O型のまこさん

O型のまこさん

趣味でいろいろ作った備忘録

4-4.赤道儀のモータードライブ設計・製作

■2015年1月頃

 大学入試祝いで購入し、実家に30年ほど眠っていた赤道儀を復活させ、星を撮るようになった。手動追尾という涙ぐましい努力もし、やはり自動追尾は必要だとの結論に達した。まずはステッピングモータの要求仕様を決める。とにかく安く設計。で秋月電子ステッピングモータードライバキットを選定。とりあえずすぐに動いた。

 

そして次は駆動部を取り付ける。このウォームギヤとウォームホイールがとにかく高かった。中古で安く手に入らないかと探したが見つからず断念。協育歯車製のものを5漱石ほどで購入。さて、モーターをいかに取り付けるか考える。


で、L型金具とねじを利用して下図のような取り付け具を製作した。
あまり美しいとは言えないが、最低限の機能は果たしているのでよしとする。


以上の構成で一応それらしく撮影はしていた。
これ以降の改良点といえば、アナログのパルス発振回路をデジタル化したくらいだ。
そしてピリオディックモーションの大きさにショックを受ける。振れ幅50秒ほど・・・。ちょっとこれはだめだ。下図がピリオディックモーションの軌跡。900分(9回転分)の比較明合成。これを減らさなければ・・・
※ピリオディックモーションとは一般的に赤道儀回転角速度の周期的変動。一次的要因は赤道儀を駆動するウォームギヤの製作精度に起因する。我が家の赤道儀は1段目ウォームホイール(144歯)&ギヤ、2段目ウォームホイール(50歯)&ギヤの組み合わせ。1段目ウォームギヤは10分間で一回転であり、これが支配的。

 

ピリオディックモーション(以降ピリオに省略)を抑制するには、モーター速度を変化させ、ピリオ分をキャンセルするパターンで出力すればよい。そのためには回転角度を知る必要がある。角度センサをつければいいがそれはめんどい。基準点を検出し、出力パルスから回転角度する方法だと初回の基準検出までは速度補正ができない。まあそれくらいは気にしない。基準点検出にウォームホイールに穴を空ける。

 

そして、この穴を検出するために赤外線LEDと赤外線フォトダイオードでセンサを作る。かなり手作り感あふれる出来になった。

 

また赤道儀とシャッターの制御用に操作SWを製作。

 

前作のプロジェクター操作SWに比べたら美しい出来栄えである。基板作りも少しずつ技術向上している。

 

コントローラはこんな感じとなった。


赤道儀はこのようなでき。カバーも作りたいがそれはもっと先になりそう。

 

さて、問題は制御ソフトの調整である。微妙な調整には再現確認のできる環境作りが必須である。PCディスプレイ上に星像を表示し、それを日周期運動させるソフトを制作する。Windowsソフトを作成するのはずいぶん久しぶりだ。たしかフリーのVisualBasicMicroSoftが出していたよな・・・、って感じでネットを探すとすぐに情報が出てくる。ネットって便利だね。VisualBasicの使い方もすっかり忘れていたが、適当な感じで動くようになった。動作を下図に示す。星像がPC画面の左下から右上に動き、それを赤道儀に取り付けたカメラで追尾するというもの。


実際の画面をキャプチャーしたものがこれ。星像は1dotなので、縮小すると見えない(画像をクリックして拡大すれば一応見えるみたい)。

 

実際の計測風景がこれ。部屋の端に赤道儀+カメラ、反対の端にPCを配置。PC画面の端から端まで30分(ピリオディック周期3回分)で星像移動。

 

このシステムで調整した結果を下図に示す。

 

上は速度調整なしの撮影、中は2周期目のみ速度調整、下は3周期とも速度調整あり。うむ、すばらしい。50秒ほどあったピリオディックモーションが1/10以下に減った。とさらっと書いているがここまでくるには速度調整テーブルの修正を20回ほど繰り返した。苦労したので、ついでに中画像の動画も載せる。

 

 よし、次はこれで星空を撮影だ。

 

うむ。すばらしい。細かいことを言い出すと切りがないが、しばらくはこれで行ってみよう。