O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_43(ターボエンジンの搭載)

■2020年11月

 作業四日目(エンジン載せ替え作業三日目)。今日で載せ替えを終えてエンジンを始動する!  絶対にだ。

止まるな、作業を続けろ
今止まれば無理やり張り詰めた
身心へのはね返りがくる
そうしたら俺はしばらく動けなくなるだろう
だから今やらなければ!
走れ、アイ守るんだ

 ジャジャーン!(BGM)

見えた、コンプレッサーの取付角度
今ここで載せ替えるんだ・・・ たとえ、相打ちになったとしても !!

 だれかが夢の中で語り掛ける

Bくん、Bくん、がんばって、Bくん
義理のお兄ちゃんを助けるの、今のBくんならできるわ
おねがいBくん
アイちゃんまで死んでしまうわよ

 ここでクライマックス!

換装ばっけつ  !!     (ね、ねずこがしゃべった~!)

 敵を倒してエンジン始動してドヤ顔 !!

俺とアイの絆はだれにも引き裂けない  !

 

とかいう感じで鬼を成敗エンジンを換装して始動までたどり着きました。上記文章の意味がわからない人も読み返す必要はありません(笑)。たまたま今日神回の再放送していたので録画して文字起こししたのです。若い頃はマンガとアニメに人生を教えてもらっていたが、この歳になって再びアニメで勇気づけられるとは思ってもいなかった。困難な状況(体力的衰え)でも目標(エンジン換装)に向かってがんばる主人公のセリフにいちいち奮い立たされた。

 

 ここから真面目に本日の作業の話。昨日はエンジンを車体下に移動したので今朝は車体との結合である。車体を少しずつジャッキダウンし、エアコンコンプレッサーをエンジンに接続できるあたりまで下げたところで、コンプレッサーをエンジンに固定する。 ・・・はずなのだが、コンプレッサーが付けられない。奥の方で何かが干渉してボルト固定位置に取り付けられないのである。すでにエンジンと車体の隙間は相当狭くなっており、干渉しているあたりは目視できない。手も届かない。二人で交互に何度もチャレンジするが、奥で何かが当たっている。まさかNAエンジンとターボエンジンではコンプレッサーの形状が異なるのか?  もしそうならコンプレッサーは取り付けられず、ということはエンジンの載せ替えも ”The End” となる。  いや! そんなはずはない、NA車とターボ車でわざわざコンプレッサーを変える必要などないはずだ。そう思いその後何度も取り付けを試みたが、やっぱり奥の見えない所、手で触れないところで何かが干渉している。

 こういう時は休憩して頭のクールダウンだ。取り外したNAエンジンのコンプレッサーの取付位置を見直してみるがターボ車との違いは見られない。なぜ?どうして?  というフレーズが頭の中をぐるぐるまわる。下写真(後日入手した借り物)のフェールユニット(プラ製)のハーネスステーのあたりと干渉している感じなのだ。もうやけくそである。このハーネスステーを切断した。切断といっても車体下の隙間がほとんどないところを手探りで切っていった。そしてコンプレッサー取り付けの再チャレンジ。でもなんか当たってやっぱり取り付けられない。うわ~、もう泣いちゃいそう。

 もう一度休憩して頭を冷やす。冷静に考えてNA車とターボ車でコンプレッサーの形状が異なるなど考えられない。NAとターボでコンプレッサー能力に違いがあるなんて考えられない。NAとターボはしばらく平行して販売されていたので、NA車のがターボ車に取り付けられないなんて設計するのは技術者としてあるまじき行為である。絶対に取り付けられるはずだ。信じるんだ! この名車アイを設計した技術者達だぞ。そう言い聞かせ、「信じる心」でコンプレッサーを取り付けてみた。そしたら取り付きました。もう安堵の涙が止まりませんでした(嘘)。  

 下写真(後日入手の借り物写真)を見直してみると、コンプレッサーはハーネスステーの下側に潜り込む形で取り付けられている。今回の作業ではコンプレッサーへの接続ホース2本を付けたまま取り付けたので、接続ホースにより変な方向のテンションでひっぱっられていて、そのためハーネスステーの下側に潜り込ませようにはめ込むのが難しかったのだろう。車体をリフトアップしての作業であれば、目視でこのあたりの状況を確認して作業できるのだが、今回はエンジンと車体は地面に設置した状態なので、下から確認する方法がなかったのである。家にUSBの内視鏡を持っていたので、こいつを持ってきていたらもっとスムーズに作業を進められたと思う。とにかくめでたしめでたしである。

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そしてエンジンと車体を接続する。エンジンとリアサスアームが干渉するので、車体を少しづつ下げ、エンジンをそのたびに少し動かして車体をジャッキダウンしていく。あと少しで固定ボルトがエンジン側の穴に入る、という所でジャッキがフルボトムした。あれ? そういえばエンジンを外す時もそうだったので、エンジン下に5cm程の板を敷いていたのを思い出した。今更一連の作業をやり直すなんて考えられないので、今の状態でエンジン側を持ち上げよう。私は棒を使って”てこの原理”でエンジンを持ち上げ、下に板を敷く方法を提案したが、エンジンに適した引っ掛ける所が見つからない。B君は「じゃあ僕がエンジン持ち上げるので、その間にボルト締めちゃって」と軽く言う。「えっ、何言ってんの?」と思いましたよ。だってエンジンは単体で40kg程だし、今はさらにトランスミッションも結合している。おそらく80kgくらいあるだろう。疲れてきて思考能力が下がって来たんだね・・・、とか思っていたらロープを持ってきて、車体の中に入っていった。エンジンにロープをかけて、車体のエンジンルームに跨り、肩にロープをかけてエンジンを下半身の力でを持ち上げようというのだ。「なるほど、力学的には効率的な方法だな」とは思ったが、果たして持ち上がるのか? ・・・などと疑念の眼差しで見ていると、「試しに少し上げるので様子見てて」とか言いながらなんか軽く持ち上げてる!! 「しばらくはこの状態保持できそうなので、その間にボルト締めちゃって!」とさらりと言う。私はてこの原理を使うなど”機械文明的解決”を考えていたが、腕力での一発解決である。脱帽というかあぜんというか・・・。

 そんなこんなでエンジンの車体への結合は完了。次の難関は左側ドライブシャフトの取付である。取り外す時に難儀したが、そのおかげで手順はわかっている。リアサスアームの支点ボルトを外し、アーム全体を左に10cmほどずらせばいいのだ。 

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そうすると、左ドライブシャフトはすんなり取り付けられる。下写真の状態からグイっと押し込めば取り付け完了である。そしてリアサスアームの支点ボルトを付け直す。

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右のドライブシャフトはすんなり付くはずだった。抜くときはすんなり抜けたんだからね。でもスプライン部が2~3cm入った所でそれ以上入らない。何度やり直しても同じ。まあすったもんだの末に組付けできたんだけどね。

 ここでドライブシャフトの取付部の構造を整理し直しておく。まずは左側のドライブシャフト結合部。先端にCリングがあり、トランスミッション側にこのCリングが嵌る溝があるのだろう(奥すぎて目視では見えない)。このCリングだけで固定されているってことに驚く。このドライブシャフト結合部とドライブシャフトには軸方向の伸縮機構があるので、結合部には軸方向に引き抜く力は働かないのでCリングだけで固定されていても問題ないのだろう。

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次は問題の右ドライブシャフト結合部。

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トランスミッション側にCリングが付いている。

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構造を図で示すとこんな感じ。

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取り付け時に問題になったのは、2~3cm入った所でそれ以上入らないというもの。右ドライブシャフトのスプライン部の2cm程の所に謎の溝があるのが原因だ。この溝でCリングが固定されてしまい、それ以上奥に入らないのだ。この”謎の溝”は何のためあるんだろう?  初めはCリングが噛んでしまっているのかとも思ったが、Cリングの向きを変えて何度も試したが、そういう雰囲気ではなかった。金槌で叩きこめば良さそうなんだけど叩く場所がない。「ユニバーサル部のブーツを外せば叩けそうだがどうしたものか?」と悩んでいるとB君がクランプを持ってきた。これで図のように締結部を掴んでそこを金槌でコンコン叩けばすんなり入っていった。

※後日談:ドライブジョイントインサーター という工具があることを知った(一番下に写真掲載)。しかしこれを使っても溝が2つあるので役に立たないだろう。

 さあこれで大物の取付は完了したので、後はサスまわりを組み上げ、

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過給機や、その油圧ラインと冷却ラインを取り付ける。

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インタークーラーもどんどん取り付けていく。ただインタークーラーの取付はネット記事にも多数あるのだが、右側の固定ステーへの取付がすごくやりにくい。まあ今までの悪戦苦闘に比べれば軽いもんだけどね。

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マフラーも取り付ける。

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コンデンサータンク、そして力作であるオイルキャッチタンクも取り付ける。

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最後にウエストゲートバルブのソレノイド駆動用のケーブルをはんだ付け。

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さあこれでエンジンが掛けられる状態まで来た。ついにその時が来たのだ。はやる心を抑え、もう一度抜けている作業がないか確認する。

そしてクライマックスであるエンジン始動!

なんか思った以上にあっさり始動した。思い起こせば1年半前にポチッった時からこの日が来るのを夢見ていた。いやこんな日が本当に来るとは思ってなかった。

 今 万感の思いを込めて エンジンが起動する
 今 万感の思いを込めて ターボが過給する
 ひとつの改造は終わり また新しい旅立ちがはじまる
 さらばNAエンジン
 さらばOHの日々
 さらば中年の日よ

まさにそんな感じなんだけど、エンジン始動後の「おおおおおー!」って感嘆詞。何あれ!  まったくなんの”万感”感も感じない。ちょっとうまいファミマの鮭弁食べた時の感動くらいにしか感じない表現力。もう少し感動の雄叫びの練習しとけばよかったわ。

 エンジン始動後のあちこちの音を撮影しておく。ファーストアイドルということでエンジン回転数が高めという理由もあるが、ノイズ音も含め音が大きく感じる。シリンダーヘッドからは「カチカチカチ」というタペット音が耳に障るし、エンジンとトランスミッションの結合部あたりからの「ガシャガシャガシャ」という音も気になる。でも暖気が済めばタペット音はほとんど聞こえなくなったし、200km程走行した後ではこれらのエンジンノイズはほとんど聞こえなくなった。というか今までNAエンジンでこういうエンジン音を気にして聞いたことなんてなかったしね。ターボ換装後は運転中はエンジン音がものすごく静かになった。

さあラストスパート。マフラーの防熱カバーを取付て、

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リアバンパーを取り付ける。リアバンパーは簡単に組み付いており、取外しと組付けは慣れれば10分くらいでできそうだ。

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最後にバンパー左右をボディの爪にパチンと押し込めば完了。

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 バンパーをつけようとしたら、左のアーム部の穴の位置が合わなかった。そういえば7年前に妻がリアバンパーぶつけて修理したことがあった。修理屋さんは曲がっていた左側のアームを結構適当に直して修理していたようで、右側のアームはまっすぐなのに左側は”ぐねっ”と曲がっている。おまけに曲がった所の塗装も剥がれてサビていた。左アームをちゃんと伸ばしてサビているところはやすり掛けしてシャーシブラックを塗布しておいた。

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NAエンジンのマフラーボルトはネジ山が完全になくなっていたので、すんなりと外れないだろうからグラインダーでのカットを覚悟していたし、新品も購入していた。しかしながら結構あっさり外れて再利用も可能な雰囲気だった。でもまあせっかく新品部品買ったんだし、新品を取り付ける。

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リアバンパーも取り付きターボエンジンへの載せ替え完了である。

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Before/Afterの写真。今まで汚いものでも見るような目で見ていたエンジンルームだが、今は愛しいものを見つめる気持ちでエンジンルームを見るようになった。

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降ろしたNAエンジン。君の将来にはどんな未来が待ち受けているのか。

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7~8年後に再びこのエンジンをオーバーホールして、こいつをターボエンジンとして復活させたい気持ちが心の片隅にはある。でもこの1年半、趣味の時間をほぼエンジンのOHに注ぎ込んでいたことを思い返すと、ふたたびあの日々を送る自信があまりない。まあすごく楽しかったのではあるが、他の趣味はほぼストップしていた。今回実感したよね!いくつもの趣味を並列で進めるのは無理だと。運動系とモノづくり系などジャンルの異なる趣味ならできるだろうけど、モノづくりで複数の並列作業は難しい。お風呂に入っている時など頭が空っぽの時に作業方法や改造案を考えるのだが、そういう種類の思考の同時並行は私には無理っぽい。

 しかしこのNAエンジンをターボエンジンとしてOHして復活させ、アイに搭載することが”真のNAアイのターボ化”と言えるのではないだろうか。未来の俺よ、そういう気持ちを忘れないでおくれ。今の俺はエンジンOHにかかりっきりで妻からの家のメンテ要求を断り続けていたので、妻の”不満のマグマ”が蓄積されているこの危険な状況を解消しなければならないのである。

 

 とにかくこれにてエンジン載替え作業は終了。お世話になったBくん家族には再度お礼申し上げる。荷物を積み込み我が家へGO! 自宅すぐ近くまでは順調に動いていたのであるが、我が家が近づき安堵感が漂い始めた時に、問題が起きたのである。

   風雲急を告げる!  次週、誰も想像すらしなかったクライマックスへ。

                           つづく!

追記1

 今回はリアサスアームを取り外さない方法を採用したが、やってみるとやっぱり取り外した方が楽だということ。まずドライブシャフトの抜き取りがめんどくさい。左側を抜き取るには結局リアサスアームの軸を外している。リアブレーキライン、サイドブレーキワイヤ、車速センサを取り外しと再取り付けがめんどうと思っていたけど、リアサスアームをつけたままの作業はそれ以上に手間だった。車体の上げ下げでエンジンを降ろすわけだが安全確認しながら少しづつ上げ下げするのって想像以上に時間と体力と神経を使う。また、エンジンとリアアームが干渉するので、少し上げてはエンジン位置を動かし、という作業も心身を削ぐ。さらにエアコンコンプレッサーの取り付けが車体もエンジンも地面に接した状態でしなければならないので大変だった。これは慣れれば大丈夫かもしれないけど。リアサスアームを外してエンジンのリフト装置を作って作業すれば、時間も体力も作業の正確さも向上すると思う。次回(があれば)はそうしよう。

 

追記2

 作業二日目までは色々トラブルもあり相当追い詰められていたので、姪っ子ともあまり遊べなかった。エンジンが始動し精神的余裕ができたので、やっと姪っ子に遊んでもらった。姪っ子は自然の中で育った虫愛でる姫である。昨年会ったときはカナヘビ(トカゲの種類)が好きで、自分で描いたカナヘビTシャツを着ていた。今回Bくん宅に行くと、離れの壁にはカナヘビが3匹描かれていた。玄関にもカナヘビの絵が飾られており、姪っ子は相変わらずカナヘビTシャツを着ていた。また学校の宿題ではカナヘビの観察日記を書いており、切れたしっぽが再生する様子などを図解入りで解説していた。なかなか読み応えのある観察日記であった。

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 またモノづくりにも並々ならぬ興味を持っており、最近はストローを使った作品を毎晩作っていた。下の写真は私がいる間に作った製品群である。龍の背中のうろこなど、はさみで細かい切込みを入れて表現している。おそれいる。

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 また運動も大好きで、毎晩元気なねこみたいに跳ね回ったり、器械体操したりしていた。私も参加したかったが、もし体を痛めでもしたらエンジン換装作業が絶体絶命の状況になるので、うずうずしながら見学していたのだが、エンジン始動した晩は私も参戦。若い時は体を動かすのが大好きで特に前転が得意だった。前転といっても大した技ではなく、逆立ち状態から背中側へ倒れる時に右手首と肩をくるりと180°まわして猫のように体をひねってストンと着地するのだ。この技を持っていると逆立ち状態から背中側に倒れる時に確実に両足で着地できるので、コンクリートの上でも不安なく逆立ちできた。友達とよく砂場などでそういう遊びをしていたが、私のその技はだれも真似する事はできなかった。10年くらい前までは普通にその前転をしていたのだが、その動きは体に染みついている(はず)ので姪っ子の前で披露した。しかし10年のブランク(というか体の老化)は思った以上に大きく、足とお尻が同時にドスンと床に着地(墜落)した。これには自分でも驚いた。昔は歩くように普通にできていた動作ができないのだ。結構ショックで、ムキになって3回チャレンジ。この技の肝は倒立状態からゆっくりと背中側に倒れても”ひらり”と手と肩を回転させて両足で着地できるところなのだが、今回は多少勢いをつけて前転時の回転の勢いを利用し(第二の型)なんとか両足で着地できた。ちょっと腰が痛かったけどなんとか面目は保てた感じ。驚いたのは翌日、姪っ子はほぼその前転を再現していたのだ。写輪眼でも持っているのか?

 

 

※ドライブジョイントインサーター という工具。

でもこれ使ってもだめっぽいよね。

 

6-2.アイのターボ化_42(NAエンジンを降ろす)

■2020年11月

 作業二日目。といっても初日は午後からの移動とクーラント抜きだけなので、エンジン載せ替え作業としてはこれが一日目になる。今日からB君も参戦してくれる。まずはリアバンパー、マフラーを外す。バンパーはクリップで付いているだけなので、外し方がわかれば簡単に外せる。マフラーもボルト6本外すだけなので、下写真の状態には30分くらいの作業。これくらいなら月極め駐車場でもできそうなので、今後定期的にこの状態までばらしてメンテナンスしていきた。

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T/M側のドレンを外してオートマオイル抜く。T/Mはそのまま使うのでオイルは抜かなくてもいいかな?とも思っていたけど一応抜いておく。といってもドレンから抜けるオイルは半分くらいしかないようだ。

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エンジン載せ替えの方法は前の検討ではじめに検討したのを選択。車体側を上下させ、エンジンリフトは使わない方法。B君宅には枕木など車体下に敷く木材が多数あるので、エンジンを引き出すために車体を高くジャッキアップするのも問題なくできそうだったから。 

 

 エンジン載せ替えに際しての不安事項のひとつがドライブシャフトの取り外し方法。整備解説書を見る限り、ドライブシャフトはミッション側にCリングのみで”かぽっ”とはまっているだけで、下図のようにレバーを使って”てこ”の原理で”クイッ”とすれば外れるとのこと。でもB君にも意見を求めたのだが、そんな軽い感じで固定されているの? と納得し難い。ドライブシャフトのEDJ ASSY(ETJ ASSY)はユニバーサル機構と軸方向への伸縮機構の役割があるのだが、ドライブシャフトの付け根には軸を引き抜く方向の力はかからないのだろう。でなければ”かぽっ”とはめ込んむだけということはないはず。

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リアサスを伸びきった状態にして、右側のドライブシャフトをレバーで”クイッ”とすると、たしかに簡単に抜けた。しかし問題は左側。左側はドライブシャフトの長さが短くてシャフトの曲がり角度も大きくこのままでは軸がT/Mから抜けない。リアサスのダンパーを外してリアアームをもっと下げようとしても、左ドライブシャフトとリアアームが干渉してあまり下げられないし、がんばればぎりぎりドライブシャフトのスプライン部までは抜けるのだが、オイルシール部を超えて抜き取ることはできない。

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かなり行き詰ったが、結局リアサスアームの支点ボルトを外し、リアサス全体を少し左に移動すれば左ドライブシャフトが抜けた。初めからリアサスアームを外せばいいのだが、そうするとリアブレーキライン、サイドブレーキワイヤー、車速センサを取り外す必要があり、その手間を省くためリアサスアームは外さない方法を選択したわけだ。今回左ドライブシャフトを抜く時はリアサスアームの支点ボルトを外して、ブレーキラインの長さの余裕分の範囲でアーム全体を左側に10cmほど移動したらシャフトは抜けた。

 ドライブシャフトが抜けたので、もう一度リアサスアームの支点ボルトを再度取り付け、リアサスのジャッキポイントにジャッキを掛け直して車体全体を下げていき、エンジンが接地するまで下げる。エンジンが接地すればエンジンを車体に固定してナットを外していき車体とエンジンの分離完了。

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アイのエンジンは片側3本づつ(左右で6本)エンジン固定ボルトがあり、一本は位置決め用に長くなっている。この6個のナットを外せばエンジンは分離するのだが、ナットを緩めていくと6本中3本のボルト自体が抜けてしまった。

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ボルトはエンジンマウント側に固定されているのだが、このボルトがナットと一緒に回って抜けてしまったのだ。ボルト山が腐食かサビかで回りづらくなっており、それを無理に回したのでボルト自体が回ったというわけ。事前にボルト山を綺麗にしておけば良かったのだが、そんなところまで気は回らない。まあ抜けたボルトのネジ山をダイスで修正しておけば問題なく取り付けられるだろうと思ったのだが、B君の指摘で気が付いた。抜けたボルトは車体側がM12、エンジン側(取付ナットが付く方)はM10。M12はたぶん細目。そしてM10の方は車体側のM12とネジピッチが同じなのだ。えっ!どういうこと? M12とM10が同じピッチ? なんか特殊なネジなの? ・・・と混乱したが今はそんな細かいことを確認している余裕はない。(後日確認したらM12とM10の細目ピッチはいずれも1.25mmで同じでした)。細目のダイスはもってないので、その夜にカッターでちまちまネジ山をきれいにし、ボルトがスムーズに回るようにした。

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それからハーネスやラジエターパイプなどのエンジンに接続しているものをすべて取り外した。エアコンコンプレッサーはエンジンから離し、車体側にぶらぶらさせている。

エンジンが切り離されたので、車体をさらにジャッキアップしリアアームの下側からエンジンを引き出した。ここで日没サスペンド

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 作業三日目(エンジン載せ替え作業二日目)。当初立てた理想の計画では、エンジンルームの汚れやサビを落としてシャーシブラックを塗布するつもりだったが、理想計画からは大きく遅れており一切の余裕がないのでパス。加えて写真などもいっぱい撮ろうと思っていたが、そんな余裕もまったくなし。

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エンジン前側のクーラントの配管系統を確認。あれ?なんかスロットルにもクーラントが廻っている。ターボ用のスロットルにこんな配管は無い。どういうこと? エアコンヒーターへのラインと合流するんだけど、ターボ車用のパイプにはこの合流ラインも無い・・・と混乱するがこれに関する情報を探す余裕もなく「ターボ用スロットルにはクーラントラインが無いんだから不要流路は塞げばいいよな?」と自信なく決定。オートマウォーマーから出てスロットルに分岐するラインを栓で塞いでおいた。

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エンジンとトランスミッションを分離する。まずドライブプレートとトルコンを接続しているボルト3本外す。ミッションとエンジンの間に小さなカバーがあり、それを外すとドライブプレートが見える。3か所ボルトがあり、クランクを回して順に外していく。

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エンジンとトランスミッションの接続ボルトを外し、左右からひっぱれば簡単に分離。でもトルコンがエンジン側にくっついて出てくる。ボルトは外しているんだけど、軸部の摩擦でエンジン側に引っ張られる様だ。トルコンが出てこない様に手で押さえてエンジンを完全に分離する。ちなみにトルコンはトランスミッション側の軸と噛み合う位置が決まっていて、ちゃんと奥まで入っているか確認しないといけない。解説書で読んではいたが、軸の奥に切り欠きがあり、スプラインのはめ合いが1山ずれてもダメ。ここでも結構難航した。まあ一回経験すれば難しい作業ではないけど初めてだと戸惑う。

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そして精魂込めて整備したターボエンジンとの結合。

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エンジンに比べトランスミッションが汚すぎる。いや、エンジンが綺麗すぎるんだね。

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結合時は長いボルトを2本案内ガイドとして取り付ければ結構すんなり結合した。ただ、ドライブプレートとトルコンの結合用ボルトの位置は合わしておかなければ、結合後に位置合わせするのは結構難しそう。

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エンジンを車体の下に押し込む。

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エンジンに接続するパイプ類は下記写真の通り。

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コンプレッサーを挟んで傷付けない様に気を付けながら車体をジャッキダウンすればエンジンと車体を結合できる。

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そろそろ暗くなってきたので作業終了。なんとかエンジン搭載まで進めたかったが暗い中で作業すればミスも出るだろうし、エンジン搭載は翌日に持ち越しとなった。

 

ラジエターパイプの接続を下図に整理。

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右側のドライブシャフト(長い方)の構造。等速ジョイントは鋼球が8個使われている。この鋼球部分は軸方向に移動可能で、ドライブシャフトの伸縮部となっている。

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左ドライブシャフト(短い方)の構造。こちらはボールベアリングの様なものが三又状になった構造。右側と比べ等速ジョイントっぽくない気がするけど、左側の方がドライブシャフトの曲がり角が大きいのと関係しているのかな?

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6-2.アイのターボ化_41(エンジン換装:イザ! 出陣)

■2020年11月

 このエンジンをポチッた時にもっとも気がかりだったのが、エンジン載せ替え作業が本当にできるのだろうか? ・・・というか載せ替え作業の場所を確保できるだろうか? ということだった。ぼや~っと考えていたのは、うちのマンションには車を置いていない駐車場が一つある。駐車場は個人の持ち物でその駐車場の持ち主が今は駐車場を使っていないということだ。その人と交渉して1週間程借りるというのがAプラン。しかし、借りることができるのか? またエンジン載せ替えという重作業を借りた駐車場でしていいものか? さらに駐車場は壁で囲われているとはいえ、近所迷惑では? 駐車場の壁を傷つけたら? オイルをこぼしたら?  など不安は山ほどある。

 Bプランは近所に上記のような不安の少ない空き地を探して持ち主と交渉するというもの。家の近所をぶらぶら回ると荒れた空地は結構ある。でもこういう場所でエンジンの載せ替え作業をしていいものか考え込む。また近所とは言え工具や外した部品を夜中に置きっぱなしにするのは不安だし、物置小屋でも作らないといけない雰囲気。

 Cプランは実家(50kmほど遠方)にエンジン・工具一式を持っていく作戦。

 

 そもそもエンジン購入時、エンジン載せ替えの実現性は50%以下と考えていた。それでも明るい未来を信じてエンジンのOHを進めていたのだが、妹の旦那のB君から「うちでエンジン載せ替えしない~? ぼくも手伝うよ」というまさに起死回生の提案が来たのだ。B君の家は70Km程の距離なのだが、作業場所(駐車場)は十分に広く、なにより信頼できる技術者のサポートがあるというのは決定的なアドバンテージである。それまでは一人での載せ替え作業を想定して作業手順を考え、必要な設備(ジャッキスタンドなど)を製作してきたのだが、考えれば考えるほど「本当に一人でできるだろうか?」という不安が膨れ上がっていた。

 そんな状況での「場所提供&手伝う」という提案。これは天から降りて来た蜘蛛の糸だ。これにすがるのはあまりにも当然な話であった。アイは来年の3月に車検なのだが、この蜘蛛の糸が降りてくるまでは”車検までに載せ替え作業は無理だな”という諦めムードが支配的であった。寒くなるしいろんな意味で自信が持てなかったから。でも助けがあればがんばれる。俄然勇気が湧いてきて、載せ替えの準備作業を猪突猛進に進めた。

 まずはエンジンをアイに載せなければならない。リアトランクまでの高さ75cm程で、部屋で一度エンジンをそこまで持ち上げられるかトライした。持ち上げレンジが長いので体勢の変化も大きく、腰がやばそうな姿勢は通過できそうにない。当初は全集中すれば大丈夫と考えていたが、ちょっと無理そう。

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下写真のように片側づつ上げていくのは大丈夫そうなので、台や椅子を使って高さを上げていけば大丈夫そう。でも突然妻から「椅子が汚れる!」とかの想定外のNGが発令されそう。それを回避するには椅子をダンボールできれいに覆って・・・、とか考えてたらめんどくさくなってきた。

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少し頭を冷やしてもう一度考える。そうだ!助手席に載せられるんじゃない?。どうせ荷物搭載のため助手席は取り外すんだし、助手席なら高さも低い。さっそく助手席を外してみたらシート下の床がぽっこり膨らんでいる。そうそう、アイはセンタータンクだったのだ。エンジンを置くためにはまずは台座造りから必要だ。

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2x4材でエンジンが置ける台座を製作。

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よし!これで出陣準備は整った。今一度全部品を確認。

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ベランダにも勢ぞろい。忘れものないかな~?

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まずは大将からの出陣だ。エンジンをお迎えした時と比べ、きれいに箱に入っているので移動はすごく楽だ。エレベーターで一階に降り、自転車用の道(スロープになっている)を通り、160m先の駐車場へGO !

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アイに横付けして、

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前方を持ち上げて台座を置き

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後端にも台座を置く。これで取手の位置が持ち上げるのにちょうどいい位置となり、余裕で持ち上げられる。

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20cmほど持ち上げて端っこを台に乗せると、あとは押し込んでいけばいい。思った以上に楽勝!

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こんな感じで台座に乗る。急ブレーキを踏んだ場合に備えて台の前側にストッパーをつけているが、もう少し大きい木片のほうが良かった感じ。次回(たぶん無いけど)はそうしよう。

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補器類などの荷物を一式積み込む。

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車内は思ったよりパンパンだ。

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左サイドミラーはエンジンが邪魔で完全に見えない。センターミラーも見えにくかったが、一番上の箱(サクションパイプ)をいろいろ動かしてミラー視界は確保した。

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左サイドミラーが見えないというのは思ったよりも気を遣う。左へのレーンチェンジ時は左すぐ後方がサイドミラーで確認できないし、直接見ようとしても荷物が邪魔で見にくい。背の低いカウンタックなどは見えないと思う。なので二車線ある道路では左レーンをずっと走った。万が一の事態を考えレッカー車手配の連絡先も確認している。

 

そしてB君宅へ到着。B君は今日は夜まで帰ってこないので、一人でできる作業を進める。作業場は少しスロープになっているので、前後どちら向きで作業するか悩む。アイはリア駆動でサイドブレーキを引いても前タイヤはフリーになる。安全性をいろいろ考え、前側が高い向きで作業をすることにした。リアを高く持ち上げた時に前上がりの地面の方が車体傾斜が少なくなるからね。

 まずはクーラント抜き。フロントをジャッキアップし、クーラントのドレンボルトを外す。

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ドレンは並んで2か所ある。エンジンが冷える前に作業したので、ドレンが外れた時にクーラントが噴き出して顔にかかった。悠長にエンジンが冷えるのを待っているほど余裕がないので仕方ないよね。※後日追記:コンデンサータンクのキャップを外しておけば良かった。

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このままではエンジン側のクーラントが抜けないので、リアをジャッキアップして残りのクーラントを出し切る。

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できれば、リアバンパーやマフラー、そして過給機回りまで外しておきたかったが、暗くなってきたのでここで初日の作業は終了。

 

 

 

6-2.アイのターボ化_40(IC2号機と最終兵器入手+プラグ組付)

■2020年11月

 エンジン載せ替えはまだなのか~!  と天使が耳元で叫んでいるのだが、なかなか物事はうまく進まない。寒くて動けなくなる季節を目前にしてあせる心をなだめ、とりあえず備忘録として記録していく。

 まずインタークーラーの話。某オクで入手したのはかなり前だが、これは導風カバーが付いてない。適当に作ろうと思っていたし、これからの寒い季節であればとりあえずなくても問題ないかな~っとあまり真面目に考えていなかった。

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姉の家からDELLのジャンクプリンターを回収してきて、シャフトなどのDIY材料になるものを外しケースをまじまじと見る。「これでインタークーラーのエアガイド作れるじゃねぇ?」っということで、とりあえず板状に切り出した。ちょっと強度的に不安だが、要所要所をアルミで補強してやればなんとかなりそう。とか思っていたんだけど、実際にはなかなか手付かずのまま止まってた。

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そんな感じで停滞していた頃、某クションでエアガイド付きのインタークーラーハンバーガー程の価格で出ていた。「とりあえず入札!」  ・・・したんだけど、なんとそのまま落札してしまった。送料が漱石さん二人とちょっとお高めだったので、お買い得かどうか微妙なところだけどエンジン載せ替えが目前の今の状況ではすべてを前向きに考えられる。

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インタークーラーの純正エアガイドってどうしてこんなに小さいのって思っていた。自作予定の段ボール試作品だと開口部は50%アップできる。

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あと、小石防護のため、金網も入手していた。ブックスタンドの処分品らしく100円で入手。ちょっと目が細かすぎて空気抵抗になりそうな気もする。とにかくまずはエンジンの載せ替えであり、その後余力が出来たらインタークーラーのエアガイド製作や、リアバンパーに放熱用の穴をあけたいと思ってる。

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オリジナルのエアガイドをまじまじと観察。

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ふむふむ。

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後端の穴は水や小石の逃がし用かな?

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このエアガイドは10年以上前の製造品だけど、そんなに古さは感じない。プラスチックの寿命的にはまだまだ大丈夫な感じ。

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2号機のインタークーラーコア部をまじまじと見ると、1号機のよりも腐食などが少ない。なので、2号機のインタークーラーを本番用に採用決定。フィンの曲がりや歪みをピンセットでちまちま修正していく。

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 次は工具の話。最終局面の直前に入手した秘密兵器。つぶれたナットやボルトを強制的に緩める工具。これは昔から欲しかったのだけど、絶対に必要となる状況になったことがないので、なんとなく購入できずにいた。

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でもNAエンジンのエキゾースト周辺のボルトを見たとき、これは絶対にすんなりと緩んでくれない!と思えた。また常日頃、非常に参考にさせて頂いている整備士さんである「MHO ENGINEERING」さん記事1記事2を見て購入を決意した次第である。

 この製品にはソケット部の高さが高い”ハイタイプ”と、低い”ロータイプ”がある。低い方が細かい所でも届くんじゃね!っくらいの軽い気持ちでロータイプを購入。でも届いた商品をよく見ると、ハイタイプは3/8”の四角穴があり、スピナーなど使えるが、ロータイプはメガネレンチやソケットを使うしかない。なんとなくハイタイプの方が使いやすそうな気がする。

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そしてエンジンまわりの最後の作業。燃焼室部に防錆対策のために入れていたオイル抜く。プラグホールから覗くとピストントップの凹み部にオイルが溜まっている。

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まずはピストンを上死点にし、スポイトでオイルを吸う。でもどうしても吸い残しがでる。

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なので、竹串にティッシュを巻き付け、オイルを吸い取る。

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点火プラグはエンジンについていたお古を使用。これはイリジウム-白金の高級品だ。汚れを落とせばまだまだ使えるよね。というか私的には点火プラグの寿命ってよく理解していない。カーボンなどが溜まって絶縁不慮になるのであれば、カーボンを落せばいいのだし、電極部が摩耗したのであれば研磨しなおせばいいのだから。最後は材質の経年劣化なのかな?  すくなくとも、下写真のプラグは私的にはまだまだ使える。

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購入当初の点火プラグの状態。結構汚れてる。

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 ガイシ部が変色しているのって悪くなっているのかもしれない。

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でも先端部は十分きれいだと思う。

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後はいかに交換用エンジンをアイに積むかだな。リアトランクに入れる予定だったけど、一人では危なそうだったので、助手席のシート外したところに載せる予定。

さあ、心を燃やせ。

 

 

6-2.アイのターボ化_39(換装への最終選別)

■2020年10月

 エンジン換装手順について検討を進める。いろいろ考えた中でもっとも効率が良さそうな方法を下図で示す。でも不確実性があり本案は予備案になったんだけどね。

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このエンジン載せ替えの手順を記述しておく。アイはリアのジャッキアップポイント(JUP)がリアサスアームの中央にあるので、このJUPを使って車体を上げ下げし、エンジンを降ろそうという作戦。まずリアサスを外して、リアサスをフルボトム状態としてJUPをジャッキで支える。そのまま車体を下げてエンジンをエンジンスタンドに降ろす。その状態で車体とエンジンを分離し、再び車体を持ち上げればエンジンが降ろせる。メリットは①リアサスアームを外さなくてもいい、②エンジンのリフト装置が不要。デメリットは③車体を相当高く持ち上げないと、リアサスアームが邪魔となりエンジンを車体の外に出せない。特に①のメリットは大きい。リアブレーキ周りを外さなくていいわけだからブレーキフルードの再充填などの処理も不要になる。一応この方法を念頭に必要な台座を製作した。

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右側の3つの台座を2x4材で製作。

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この3つの台座をジャッキの底上げに使う。

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まずはタイヤ台として使ってみる。ジャッキスタンドより3cm程車体は高く上がる。車体の下に潜るような作業ではジャッキスタンドよりタイヤ台を使う方が安心感が高い。今後も車体下に潜るような作業ではタイヤ台が活躍するだろう。

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次にジャッキスタンドで車体を支え、ジャッキの下にジャッキ台として使う(今回はリアサスを外しての確認はしてない)。

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この状態ではリアサスは全伸び状態で、フルブトムまで18cmほど。

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リアサスアームは地面から27cm程の高さ。

リアサスのバネを外してリアサスアームをジャッキアップしていくと、18cm持ち上げるとフルボトム状態となりバンプラバーがリアサスを支える形となる。この状態でリアサスアームは地面から27+18=45cmの高さになる。リアサスアームの下をエンジンが通るようにするには、リアサスアームは65cmくらいの高さが必要なので、あと20cmかさ上げが必要。ジャッキスタンドや、ジャッキ台の下に木材を敷いてかさ上げすればなんとかなるかもしれないが、車体が上がりすぎて左右に倒れてしまいそうな不安が出てくる。この手順はまったく不可能って訳ではないが、予備案として別の作戦(プランA)を考える必要がある。とりあえず製作した3つの台座も白塗装した。

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旋盤BOXにすっぽり収まる。いよいよ旋盤BOXが乗っ取られた感じ (^^;)。

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ジャッキアップ時に車体側にキズがつくのを防止するため、今までは適当な板を挟んで作業していたが、どうせならぴったりなものを製作しよう。旋盤でジャッキアップ部にピッタリな円盤状の板を切り出した。

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さらにサイドジャッキポイントを上げ下げするためのアダプターも製作。

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エンジン換装手順のA案を検討。というか普通にまず出てくる方法である。

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車体をジャッキアップしてリアサスアームを外し、エンジンをリフターで保持した状態で、車体とエンジンを分離する。そしてエンジンリフターを下げてエンジンを降ろす。

この方法だと面倒なのが、リアサスアーム(下写真)の取り外し。リアブレーキライン、サイドブレーキ、車速センサーも外さなければならない。

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 製作したアダプターを使ってリアサイドのジャッキアップテストを実施。リアサイドジャッキポイントを上げたら、フロントも一緒に上がった。さすがミッドシップ。重心がかなり後ろ寄りなんだと実感する。

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次にリアをジャッキアップし、車体上げ台(タイヤ台)をタイヤの下に入れる。ジャッキスタンドだと車体下に潜るのは不安感があったが、タイヤ台を入れる方法だとかなり安心感がある。この時に初めて車体下に潜り車体下の様子をまじまじと観察した。

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車体下に潜りこむ時の見え方。安心感あるよね。

※ただしその安心感とはあくまでも静的な状態での話であることは肝に銘じておく。というのも1994年の地震の記憶が今でも頭から離れない。その時は社宅(5階建ての鉄筋コンクリートの1階)で寝ていたのだが、震度6の縦揺れは強烈だった。直感的に建物が崩れると思った。自動車の下に潜っている時に地鳴りが聞こえたら間髪入れずに這い出すことは常に意識しておく。

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車体下に潜りこんで、エンジン台座を置いてみる。このままだとドライブシャフトやリアサスアームが邪魔でエンジン台座とエンジンは密着できないけど、部品を外してエンジン台座をリフトアップすれば、ちゃんとエンジンを支えられそうだ。

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エンジン台座をジャッキでリフトアップできるように木枠を追加。

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エンジン台座をリフトアップ後に台座を支えるための木材も用意。

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エンジンを降ろしてからの移動をスムーズにするための作業板も用意。

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これで必要なモノはほぼ揃った。さあ出陣間近。

エンジン本体。

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エンジン換装時の交換部品

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エアフェールモジュール、過給機周辺の機器

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ダイナモ、ウォーターパイプ、テンショナー、インタークーラー

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サクションパイプとマフラー

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さあ、全隊員  揃い踏み!

いよいよ最終局面まで秒読み段階。よーし!  腹が減るぜ~!  ”腕が鳴る”だろ~~ (  ;´Д`)

 

後は分解方法等の確認。ドライブシャフトの外し方、ドライブプレートとトルコンの外し方、シフトワイヤーの外し方など。エアコンコンプレッサーはどうすればいいのかな?

とにかくちゃんとした作業手順書を作らないとな~。

 

 

6-2.アイのターボ化_38(オイルキャッチタンクの軽量化)

■2020年10月

 某クションで入手したサクションパイプやインタークーラーは内側がオイルでべっとり汚れている。これはブリーザーパイプからオイルが吸気側に回っているからだろう。下の写真はよそ様のアイのターボエンジン写真なのだが、すごく短いブリーザーホースでシリンダーヘッドとインテークが繋がっている。ここにはぜひオイルキャッチタンクを設置しなければと前々から考えていた。

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オイルキャッチタンクなんて簡単な容器で作ればいいわと思い、使えそうな容器を家や100均で物色していたのだが、半年経過しても見つからない。だんだんとめんどくさくなってきて結局下記の製品を購入した。

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アイのブリーザーホースはΦ12mmで(13かも)、こいつにはちょうど12mmのアダプタがついている。価格も手ごろ、大きさも手ごろなのでこれをチョイスしたのだが、ひとつ大きな欠点がある。それは重さ。口コミでもこの点についての指摘は多く、私的にもただのタンクにそんな重さがあるのは許せない。なにより取り付けステーが耐えられるのかという疑念があるので、購入までにものすごく長考した。しかし長考にも疲れたので、力づくで解決しようと思い購入した次第である。

 まずは届いた製品の重さを確認。手に持つとずしりと手応えがあり重さは500g超え。この製品を単体で見るとヘビーディーティーで分解もしやすくかっこいい形なのだが、これを車載するのはどうしても抵抗がある。

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なので削れるところをどんどん削って軽量化する。まずはカップ部を旋盤で掴んで、内側を芯出しを兼ねてぐるりと切削。

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そして外周を切削。カップは5mmの厚さがあるのだが、これを2mmまで切削する。もっと切削できそうだがあまり無理はやめておく。

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そしてカップを掴み直して底部も切削。これでカップ部は半分以下に軽量化できた。

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次は上部パーツ。まずは上面を2mm切削。ディップスティックのネジ部を残す必要があるのであまり薄くはできない。

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内側の不要な部分をドリルで肉抜き。

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エンドミルで形状を整えるのだが、ボール盤+エンドミルはちょっと怖い。フライス盤を持っていれば相当攻めれるんだけどねぇ。

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外側の関係ないところもどんどん削っていく。

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だいぶ頑張ったが、形状が複雑なので半分までは軽量化できなかった。

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ひたすら削った切りくず。

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オイルキャッチタンクはコンデンサータンクの固定ボルト部にステーを作って取り付ける。

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細かい仕上げ。バッフルのバリを面取する。

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本体は黄色に塗装。車体は青で、エンジンは黒、カムカバーは赤とセンスは一切感じられない配色だが、どうせ見えない場所だし目立った色であれば作業性も上がると思う。今回初めてアクリル塗料を使った。一番安かったから。アクリル塗料って塗った後はしばらくビニールでラッピングしたみたいなゴム的な感じなんだな。数日経過して十分硬化すればラッカー系とあまり違いは感じないけどね。あとアルマイト処理が残っている淵部分などはちゃんと塗れていない感じで剥がれてきそう。

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数日してほぼ乾燥したので組み立てていく。ホース接続口は一応ロックタイトを塗布しておく。

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バッフルはちゃんと2重でケース状になっているんだな。この価格を考えれば十分すばらしい製品だと思う。

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空気の流れはこんな感じ。エンジン側から吸い込むオイル飛沫をバッフルでキャッチしてオイルタンクに貯めていく。バッフルの中に金属たわしを入れておけば、オイル飛沫のインテーク側への吸い出しはより抑制されそう。

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ディップスティックには手持ちのOリングを装着。

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完成。ディップスティックは赤のままだけど、誰も気にしないし誰も見ない。固定ステーは適当なL金具で作ったけど、強度的にちょっと弱い?。重さと振動で曲がってこないか定期的にチェックしよう。

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最終的な重さは312g。当初の500gからは40%の軽量化。本気出せば200gくらいまで削れそうだけど・・・(^^;)。

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加工前後の比較。記載している重さはいずれもホース接続部やステーを含んだもの。

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これでオイルキャッチタンクの軽量化は終了だぁ~~~! ・・・なんだけど、なぜか心は晴れない気持ち。こんな作業はエンジン換装後にゆっくりすればいいだろう、そんな事より早くエンジン換装を進めろ! と耳元で急かすもう一人の俺がいるのだ。でもね・・・、エンジン換装手順を考えてもすぐに壁に突き当たるんだよね。どうやってエンジンを降ろして、載せるのか。設備のない環境ではなかなかいい方法が出てこない。

 

6-2.アイのターボ化_37(NA車とターボ車の違い)

6-2.アイのターボ化_37(NA車とターボ車の違いについて整理する)

■2020年10月

 エンジン換装を目前に控え、NAとターボの違いについて整理しておく。以前のバキュームチューブ購入時にも書いたが、私の知っているパーツリストだけではNAとターボの違いはよく分からないので憶測も交えている。今回のエンジン換装はターボ車のエンジンを載せ替えるわけだが、降ろされたNAエンジンを再びターボ用として搭載する場合の必要加工についても記述する。NAエンジンをターボエンジンに仕上げていくのが、真のアイのターボ化だからね(本気で考えている訳ではない)

 1.仕様上の違い                        

■エンジン
 1)圧縮比(NA:10.8 T/C:8.8)     ※おそらくピストンが違う
 2)カムシャフト          ※カム高の許容数値が異なるのでたぶん違う
 3)過給機、インタークーラーの有無
 4)過給機取付に伴うオイルラインや冷却ラインの穴加工
 5)燃料ポンプについてはわからない

トランスミッション
 6)最終減速比の違い(NA:6.421  T/C:5.841 ⇒ 1:0.91)
 7)トルコンストールトルク比の違い(NA:2.33  T/C:2.15 ⇒ 1:0.92)

■電装系
 8)エンジン制御ECUECU交換)
 9)O2センサの配置場所違い(ケーブル延長)
 10)ウエストゲートバルブの配線の有無(2芯ケーブル追加)

 

2.違いの詳細とNAからターボへの変更必要項目          

1)圧縮比
 NAは10.8、ターボが8.8、とノッキング抑制のために圧縮比が下げられている。クランクシャフトやコンロッドはおそらく同じパーツで、ピストン形状だけが異なるのだと思う。もしもNAエンジンに後付けでターボを取り付けるのであれば、ピストンをターボ用に変更するか、シリンダーヘッドやピストンを切削して圧縮比を下げることになる。圧縮比はそのままで燃料をハイオク化することで対応できないか興味があるのだが、そういう情報ってどこかにないかな?。 NAとターボでのエンジン特性の違いを下図で示す。

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ターボ車のエンジン特性はカタログからの目分量プロットであるが、NA車のトルク特性ってどこにも無い。ディーラーで部品発注する時に、「NAエンジンのトルク特性があればコピーください」とお願いしたのだが、「NAのは無い」との返事。ほんまかいな~?  しかたなくカタログスペックの最大トルクを1点プロットしたが、それだけでもターボ車のトルクがどれだけ大きいのかよくわかる。3000rpmあたりではNA車の2倍くらいトルクある。私のターボ化への期待は低回転域での高トルク。今のNAエンジンは普通に平地を走っている分には特に不満はないのだけど、ちょっと急な坂道だとキックダウンしないと加速しない。そういう坂道でもそのままのギアでちゃんと加速してほしい。また平地であればトップギアの1500~4000rpmで40~100km/hをカバーできるので、ターボエンジンであればトップギア固定で十分な走りができる(私的には)。欲を言えばパドルシフトでの変速、そこまでいかなくてもトップギヤで固定する機能がほしい。

※2021年3月追記:整備解説書(CD-ROM)内を探すとNAエンジン特性グラフがあったので、それを目測プロットしてエンジン特性図を更新。ターボは6500rpm、NAは7500rpmまでで、ターボは相当低速トルク側に振っているのがわかる。64馬力に抑えるためのセッティングだと思うが、もう少し高回転型にしてやれば80馬力とかは出そうに思う。レッドゾーンはいずれも7200rpmだと思う。

 

 2)カムシャフト
 パーツリストからは正確にわからないのだが、摩耗限界値がNAとターボで異なるので、おそらくは違う部品だと思う。

 3)過給機とインタークーラー
 NA車をターボ化するには
  ・エキマニ
  ・過給機
  ・エキゾーストパイプ
  ・マフラー(NA用でもとりあえずOKみたい。ターボ化の心の師匠ruoさん情報
  ・サクションパイプ(エアクリーナー⇒過給機⇒インタークーラー⇒スロットル)
  ・インタークーラー
 が必要。

 4)NAとT/Cの冷却ライン、潤滑ラインの違い
 ターボ車ではエンジン冷却後のクーラントが過給機を冷却する。NA車をターボ化するにはこの冷却ラインの加工が必要となる。

 【NAエンジンの冷却ライン】 f:id:otypemako:20200930222205g:plain

 

【T/Cエンジンの冷却ライン】 f:id:otypemako:20200930222222g:plain

 

過給機への潤滑ラインはオイルフィルター通過直後で分岐し過給機に送られる。潤滑後はオイルパンに戻る。NAエンジンをターボ化する場合はこのラインの取り付け穴の加工が必要となる。

【T/Cエンジンの潤滑ライン】 f:id:otypemako:20200930222236g:plain

 

過給機周辺の冷却ラインと潤滑ラインの写真。

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冷却ラインはシリンダーヘッドのコンデンサータンクに戻るラインとほぼ横並び。

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オイルラインをエンジンに固定するために、M6のタップを2か所切る必要あり。

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NAエンジンをターボに改造する場合にこれらのライン穴加工が難関。タップ切くらいならできそうだが、穴あけと接続面の切削加工を正確に加工するのは難しそう。加工屋に丸投げするか、治具を自作して加工するか。まあたぶんNAエンジンのターボ化なんてしないと思うけど、未来の自分の行動は今の私には分らない (*´ω`*)。

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シリンダーヘッドもタップ切る必要あり。

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 5)燃料ポンプ
 NAとターボの要求燃料流量の違いから、もしかしたら燃料ポンプが異なるのかもしれない。ディーラーでの雑談時にNAをターボ化する話をしたら、ディーラーの人が「それはおすすめできないですよ(^^;)、燃料ポンプとか違ってきますから」って言ってたのだ。この人は雑談のノリで軽く答えただけだと思っていて、私の考えでは燃料ポンプは同じだと思っている。アイはターボ車から発売されてNAは数年遅れての発売なので、少しくらいのパーツ代を浮かせるためにわざわざポンプを替えないのではと推測。

6)T/Mの最終減速比
 ターボ化によるトルクアップのために最終減速比を下げているのだと思う。詳しく調べるまではT/Mは同じものだと思っていたので、この事を知った時はちょっとショックだった。N/AのT/Mを使ってエンジンのターボ化したら、燃費が悪くなりそう。

7)トルコンストールトルク比
 トルコンまで違うんかぁ~~~ …(*゚。゚)m

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ストールトルク比って、完全ストール時(速度ゼロ時)に伝達されるトルクの増幅率だよねぇ。ターボではこのトルク比が下がっているというのはどういうことだろう?  発進駆動力で考えると、ターボではT/Mの最終減速比が下がっているので、NAと同じ発進駆動力を得るには、トルコン入力軸に1/0.91×1/0.92=1.19倍のトルクが要求される。まあ20%高いトルクが要求されるってことだ。ターボ化によるトルクアップって全域30%以上はあるから余裕ってことかな。 逆にNAのT/Mのままでターボエンジンに換装すると、発進駆動力がそれだけ高くなる・・・、っというか必要以上にエンジン回転数が上がって乗りにくくなるのかなぁ~。将来心に余裕があるのであればターボ用のT/Mに載せ替えたい、などという気の遠くなる考えが浮かぶ。

8)エンジン制御ECUECU交換)
 エンジンECUはNA用とターボ用でもちろん違う。これも某オクで初期型を入手済み。

9)O2センサの配置場所違い(ケーブル延長)
 O2センサの取付位置がNAとターボで異なるので、ターボ化においてはケーブルを延長する必要がある。

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ハーネスの取り回し図でもO2センサのコネクタ(E-11)位置を確認。 

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ちなみにターボ車の後期型ではO2センサが2個ついている。これはおそらくエコ運転のモニター用。

 

10)ウエストゲートバルブの配線の有無(2芯ケーブル追加)
 ブースト制御用のケーブルが新規に必要になる。

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回路図で確認。12Vのコモンコネクタ(C-20)と、エンジンECU(C-34)に接続する。

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C-20はエンジンECUのすぐ横。

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C-20の⑬ピンに接続するのだけど、こういうコンタクタって1個で購入するのがめんどくさいので、⑨か⑫のケーブルから分岐して接続する。電流容量的には問題ないよね。だって大元は①の赤ケーブルでここから他のケーブルに分配しているんだから。

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C-20コネクタのコンタクタはこんな形。

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エンジンECU側はC-34コネクタの⑫ピンに接続。ターボ用のECU購入時にコネクタ部はついてきたので(ケーブルを10cmくらいでぶった切っていた)、このコンタクタを使う。エンジンECUのピン配置は回路図をちまちま読み取って作成。

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左手に持っているのが、ターボ用ECUについてきたコネクタ部。

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エストゲートバルブの制御用に、入手したECUのコネクタからコンタクタを1つ取り外しておく。まず水色のコンタクタ固定具を外す。

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コンタクタ固定具はこんな形状。

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コンタクタは爪などで抜け止めされていないので、引っ張れば抜ける。

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コンタクタは背面を固定具で押さえつけている。

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電気的接続はこのウエストゲートバルブの追加のみがNAとの差異になる。

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今回のエンジン換装では追加した水温、油温のセンサと油圧センサSWの6芯をハーネスに追加する。油温センサと油圧センサSWはオイルクーラーに取り付けるので、実装はまだ先になりそう。

ターボエンジンに付いてきたコネクタを再利用して必要ハーネスを製作した。

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エンジン換装時に実装する。

 

※追記

エストゲートバルブ制御用コンタクタは無くしてしまいそうなので、先にアイに取り付けた。

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黒のケーブルがちょろっとコネクタから延びている状況

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エンジン換装時にここにハーネスを接続する。

 

※後日追記(2021年2月)

 ユーザー車検の準備をしていて気が付いたのだが、ターボ車にはキャニスターの前にチェックバルブがついている。なるほど、ターボが効いて加給圧があがるとキャニスター側へ逆流してしまうことを防止するのだな。

NA車

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ターボ車

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 これが原因で車検が通らないってことはないと思うが、近いうちに取り付けよう。

6-2.アイのターボ化_36(エンジン移動&収納用BOX製作)

6-2.アイのターボ化_36(エンジン移動&収納用BOX製作)

■2020年10月

 徐々にエンジン換装準備が加速してきた。月極め駐車場ではさすがに換装作業は無理なので、作業できる場所までエンジンを持っていく必要がある。もちろんアイに積んで持っていくのであるが、そのためにはエンジンを持ちやすい箱に収納してやる必要がある。

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このエンジン台座はそこまで見越して設計している。外側を囲う板を購入し、取手をつけてオイルステインで塗装。

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そしてエンジン台座に固定していく。

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四面を固定すれば、エンジンを保護すると同時に持ち運びがしやすくなる。さすがに軽々とは持てないが、気合を入れればアイに載せることはできるだろう(誰かに協力してもらう必要あるかも)。

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このエンジンケースはエンジン換装後のNAエンジンを収納するケースにもなる。そのNAエンジンに再び火が入ることは無いかもしれないが、定期的にクランクを回してオイルを循環させるため、側面に穴をあけ、クランクを回せるようにしている。

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ジャッキスタンドは旋盤収納BOXに入れるようにした。旋盤を使っていない時に旋盤を入れておくものなのだが、最近は旋盤は出しっぱなし。

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 エンジンを車体から外すためにはこのジャッキスタンドだけでは難しいので、あと3つほど台座を製作する予定。

6-2.アイのターボ化_35(リリーフバルブのバキュームチューブ)

6-2.アイのターボ化_35(リリーフバルブのバキュームチューブ)

■2020年10月

 アイはターボ初期型にリリーフバルブが実装されている。しかし後期型は電子スロットルの制御だけの対応しておりリリーフバルブは無くなっている。私がターボ用に入手したエンジンECUは初期型のもので(1860A700)、リリーフバルブ有りを前提に制御しているものだ。ECUを後期型のものにアップデートすると制御上はリリーフバルブなしでも問題ない制御となる。アップデートしてリリーフバルブを外している人の情報もちらほら見る。私のECUももしかしたら前の持ち主がECUをアップデートしていたりするのかもしれないが確かなことはわからない。またその後入手したサクションパイプもリリーフバルブ有りバージョン。リリーフバルブが有ったほうが安全側だと思うので、すでに某オクで入手している。

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アイのリリーフバルブは制御用ポートが2つある。過給機過圧直後とスロットル下流の二か所に接続するタイプである。軽く調べた感じではリリーフバルブは1ポート式のものが多い。1ポート式のものは、エアフロー部から加給圧を取っていると思うのだが、アイの2ポートはどういう意味があるのだろうか?単純にリリーフバルブの構造をシンプルにすると2ポートになるということかな?

 このスロットル下流に接続するための制御チューブを購入した。下図の12413Aのパーツなのだが、パーツリストには製造年により数種類ある。こういうケースは多々あるのだが、今までは”新しいものの方が不具合対策などがされていていいだろう”という気持ちで新しいパーツを購入してきた。今回もそうしたのだが、でも購入時に「あれ?でも新しい型式にはリリーフバルブはないよな~」とちらっとは思ったのだが、あまり深くは考えなかった。

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そして届いたパーツがこれ。パーツ名は確かに1632A305だが、明らかに違うものが届いた (T_T)/~~~。

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あれ~っと思い、リリーフバルブ無しのパーツリストも確認したのだが、そこにもやはりパーツ名12413A、部品番号1632A305という届いたパーツと同じものが記載されている。同じパーツ名で全然違うものってどういうこと? 結果的には確かに私のミスではあるが、パーツリストではちゃんと図も書いているんだから、もう少しわかりやすくしてほしい。モノタロウでパーツを全て購入できると分かる前は、ディーラーで部品を注文していたのだが、その時はやたらしつこく製造年を聞いてきたのはこういう間違いが多発するからか。ちなみにモノタロウの方が少し安いのだが、3500円以上購入しないと送料が500円発生する。

 じゃあ本来ほしかった部品はパーツ名12413A、部品番号1632A108なのか?もしかして1632A249なのか? 確認方法がないし108は2000円超えとか買う気も失せる値段。なので方針を変えてアマゾンでバキュームホースを購入。リリーフバルブへの接続だけじゃなく、将来の改造計画であるブースト計設置にも使うため。エンジン換装時にブースト圧のチューブをキャビン内に引きこんでおくのだ。商品は1mの価格とあるが、これを2つ購入したらちゃんと2mのチューブが届いた。

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純正品と比べて、やわな感じがする。耐熱は200℃あるので大丈夫だろうけど負圧に耐えられるか心配だったが、バキュームホースという製品なので大丈夫だろう。

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弾性はすごくあり、3mmのチューブなのに5mmのパイプにも問題なく入る。

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インマニの穴をあけた所にバキュームチューブを接続するのだが、穴の出っ張りはΦ8mm。PCVバルブのチューブが接続用にちょうどいいサイズ。エンジン換装時にNA用のPCVバルブのチューブが1本余るので、それを利用して3mmのチューブと接続しよう。

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3mmのチューブに4mmのアルミパイプを差込

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その上からPCVバルブのチューブを差込めばぴったり。

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間違って購入した下記チューブは使い道がないので、使えるところは入れ替えて使う。オリフィスも新しいのに交換した。

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いよいよエンジン換装の足音が近づいてきた。

 

 

6-2.アイのターボ化_34(油圧ポンプに呼び水、スロットル、 +IC)

 

■2020年9月

 油圧ポンプがオイルをちゃんと循環させていることを確認する。とにかくエンジンを勢いよく回さなければ、カラの油圧ポンプがオイルを吸ってくれないようだ。ドライブプレートにハンドルを固定する治具をつくるという作戦を考えていたのだが、手持ちで適した材料が見つからずめんどくさくなってきた。もっと簡単に試せる方法として呼び水(じゃなくて呼び油かな)の方法を試す。内径Φ6mm、外径Φ9mmの透明チューブを50cm購入(50円)。ジョウゴに差し込み、エンジン上部に固定。反対側をビニールテープを巻いてΦ12mmくらいにしてオイル吐出口に差し込む。

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そしてエンジンオイルをジョウゴから注ぎ、呼び水(油)とする。

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ジョウゴからオイルを注いでも、オイルの粘性があるのでポンプ側へ流れていかないが、クランクを逆回しにするとポンプがオイルを吸い込んでいく。

十分オイルを吸い込んだところで全力で正転方向に回す。しかし油面はシリンダーヘッド合わせ面あたり以上上がらない。手で回せる速度は1回転/秒くらい。アイドリング回転数の1/15くらい。もっと速く回さないとダメなのかと凹む。

しかしその日の夜にもう一度試すと、今度は油面がどんどん上がっていく。そしてジョウゴ部からあふれるくらいまで余裕で上がった。なんでかなー?。時間を置いたので、オイルポンプ部に十分オイルが廻ったのか、または気温が下がってオイル粘性があがり、ポンプが機能するようになったのか。

 理由はよくわからないが、とにかくオイル循環がうまくいくようになったので、オイルフィルターを取り付ける。今度はターボ潤滑ラインの口にチューブを差込みクランクを回す。するとオイルフィルターにオイルが満たされ、チューブからオイルが上がってきた。回していけばジョウゴから溢れるくらい余裕でポンプが機能している。カムシャフトあたりまで上がるので、エンジン内部ではきっとカムシャフトまで潤滑されているのだろう。

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最後にポンプからオイルが漏れる速度を確認する。クランク回転を止めて(ポンプを止めて)、油面が下がる速度を見るのだ。シリンダーヘッド合わせ面あたりから1分後、5分後の油面の加工が下写真。これがポンプの漏れ量ということになる。

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これくらいの漏れ量は正常範囲内なのか不明だが、たぶん大丈夫だろう。次があるのであれば、ソケットにクランク状のハンドルを取り付けてぐるぐるまわすようにしよう。

 

続いて電子制御スロットルのクリーニングとガスケット交換も実施。スロットル全閉付近の密閉部に汚れがある。

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スロットルを開ければクリーニングもラクなんだけどねぇ。

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スロットル部にパーツクリーナーをどばーっとかけたいけど、それはトラブルの元との情報をよく見るので、綿棒にパーツクリーナーを吹いて汚れを優しく拭き取っていく。

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綿棒は結構汚れた。ただこびりついた汚れは拭き取るだけでは取れそうもない。

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壁面にカーボンのように汚れがこびりついている。

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スロットルのネジを外せば、スロットル板が取れてクリーニングしやすくなるだろうけど、いろいろ不安があるので今回はパス。

※追記:よくよく写真を見直したら、ネジを外してもスロットルを開いた状態でなければスロットル板は取れないと思う。

※さらに追記:スロットル板固定ネジは写真をよく見ればわかるのだが、緩み防止のため反対側を潰している。なので分解は相当困難な模様。

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ガスケットも新品に交換。

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スロットルの組付け終了。

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某オクで入手したインタークーラーにはエアーガイドがついていなかったので、自作することにする。当初はアルミ板で作ろうと思っていたが、アルミ板といえど結構高いので、とりあえず手持ちの何かで作る予定。

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これでエンジン側の整備はほぼ完了。今後はエンジン換装の準備に集中する。

 

※10月22日追記

 インタークーラーのエアガイドはDELLのジャンクプリンターのケースとLアルミ材を組み合わせて作る予定だった。

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でも某オクでモスバーガーくらいの金額でエアガイド付きのインタークーラーを落札してしまった。送料は落札額の4倍くらいというどう評価していいかわからない結末。もともと、オリジナルのエアガイドはその小ささが気に入らなかった。スペース的にはもっと大きいガイドが問題なく取り付けられるし、その分冷却能力も上がるだろうにと思っていた。なので初めに入手したインタークーラーにエアガイドが付いていないことも特に気にしていなかった。どうせ大きいエアガイドをつけるつもりだったので。

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入手したオリジナルと製作予定だったガイドでは開口部が50%くらい大きくなる。

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開口部のガードのための金網もブックスタンドを流用するつもりで入手していた。

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でもエアガイド作るのにも時間がかかるし、すこしでも早くエンジン換装作業に進みたかったので、とりあえずオリジナルのエアガイドを入手した。まあ予備のインタークーラーが手に入ったということで、エンジン換装後のエアガイド製作時もフィットチェック用として役に立ちそうなので良しとする。エアガイドの大型化による冷却能力のアップについてのデーター比較もできそうだしね。