■2017年5月
少し前にヤフオクにて漱石さん二人で落札したEOS kiss X2。こいつはerr99が出て正常動作しないものだったが、EOS kiss Digitalと同じようにシャッターレス改造してやればきっと動くと信じて落札した。入手後しばらくは手付かずだったが、望遠鏡への植毛紙貼り作業が終了し、その後もしばらく天候も悪かったので、この間にKissX2の修理&改造に取り掛かることになった。
まずは分解から。X2の分解はブログで多数紹介されていたので参考にさせて頂いた。多くの方がネジ一つ一つの取り付け位置まで管理されていたのだが、私はそこまで忍耐力がなく、おおまかの管理しかできなかった。まあ組みあがればそれでいいよね。まずは背面カバーをはずす。

そして前面カバー。一箇所グリップラバーを剥がして隠しネジを取って外す必要がある。

そして上部カバーの取り外し。

全身のカバーを取り外したら、内蔵が見えてくる。

メインフレームもはずしシャッター機構部をまじまじと見る。シャッター膜を巻き込んで破損している。余談だが、レンズ周辺についているコネクタ類4つは天体撮影では使わないので、次回分解する時に全部とっぱらう予定。ファインダー内表示と、測距センサ、レンズ制御コネクタだから、天体撮影にはいらないよね。組み上げた後に、これらのコネクタを外しても問題なく動作することを確認している。

シャッターの巻き上げの様子を、巻き上げモーターを手で回して確認する。開シャッターと閉シャッターを時間差で巻き上げている。KissDigitalでは両方同時に巻き上げていたのが変更されている。
EOS kiss Digitalと異なるのは、開&閉シャッターの位置検出が接点から、非接触の透過型フォトセンサー式に変わっている点。

シャッター機構まわりの電気的結線は下記となっている。

これを下図のようにリレー2つ追加してシャッター動作を模擬してやればいい(はず。

シャッター巻上げ軸の位置検出部はkissDの3箇所から5箇所へと増えている。よりこまやかな制御を行っているということかな。この位置検出パターンを模擬することができれば、モーターまわり一式はずせるんだけどな・・・。それは将来考えよう。

ここからはシャッターレス化のための改造に移る。開&閉シャッター位置の検出用フォトセンサ部はバスコークで埋めて機能しなくする。リレーがこの役割をするわけだが、フォトセンサを生かしておくとONしっ放しとなるため正常シーケンスを実現できない。

シャッター巻上げ用のモータをKissDigitalのと比較すると、大きさは半分ほどに小さくなっている。これはKissDigitalでは開シャッターと閉シャッターを同時に巻き上げるが、KissX2では時間差でシャッターを巻き上げるのでトルクが半分ですむためであろう。

ファインダーは完全に不要になるため、ミラーまわりも取り外す。

将来、外部電源で動かせるように電源ジャックだけ取り付けておいた。

シャッター部にシャッター模擬動作用のリレーを取り付け。

CMOSセンサ周辺は不要なものは全部取り払う。ダストクリーニングセンサや赤外カットフィルターも。どうせ再利用もしないのだから、と雑に取り外したら足を一本折った。枠は残しておいたほうが迷光対策になりそうだが、センサ面の掃除の時にじゃまだから枠もつけない。

ここから組み立てに入る。シャッター動作模擬用のリレー2つはファインダーミラーのあった場所に収納する。

そしていざ電源投入。見事復活。うわー、なんか感動!
シャッターレスになったので、パシャパシャというシャッター音はもちろんしないのだが、モータの巻き上げ音は結構大きいような・・・。まあ、実際にはシャッターを巻き上げているわけではなく(無いんだもの)、単にモーターとギヤ、カム軸が回っているのだけどね。このモータ音はKissDigitalよりも大きく(と思う。ギヤ段数が多いからかな。
もう一度確認だが、下記コネクタ部は不要である。はずしても星空撮影には影響ないことを確認している。ただし撮影モードはM(マニュアル)のみ。

ノイズが少ないと評価されるX2であるが、我がX2はどうなのか評価してみる。
まずは以前に撮影したKissDigitalのダークがこちら。気温24℃で10分露出。

では、X2はどうだろう。気温同じく24℃で、10分のダーク撮影。

たしかにKissDと比べアンプノイズは少ない。KissDでは右端に大きくアンプノイズが出ているのに、X2ではそういうノイズはほとんど感じられない。熱ノイズはなんか微妙。減っているように見えるけど(と思いたい)。
続いて30分のダーク比較。


いずれもKiss X2の方がノイズが少ない(と思いたい)。今後の撮影に弾みが出るよね。
このまま一気に冷却化改造まで行きたいぞー(←とりあえず言っているだけ)。