にスラストプレートがある。爪が上向き(エンドクラッチ側)に4つ出ている。
その爪はエンドクラッチ側の切り欠きにはまる。
続いてエンドクラッチハブを外すと、その下にスラストベアリングNo.12が見える。
スラストベアリングNo.12の向きに注意。
このスラストベアリングはツバではまっていてぽろっとばらけるタイプではない。
内側から撮影。
エンドクラッチハブの外周部に3か所ぽっちがあり、そこにスラストベアリングNo.12が嵌る。スラストベアリング外周と一体となった面をエンドクラッチハブ側にしてとりつける。逆にするとぽっちとベアリング外周がこすれて削れてしまう。
最後にエンドクラッチシャフトを引き抜く。
エンドクラッチシャフトは出っ張りが3.5mm。逆向きにも挿入できるのだが、その場合はこの出っ張りが大きくなる。
引き抜いたエンドクラッチシャフト。外側(図の上)と内側(図の下)でスプラインの長さが異なるので組付け時は注意。
エンドクラッチ一式をキッチンペーパーで包んでビニール袋に入れてオイルをたっぷりかけておく。
段ボールに梱包。
エンドクラッチカバーも段ボール梱包。
ベランダの雨のかからない所に保管。
次は大物、コンバーターハウジングの取り外し。上下をひっくり返して準備OK!
そしたら中に残ってたATFが流れ出してきた。
トルコンの取付け軸をまじまじと観察。
こちらは出力軸の右側。オイルシールが少し変わった形しているね。
今回ばらした箇所を下図に示す。スラストベアリングが多数あり、取付向きに注意して慎重に記録しつつばらしていこう。だって、組み立てるのってだいぶ先になるから、細かい記憶はきっと残っていませんので。
ミッションの中を眺めるのもそろそろ飽きてきた。まあ初めから思ってたけどATミッションって同じような部品ばかりなのですぐに飽きる。エンジンをOHした時は、「なるほど、この部品はこんな感じね!」と新鮮な感動が持続していたので最後までモチベーションを保てたが、ミッションOHは最後までモチベーションを保てるかなと不安になってます。