O型のまこさん

O型のまこさん

趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_22(バルブ組付け&タペット調整)

6-2.アイのターボ化_22(バルブ組付け&タペット調整)

■2020年4月

 バルブの組付けを実施。バルブにマジックで番号書いているのだが、これが消えて組付け場所がわからなくなると大惨事である。そうならないように1気筒づつ組み上げていく。まずはバルブ密閉テスト。点火プラグを取り付け、バルブを差込むだけ(スプリングは未装着)とし、燃焼室に灯油を満たす。

f:id:otypemako:20200418225012j:plain

そして1時間放置。液面はほぼ変化ないのでバルブ漏れは大丈夫そう。本来はバルブスプリングを組み付けてからする作業だと思うのだけど、それはいろいろめんどくさいのでスプリングなしで実施。

f:id:otypemako:20200418225022j:plain

この気筒のバルブステムシールを組み付ける。ステムシールの外周の金属環部分を押し込めるように9mmのソケットを使う。

f:id:otypemako:20200418225033j:plain

そしてバルブシートカッター用の軸で押し込めばまっすぐ押し込める・・・はずだったんだけど、この軸はガタガタでステムシールに入らない。直径はバルブと同じなので入るはずなんだけど、無理して押し込むとシール部を痛めそうなので、この方法は断念。

f:id:otypemako:20200418225043j:plain

ステムシールを挿入する軸の隣の軸部にバルブシートカッター用の軸を差込み、角度を確認する方法に変更。

f:id:otypemako:20200418225054j:plain

バルブステムシールにエンジンオイルを塗って手で軽く差し込み、9mmソケットで隣の軸と並行になるように押し込んでいく。抜くときはかなり固かったので刺し込むのに力がいるかと思ったが、簡単に刺し込めた。指先で押すだけでも入りそうな感じで簡単に入る。

f:id:otypemako:20200418225105j:plain

この調子で1気筒分のステムシールを組み付ける。

f:id:otypemako:20200418225116j:plain

そしてバルブスプリングの組み付け。スプリングシートも忘れずに。ちなみにシートは表裏があるのかないのかわからないが、エッジ部が丸まっている側とエッジがある側があるので、エッジが丸まっている側を下(ヘッド側)にした。

f:id:otypemako:20200418225127j:plain

自作のスプリングコンプレッサーでバルブを圧縮し、コッターを嵌めていく。はじめは不慣れでコッターの取付に時間かかった。何度もチャレンジしてラッキー的にはまるのが15分に1回とかいう感じ。まあ後半は慣れてきて1~2分でつけられるようになったけどね。コツはバルブ圧縮は十分にして、バルブ軸にグリースをたっぷり塗る(コッターの接着剤として)。そして磁石のあるドライバでコッターをやさしくバルブ端に置き、竹串2本でコッターを180°回転させ(下側に)、残りのコッターを磁石ドライバーでやさしくバルブ端に置く、という感じ。

f:id:otypemako:20200418225139j:plain

まずは1気筒分にバルブスプリングの組付け終了。

f:id:otypemako:20200418225151j:plain

そして真ん中の気筒にもバルブを差込み、もう一度バルブ漏れテスト。

f:id:otypemako:20200418225205j:plain

しかし悲しいトラブルが・・・。

バルブスプリングを組み込んだ側は漏れなし。でもスプリング無しの気筒は灯油がちょっと漏れた。そして吸気ポートから灯油がちょろちょろと垂れて、塗装が剥げた。なんか泣きたい。

やっぱり漏れテストでスプリングはいるよね。けしてバルブ密閉が悪いわけではないよね(と信じたい)! ということで、残りの気筒もバルブスプリングを組み付けた。

f:id:otypemako:20200418225217j:plain

そして3気筒の最終漏れテスト。

f:id:otypemako:20200418225228j:plain

1時間経過。液面は変化ないけど、心なしか吸気ポートに灯油の気配が・・・。

f:id:otypemako:20200418225239j:plain

気配だけだし、もういいことにする。ヘッド面を綺麗にして記念撮影。

f:id:otypemako:20200418225251j:plain

8か月前に対面した頃に比べ、なんと美しいことか!

f:id:otypemako:20200420173552j:plain

次はタペット調整だ。

f:id:otypemako:20200418225319j:plain

タペットをペコペコと組み付ける。

f:id:otypemako:20200418225333j:plain

カムを取り付け、バルブクリアランスを計測。カム山がタペットと反対になる場所でクリアランスを計測する。

f:id:otypemako:20200418225347j:plain

念のため3回計測した。カムを少し回転させるとクリアランスが少し(10~20μm)広がる時があるので、数回計測して一番大きいクリアランスを記録すれば1回でも大丈夫そう。

f:id:otypemako:20200418225359j:plain

バルブフェース研磨の前後でクリアランスがどう変化したか比較。研磨したのだからクリアランスは小さくなるはずなのに大きくなっているのもある。なんでかな~?

f:id:otypemako:20200418225414j:plain

それではタペットの厚さ調整(研磨)だ。3個は場所の移動だけで研磨は不要だ。目標クリアランスは許容クリアランスの真ん中、吸気バルブ 0.21mm、排気バルブ0.30とする。

タペットを旋盤に咥えてリューターで研磨する。外周はジュースの缶を、背面は紙を貼り付けて保護する。

f:id:otypemako:20200418225431j:plain

研磨の様子を見やすくするため、タペット裏(シム部)を青マジックで塗る。

f:id:otypemako:20200418225444j:plain

旋盤に咥えてリューターで研磨。1回で0.02mmずつくらいしか研磨できないけれど、音も静かで夜なかでもできるので、夕方から始めて風呂前に終了。

f:id:otypemako:20200418225455j:plain

研磨終了。

f:id:otypemako:20200418225507j:plain

マイクロゲージで厚さチェック。

f:id:otypemako:20200418225527j:plain

吸気バルブ側のクリアランスはバッチリ0.21±1。排気バルブ側は目標が0.30mmだったけど、吸気バルブ側の0.21という数字がごっちゃになって、いつの間にか0.31mmを目標にしていた。一個だけ0.33mmのがあるけど、まあいい出来だと自画自賛

f:id:otypemako:20200418225540j:plain

これでヘッド周りの作業も完了だ。

f:id:otypemako:20200418225551j:plain

直押しバルブはバルブクリアランス調整がめんどくさいので、ロッカーアーム式がいいのでは、と当初は思っていた。しかし実際クリアランス調整やってみると思いのほか簡単だった。部品構成も必要最小限だし調整ミスというのもなさそうだし、さらにロッカーアームのネジが緩んでくるなんてこととも無縁なので、やっぱ直押しバルブが最高ではないかという結論に達した。

 部品数が多く管理に注意が必要だったシリンダーヘッドの組み上げがひと段落したので、精神的にはかなり安心感が出た。次はヘッドとシリンダーの組み立て。そこで問題になるのがシリンダーヘッドガスケット。こいつは4000円を超える大物。できれば再利用したいけど、一般的には再利用NGだよね。とりあえずまじまじ眺めてみる。

f:id:otypemako:20200418225629j:plain

上面と下面。

f:id:otypemako:20200418225639j:plain

シリンダー部は色の違うメタルを重ねている。

f:id:otypemako:20200418225651j:plain

ウォータージャケットのシール部はメタル部が凹んでおり、そこにシール材が塗られている。

f:id:otypemako:20200418225702j:plain

この凹み部のシール材をきれいに剥がして、手持ちの液体ガスケットを塗ればなんとかならんかなーと思案するんだけど・・・

f:id:otypemako:20200418225614j:plain

やっぱりそれはリスキーなので、三菱に行って部品を発注してきました。ネットとかでもっと安く買えないかと調査したけど、見つけられなかったんだよね。あとタイミングチェーンのガイドなども一緒に発注。

ちなみにタイミングチェーンはモノタロウで日産DAYZ用(型番13028-6A00B)を購入。純正だと8000円超えだけど、こちらは3333円。このあたりについてはKomatechさんの情報を参考にさせて頂いた。ありがとうございます。