O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_25(ヘッド&タイミングチェーン組付け)

6-2.アイのターボ化_25(ヘッド&タイミングチェーン組付け)

■2020年5月

 さあて、いよいよシリンダーヘッドの組付けだ。まずはシリンダーを木枠にがっちり固定する。とにかくヘッドの組付けではボルトをものすごいトルクで回す必要がある。シリンダーを木枠に完全固定しても、木枠ごと回ってしまいそうなほどに。

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シリンダーヘッドガスケットの新品が届いたので、新旧で比較する。

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燃焼室のまわりの黒いのは耐熱温度の高いシール膜かな?使用済みヘッドでは、このシール部はほぼなくなっている。この耐熱シール剤が入手できれば、使用済みのガスケットに新品と同じように塗布して再利用できるのかな?ウォータージャケット部のシールも同様に塗ってやればね。でもたぶんメタル部の歪みとかあるからやっぱ再利用はNGなんだろうな・・・とは思っている。でももし次の機会があればぜひ再利用したいとも思っている。

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燃焼室周辺のシール材の様子

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こちらは裏側(下側)

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ではシリンダーヘッドの合わせ面の最終確認だ。焼付処理とかで、ヘッド、シリンダーともガスで炙ったりして、熱歪みとかしてないかちょっと心配なのだ。まずはシリンダー合わせ面に光明丹を塗り・・・

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シリンダーヘッドを合わせてすぐに外す。ヘッド面に光明丹が一様に転写されているかの確認である。

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光明丹は油で練るのだが油が多すぎて薄すぎた感じだ。粘度が足らず転写がうまくいかない感じであったが、燃焼室まわりのアタリは大丈夫そう。ウォータージャケット周辺はちょっとあやしい気もするが、そこはガスケットのシール材が何とかしてくれるだろう。合わせ面の精度はOKとする。ホントはヘッドの面精度はストレートエッジでの計測で0.03mm以下、限度値0.2mmなんだけど、ストレートエッジなんて持ってないからこの方法で代用。

それではヘッドの組付けだ!   と思ったのだが、整備解説書を読んでいると「シリンダーヘッドボルトは再利用不可」と太文字で記されている。たしかにヘッドボルトは相当締め付けられて、弾性領域は完全に超えて、塑性域締め付けだった感じだもんね。8本で3000円ほどするんだけど、やっぱり新品を使わないとね。ということで購入。試しに長さを測ってみたら使用済みボルトは確かに長くなっていた。ちなみにヘッドボルトはネジ部外径Φ9mm、ピッチ1.25mmのM9ボルト。何かに使う機会があるかもしれないので大事に保管しておく。

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それではヘッドの組付けだ。合わせ面をしっかり脱脂し、ブッシュを2個セット。

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そしてタイミングチェーン側の端っこに液体ガスケットを塗布。

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ガスケットを置いて、

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ガスケットにもチェーン側に液体ガスケットをちょこっと塗布。

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そしてヘッドを載せてボルトを締めていく。シリンダーヘッドボルトは24.5±2Nmで締めて、その後90°回転を2回実施。つまり180°増し締め。2回目の90°増し締め時なんかは、ボルトネジ切るんじゃないかとひやひやだし、相当に力もいる。やっぱこのボルトは再利用不可だよな。

 シリンダーヘッドが組み付いたのでカムをつける。タペットを一個づつ外しアッセンブリールブを塗布していく。

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タペットを組み付けている時に、気になるものを発見。カムとの摺動面に多数のキズがある。なんじゃこりゃ? たぶん仮組でカムを動かしていた時についたキズだな。一応オイルを塗布していたのにねぇ。

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念のためカム山も軽くラッピングする。

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カム山のエッジ部もR状に軽く研磨。

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研磨前のカム山。

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研磨後のカム山。まあ気持きれいになったかな。

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カムチェーンも組んでいく。チェーンガイドも新品を購入。

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新品と見比べても思った程摩耗してないなぁ。

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テンショナーレバー側

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こっちもそんなに摩耗してない。

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拡大して見ても1mmも摩耗してない。これなら再利用できたかもね。

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次にタイミングチェーン。こちらも思ったほど伸びてない。

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念入りに長さ確認してみる。

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それでも差は1mmほど。これも再利用できた?

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横から撮影。

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やっぱそれほど伸びてないよね。

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テンショナーとの接触面。

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こちらは新品。この面を研磨すればいいとの話もあるが、10万キロ走行でもチェーンガイドの摩耗がちょっとなので、あまり気を使わなくてもいいかなと思い研磨は省略。

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タイミングチェーンを組み付け。ギヤ部クランク軸にタイミングマークがあり、これの位置をあわせればいい。チェーンの合いマークもあるが、これは気にしなくてもいいと思う。でも念のためチェーン合いマークも合わせる。

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排気カムと吸気カムの駆動歯車にあるタイミングマークを向かい合わせにセットする。

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タイミングチェーンにはところどころ黒いコマがある。2つ連続している所を一番上にして、カム歯車に掛けると、各カム歯車にあるチェーン合いマークに、黒いコマが一致する。

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クランクシャフトはタイミングマーク(ポッチ)を真上にしておく。各マークの位置がそれぞれ一致していたら、タイミング合わせはOKとなる。ちなみにクランクを回していくと2回転で、チェーン1コマ分ずれていく。

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 次にチェーンテンショナーを取り付ける。ラチェットは取り外しておいた方が組付けしやすい。

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ラチェットの前後の向きに注意してセットし、ラチェットバネを置いて、固定具をはめ込む。

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これでテンショナーの組付け完了。

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エンジン本体の組み上げは目前だ。