O型のまこさん

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趣味でいろいろ作った備忘録

6-2.アイのターボ化_29(センサ、RRオイルシール、テンショナー、サーモ)

6-2.アイのターボ化_29(センサ、RRオイルシール、テンショナー、サーモ)

■2020年7月

 エンジンの主要センサについて確認する。まずはカム角センサ。おそらくはピックアップセンサなのだと思うけど、3ピンの内の2ピン間で通あり(1.25kΩ)。他は抵抗無限大。

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クランク角センサも同じような感じだが、2ピン間で瞬間的に通があるだけ。構造がわからないので、これが正常な状態かどうかはわからない。エンジンを載せ替えてもこのエンジンが始動しないのであれば、今動いているエンジンのセンサを一個づつ付け替えて確認するしかないかなぁ。こういう時こそOBD2の診断機能だと思うのだが、アイのOBD2はちょっと仕様が特殊のようで、汎用ツールではうまく通信ができない。ちまちまトライはしているが、OBD2通信が使えるようになる自信はちょっとない。

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MIVECのオイルコントロールバルブは2ピンで9.2Ω。これはただのソレノイドだと思うので、動作部になにかつまりでもしなければ問題はないだろう。

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話題変わってマフラーの話。アイはNAとターボでマフラーは異なる。またターボでも前期と後期でも少し違う。後期はO2センサが2つついてる。おそらくエコ走行のモニタに使っているのだろう。また排気管先端径も少し太くなっているらしい(φ50mmくらい)。

アイターボ化の心の師匠であるruoさんもしばらくはNA用のマフラーを使っていたので、私も師匠にならってしばらくはNA用のマフラーを使おうと思っていた。しかしジャッキテスト時にマフラー周辺を確認したら、取付ボルトのネジ山が腐食により完全に無くなっていたのを見て考え直した。というのも、エンジン交換はおそらくどこかの場所を借りて行う。交換作業最中に”ボルトが外せないのでやり直し”などという状況はあってはならないのだ。だって、この車で交換するエンジンや工具一式を持っていき、そこでエンジン交換するわけだから、新しいエンジンを載せ替えるまで、そこからの移動はできないのだ。不測の事態が発生すると手詰まりになってしまう。今のマフラーのボルトが外せなければそこで手詰まり。もちろん事前にボルトを外してみればいいのだけど、そこでボルトを折ってしまっても手詰まり。ということでマフラーを一式持っておく必要が出てきた。ということでターボ用のマフラーを某オクで入手した。

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送料を節約するため手渡しで受け取れる品を!ということで半年程ウォッチして入手した。六甲アイランドの解体屋なのだが受け取りに行くと女性が二名、天使のような笑顔で対応してくれた。

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2006年式ということだが、まずまずの綺麗さだ。

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付け根のあたりはやっぱりサビているがまだしばらくは大丈夫だろう。

 

ちょっと気分転換に予備のピストンをクリーニング。

 

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綺麗になったパーツを見ていると心が綺麗になっていくよね。

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長らく購入を躊躇っていたクランクシャフトRRオイルシールをついに入手した。

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10万キロ走行したオイルシールと新品をまじまじと比較。まあ多少固くなっているが、それでもまだまだ使えそうな感じ。

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シール部のひだひだはどういう役割があるのかな?

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さあ、取り付けだ!

と取り付け部を見るとクランクシャフトの摺動面にサビが・・・(;´Д`)。

せっかく旋盤でつやつやぴかぴかに磨いたのに。泣けてくる。

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耐水ペーパーで磨いてサビを落とし、気を取り直して組付けだ。

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取り付け完了。

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次にドライブプレートやクランクシャフトプーリーの組付け。特にクランクシャフトプーリー締め付けは相当なトルクが必要なので、固定台座(シリンダー45°傾斜)に設置。

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まずはドライブプレートを組み付け。ボルトネジ部にはシール材を塗る。初めは緩め止めかと思っていたが、緩め止めではなくシール材。ボルト穴は貫通しているのでエンジン内部からのオイル漏れを防ぐためだと思われる。

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ドライブプレートの外周はスターターのギヤとかみ合うギヤなのだが、よくよくみると片面が丸まっている。これはスターターギヤとかみ合いやすくするためにこうなっているのか、はたまた摩耗したからなのかは不明。

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分解時に製作したドライブプレート固定バーを取り付ける。

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そして問題のプーリーボルトを締め付ける。まず150Nmで締めこんで緩める。そして再度50Nmで締めてから、60°の増し締めだ。しかし相当なトルクを掛けなければ回らない。延長パイプをつけて思いっきり締めたのだが、50°ちょっとしか締められなかった。土台ごとエンジンが動いちゃうから。

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次にサーモスタットの動作確認。サーモスタットは88℃から開き始め、100℃で8mm以上リフトすればOKとのこと。家の鍋を使ったら妻が大激怒しそうなので、大きめの空き缶でお湯を沸かす。

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お湯の温度とサーモスタットの動作状況をチェック。まあ問題はなさそう。

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次にドライベルトのオートテンショナーもメンテする。テンショナーはバネ力でベルトに張力を与えるもので、下写真の矢印の方向にテンションがかかる。テンションを縮める時は六角ボルトにレンチで締める方向に力を加える(下写真の矢印の反対方向)。はじめはこの動きが固着していて壊れているのかと思ったが、グイッっとレンチに力を込めると固着もとれて普通に動くようになった。

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テンショナーの構造はこのようになっている。おそらく固定ピンを抜いて、回転軸部のネジを緩めればテンショナーを分解できるのだろう。分解して中を見たかったが、今回パス。

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 固定ボルトを緩めるとプーリーが外せる。

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プーリーにはボールベアリングは入っているが、両側ともつばがある。よくよく見ると片側のツバは段差があるので、この部分は円環で嵌めているだけだろう。このツバをマイナスドライバーなどで外せばベアリングも抜けるだろ。

   ※後日談:後日プーリーのベアリング交換にチャレンジしたがやっぱ無理そう。

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上側のプーラーも同じベアリング。

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内側の泥除けだけがサビている。これだけ再塗装しよう。

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ベアリングの回転はスムーズで問題は無いようだけど、10万キロ12年経過したエンジンなので、グリースを入れ直おしたい。オイルシールを外すのに精密ドライバーを差込んでてこの原理で外した。その時に「プチッ」という音がしてシールの一部が切れた。円弧状の工具などがあれば無傷で外せそうなんだけどね。

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ベアリング内部には少しグリスが残っている。

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取り外す時に出来たキズ。

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反対側のオイルシールはベアリングの隙間から精密ドライバを差込んで押せば外せる。

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こんな感じ。

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保持具はプラスチック製で、ドライバで押し出せば簡単に外れる。

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ボールを片側に寄せても、内輪が抜けない。たぶん力を入れれば抜けるだろうけど、無理はしないでおこう。

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パーツクリーナーでグリスを落とすと結露した。

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前の自転車修理時に使用したグリスを塗布。

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こういうボールベアリングに使うグリスはどういうものがいいのか知識不足。一般的な情報をピックアップする。転がり軸受け用か、ホイールベアリング用のグリスあたりを考えればいいのかな。こう見ると自転車用のグリースは温度範囲も広くって結構適している気がする。

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オイルシールを指で押し込む。

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プーリーは2つともグリースを封入し直した。オイルシールを外す時はどちらも1個はキズが付いた。

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 オイルシールを痛めたのは気になるが数年は問題なく使えるだろう。エンジンを載せ替えたら、こういう細かい所を定期的にメンテナンスしていこう。一通りOHしたので、どこに注意して見ていけばいいのかはほぼ把握できたし、またエンジン一台分の予備機があるのだから、今後のメンテナンスも効率的にできる。

5-6.トルクレンチ入手&メンテ修理

■2020年7月

 最近プリセット型のトルクレンチを入手した(写真の下)。これまでは写真上の300Nmのトルクレンチを使っていた。初めてトルクレンチを見たのは中学時代の図工の時間でプレート式のものだった。イメージ的には仕組みがわかりやすく、構造上故障もしそうにないので初めて手に入れたのはやはりプレート式のものだった。大は小を兼ねるということで300Nmのものを入手(金額的に安かったのが主な理由ね。某オクで済送料込みで1800円ほど)。でも使ってみて50Nm以下の小トルクで締めるのはちょっと難しかったのでミニトルクレンチを作ったのだけど、バーの部分はステンレスの棒。30Nmくらいまでなら弾性範囲内なのだが、それを超えると塑性変形域になる。長い間バネ鋼のΦ5バーを探していたのだけど見つけられず・・・。特段急ぐ案件でもないので放置していたが、たまたま某オクでジャンクのプリセット型トルクレンチが安く出ていたのでゲットしたのだ。送料込みで1400円ほど。

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このトルクレンチは動作しなくなり、分解したら中の鋼球を1個紛失したというもの。まあ最悪ちゃんと動かなくても内部構造をまじまじと観察できれば幸せという気持ちで入手。さっそく分解してみる。

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なるほど、思ったよりもシンプルな構造だな。鋼球は以前修理した甥っ子の自転車の再利用品を探してみると同じサイズのものがあった。こういう再利用品を色々持っていると、新しい世界への一歩が簡単に進めるのがいいよね。木材や金属の端材なども。

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首振り部を押すローラーは鋼球2個で筐体内面に対して保持されている。

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ヘッド首振り部を円柱バー部にローラーをバネ圧で押し付け、一定トルクを超えると首振り部が振れるて、カチッと音がするようだ。

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トルクレンチの基本動作原理は下写真で説明できる。ヘッド首振り部は首振り軸を中心に首を振る。右(底部)からバネで動作ローラーを首振り部底部に押し当てており、レンチのトルクが設定値(バネ圧)を超えたら首を振り、カチッと音がするというもの。

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これで組み立てて動作させてみたのだが、カチっという感じで動作しない。部品の様子をいろいろ確認すると、まず気になったのが首振り部のガタ。摩耗でガタが出たのか、もとからの精度かはわからないが、正常動作しない決定的要因という感じではなさそう。

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首振り部にストッパーみたいなネジがある。たぶん首振り部とローラーの接触位置を調整するためのものだろう。入手時はこのネジ部がかなり出っ張っていた。この部分が出すぎると、首振り範囲が狭くなるので、おそらく使っていくうちにこのネジ部が出て来て動作がおかしくなったのだと思う。

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本体部にはこのネジを外部から調整するための封印みたいなのがある。おそらくはこのネジは組立て後に調整し、封印して出荷なのだろう。とりあえずこの状態で組み上げたらカチッとちゃんと動くようになった。動作精度を上げるためには、この封印を剥がしてトルク印加量を調整すれば良さそう。でも再封印はめんどくさそうなので、首振り軸を外して首振り部を取り出してネジ調整⇒動作確認を数回繰り返せばいいかな。できれば首振り軸部のガタもなんとかしたいけどそこまではやらないかなー。

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新しい工具を入手すると、その収納場所が必要になる。昔は工具箱にほうりこんで、使うときにガチャガチャ探していたが、今は工具引出しがある。工具は使いたい時にすぐに取り出せるように! とは職場などでもさんざん言われる話だが、一度その便利さを体感してしまうと、もう後戻りはできない。しかし工具引出しも満杯だ。しかたなく二段収納にした。

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こんな感じで、従来のトルクレンチの上に設置。

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引き出しを引くと工具が整然と並んでお出迎えしてくれる。

これだけで心が洗われる(二ャ)。

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後日追記

ちょっと調整してみようと思い封印を外した。封印というかただのキャップだったんだけどね。

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そして六角レンチで右回転でねじ込んでいけば、より軽い力で作動する(カチッと言う)。でもヘッドの首振り範囲以上に締めこみすぎたら、リジット状態になっちゃう。

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思ったよりも調整は簡単そうだ。あとはトルクを計測する方法を考えて調整しよう。

 

※後日追記

 ブログのアクセス解析をみるとなぜかこのページが一番多い。なぜ?  この記事がそんなに興味を惹くとは思わないのだけど。そんな事もあり、この記事の後日談のリンクも追記しておいた。8Nmのミニトルクレンチ整備20NmのTopManトルクレンチ整備、そして50NmのLTCトルクレンチ整備の3つです。

 

6-2.アイのターボ化_28(過給機まわり取付確認&再梱包)

6-2.アイのターボ化_28(過給機まわり取付確認&再梱包)

■2020年7月

 過給機まわりの組み付けを実施。といっても、エンジン移動なども考えすぐに取り外すんだけどね。ようするにフィットチェックと欠品部品の有無の確認のため。

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エストゲートバルブアクチュエーターは過給機に号機についていたもので、配管通りだしの向きが違うようで圧力チューブが取り付けられない。ターボの初期型はリリーフバルブが付いており、制御圧力チューブの取り回しも違っているみたい。

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過給機まわりのオイルラインと冷却水ラインを確認する。冷却水はコンデンサタンクから過給機冷却とシリンダーヘッドとに分岐して流れるんだね。全部過給機に流れると過冷却になるのかな?と疑問が浮かぶ。

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しかしエンジンを直立させると、過給機がずいぶん上側に配置されるのね。

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気分転換に余分に入手したピストンのカーボン落としもちょくちょく挟む。

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アイの吸排気系統は下図のようになっている。初期型はリリーフバルブがついているが(赤破線部)、後期型はリリーフバルブなし。電子制御だけで対応できるようになったという話。初期型もエンジンECUのバージョンアップで、リリーフバルブは実質不要になっているという話も聞いたことある。でも私の入手したエンジンECUがそれに対応しているのか不明だし、精神的安心のためにもリリーフバルブはあったほうがいいと思うので、このアイにはリリーフバルブを装着する。

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リリーフバルブがあると漏れが発生しパワーダウンにつながるので、リリーフバルブを外すという記事を見たことがあるんだけど、この話についてはいまいち納得できない。コンプレッサーを出た高圧吸気が一部リリーフバルブを漏れて過給機上流に戻るということだと思うんだけね。リリーフバルブ単体で動作試験をしてマニホールド差圧などでどれくらい漏れが発生するかテストしたいと思っているが、めんどいのでしないと思う。

 過給機は3号機で、アクチュエーターは2号機のものをつけていた。圧力チューブの取付向きが違うということで、アクチュエーターを1号機(もともとこのエンジンについていたもの)に交換した。

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エストゲートアクチュエーターのロッドはちょっと短めに調整している。短くするとブースト圧は高めになるはずだけど、短くしすぎるとハンチングするとの情報もある。この辺は実走での調整になるだろう。あと、接続部のクリップはサビてボロボロだったので、ステンレスのクリップに交換している。

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チューブは長さぴったりで取り付いた。コンプレッサー出口に接続するチューブの中にオリフィスが入っている。

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まだこのエンジンがちゃんと動く(走るか)不安はあるのだが、将来のためブーストアップのための仕組みを用意しておく。アクチュエーター固定板にバネを付けられるように穴をあけておいたのだ。

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予備の1号機にも同じ位置に穴をあけておいた。下写真のようにバネをつけてブースト圧をあげようという作戦である。

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過給機まわりの取付は確認できたので、もういちど外して部品をひとまとめに梱包した。次にこの梱包を解くときはエンジンを載せ替える時である。

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6-2.アイのターボ化_27(オイルクーラー製作⇒挫折 & ガレージジャッキメンテ)

6-2.アイのターボ化_27(オイルクーラー製作⇒挫折 & ガレージジャッキメンテ)

■2020年6月

 ターボ化するのだからオイル品質には特別に気を付けなければならない !ということでオイルクーラーの製作を開始する。といっても我がアイは普段は街中をゆっくり走ることが目的の車なのでオイルクーラーなんて必要ないと思っている。でも気持ちは色々先走っていてオイルブロックも某オクで入手済み。必要だからではなく、いじるための車だからね。

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オイルクーラーといってもあまりたいそうなものではない。下写真のようにオイルブロックを横向きに取付け、そこにU字型の銅管をつけるというもの。U字管には適当に放熱フィンを取り付ける予定。”できるだけシンプル”が合言葉。オイルブロックはそのままでは真横向きにはつかないので、クランクケースと干渉する部分を削っている。

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オイルブロックをまじまじと見ると流路に大きな段差がある。

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オイル出口(入口も)から見るとこんな感じ。機械加工の都合こんな形状をしているのだろうが、あまりにも美しくない。

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リューターで流路を滑らかな形状に削っていく。

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でも砥石ではすぐに目詰まりしてうまく削れないので、思い切って超硬ビットを入手。思いっきりの安物だけど、アルミならサクサクっと削れていく。

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切削の前後で比較。まだ少し段差が残っているけど、今回はこの辺にしとく。

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銅管の内径以上の流路は確保できた。

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銅管は直径15.88mm(5/8インチ)の”焼きなまし処理”していないものを入手。これを下写真のようなU字型に加工しようと思っているのだが、内心こんな曲率半径の加工はできないだろうとも思っている。

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何事もチャレンジだ。アルミの端材で銅管を掴む治具を製作。

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そして銅管を焼きなまし処理。学生時代に焼き入れ焼きなましなどは習ってはいるが、実生活で焼きなましをするのは初めてだ。意図せず焼きなました経験は色々あるだろうけどね。ちなみにエアコンなどで使われている銅管は焼きなまし処理がされているので、ぐにゃぐにゃ柔らかい。そういうのを”なまし銅管”という(今回知った)。

銅管の焼きなまし温度や時間などよくわからないので、ガスコンロで数分熱しただけ。

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表面が酸化して汚くなったが、これでいいんだろうか?

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イザ! 銅管曲げにチャレンジ。

片側の治具バイスで掴んで、もう一方の治具をスパナで曲げていく。思った以上に曲げにくい。

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ちょっと曲がったかな?  っと思って確認すると治具は曲がっているけど、銅管はほとんど曲がっていない。  一人で失笑。

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治具を外して見てみる。思った以上に曲がっていない。

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こんな感じで少しずつ位置をずらして曲げていったのだが・・・。

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ほとんど曲がっていない。目標の曲率にはほど遠い。

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この方法だと進展は見られそうにないので作戦変更。木材で挟んで、曲面に削った木片をあてて金槌で叩いていこう。

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こんな感じで叩いていけば・・・

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なんか絶望的状況    orz

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この段階で希望は完全に持てなくなったのでしばらくは作業からは遠ざかる。

 

~長い日数経過~

 

でもいつかは向き合わないとね。  ってことで新たな治具を入手した。

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一発でU字型に曲げるのは断念し、銅管を半分にカットし、90°曲げた銅管を接続する方法でチャレンジ。入手した治具をカットして作業台に固定する。そして金槌で叩きまくれば、治具のRに沿った形状になるだろうという浅はかな考え。でも叩けど叩けど思ったような形状になってくれない。おまけに近所迷惑なので、この作戦は早々に終了。

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次は銅管を木材で固定して、治具を叩く方向でチャレンジ。銅管の内側の部分を治具経由で叩けば管がつぶれないで曲がるはず・・・、なのだが、叩けど叩けどイメージした形状に近づかない。またまた絶望。

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ここで自分自身と向き合う。今の自分には何んでもいいので成功体験が必要だ。

 

ということで作業項目の変更。オイルブロックとオイルクーラーの接続部の加工を行う。オイルクーラーはフレア加工で接続するわけだが、フレア接続時の角度は39°と45°の規格があるようだ。入手したオイルブロックには39°のユニオンが付いていて、入手したフレアナットは45°。なのでユニオンのフレア角を加工する必要がある。

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ユニオンを旋盤で掴んで切削する。フレア面で芯出ししようとしたが掴み部とフレア部で芯を出すのが難しく断念。

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ぴったり(ちょっと緩いけど)入るタップを差込み、目分量で芯出しした。あまり精度いい芯出しはできていないのでちょっと心配。

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さっさかさーと45°で切削。

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切削前後での比較。

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フレア面に粘土をはさみ、フレアナットを締め付けて当たりの様子を確認。見た目では一様にあたっている。

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次に銅管のフレア加工。曲げる時に製作した治具の掴み部を45°で切削。また太いボルトの頭も45°でカット。

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銅管を治具で掴み、ボルト先端を穴に当てて金槌で叩く。

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騒音による近所迷惑もあるので、治具を手に持ったまま金槌で叩くのだが、思った以上に簡単にフレア加工ができた。

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オイルブロックへ試し接続。

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うん、なかなかいい感じで接続できる。オイル漏れが心配だが締めこんでいけば銅管が変形して密閉できるだろう。

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人生(銅管曲げ)やり直すにはもう一つくらい成功体験が必要だ!   

ってことでガレージジャッキのオイル交換をする。このガレージジャッキは数か月前に某オクで入手したもの。予算削減のため手渡しで受け取れるものを半年ほど探していてゲットした。少し前に一回使ったのだが車体が5cm程しか上がらず、そのまま放置していた。おそらくオイル不足と考え交換用のオイルも入手。

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シリンダーのゴム栓を外してオイルを抜くんだよね。

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でもゴム栓が奥まっていてなかなか抜けない。ちょっとめんどくさくなってきたので、全体のクリーニングも兼ねて分解した。

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構造は簡単なので分解もすぐだ。

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ここのクリップを抜くのが一番難儀だった。マイナスドライバーでこじって取った。

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全体の汚れをウエスで拭き取り、ゴム栓を外す。

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中から出てきたオイルはずいぶん少ない。50ccくらいしかない。やっぱりオイルが全然足りていなかったんだな。

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新しいオイルを充填する。液面が注入口から1cm程まで入ればOK。オイルは140cc程入った。

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ゴム栓がなかなか入らない。最後はゴムハンマーで叩きこんだ。

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動かしてみると元気よく最頂部まで動いた。

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よし! このまま車体ジャッキアップテストだ。ガレージジャッキは10kg程あり160m離れた駐車場まで持っていくのは一苦労。洗車用のポリタンクを運ぶための台車に積んでいった。

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さぁジャッキアップだ。一応キズ防止のため木片を挟んでいるのだが、逆にこれが原因で不安定になりそうだな。

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前回と比べどんどん上がる。でも思ったよりも頼りない感じ。2トンジャッキってこんなもんかな。下写真くらいの高さまで上げると車体が左右にゆらゆらしてきた。これより1.7倍くらいまでは上げれるはずだが、この辺が精神的限界点だ。

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タイヤは11cm上がっている。

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サイドフレーム(ジャッキポイント)で32cm。35cmくらいのジャッキスタンドを用意すればエンジン交換できそうかな。

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横から見たらあまり上がっていない感じだが、リアアクスル周りを外せばエンジンは下から外せそう。

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せっかく車体が(少し)上がったので、今搭載しているNAエンジンを撮影。写真で見るとまじうぜー。違った、すごく汚い。アシガールの若君のセリフがあまりにも心に残ったのでつい出てきた。この新しい言葉は人生で初めて使う(^^;)。

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製作しているオイルクーラーは車軸の下あたりにつく予定。等速ジョイントのブーツと干渉しそうな位置なので、その点については注意して製作する。

マフラー取付ボルトはネジ山が完全になくなっている。

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左ブーツからグリースが漏れている。

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 針金で軽く縛っておいた。

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エンジン台座にキャスターを取り付けて移動しやすくした。

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直立していると場所も取らないし、何より美しい。毎晩歯磨きの時はこれを見つめてニヤニヤしている。

 

6-2.アイのターボ化_26(チェーンカバー、カムカバー、オイルパン組付け)

6-2.アイのターボ化_26(チェーンカバー、カムカバー、オイルパン組付け)

■2020年5月

 カバー類の組付け。カムカバーやオイルパンなどの組付ければエンジンとしてほぼ形になる。まずはウォーターポンプ。シール部を観察するが特別水漏れはなさそうなので、このまま再使用。ウォーターポンプは交換すると1.5万ほどする。ベアリングやシール類の交換だけできれば安上がりなのだが、そういうリペアは三菱さんは想定していないようで、ベアリング類の単品販売はしていないみたい。ベアリング類だけの交換だときっと2~3千円で済むよね。ベアリングだけなら汎用品を探せそうだけど、シール部の部品を探すのは難しそう。

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まずはオイルシール(ウォーターシールか)のパッキンがはまる溝のクリーニング。

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そして耐熱黒スプレー。シール部への影響がわからないので、焼付処理はなし。数年先に、焼付処理の有無や塗料の種類でどう違ってくるか比較しよう。

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ウォーターポンプの取付ボルトも頭を平らに削る。

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M6ボルトの頭の高さがかなり低くなるけど、注意して締めれば問題はないでしょう。

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クランク軸のシールをカムチェーンケースに取り付ける。整備解説書によると、このオイルシールは組み立てた後に特殊工具を使って打ち込むのだけど、そんなモノは持っていないので、先に取り付ける。でもこれが原因で後にトラブルが発生するんだけどね。

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クーラント通路のOリングも取り付ける。使用前後でOリングの様子を比較すると、弾性はかなりなくなっているが、カチカチという感じではない。またOリングは取付時に裏返したら落ちちゃうんじゃないかと思っていたが、3か所ある出っ張りが溝に挟まって落ちない構造になっている。色々考えられているなぁと感心。

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そして今回初登場の液体ガスケット。このままでは使いにくいのでシリコンシーラントの先端部をカットして取り付ける。

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軽くねじ込めばしっかり固定される。あったまいいねー。

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 この液体ガスケットは初めて使うので、いまいち要領を得ない。塗布後3分してから取り付けるようにとの指示がある。少し時間が経過すればゴム状に粘度が上がるので、それから組み上げるほうがいいということだね。でも三菱の整備解説書にはスリーボンド1217G相当品との指示があり、塗布後3分以内に組み上げるようにと書いている。う~ん、どうしたらいいんだろう。とりあえずどちらの要件も満たすように塗布後3分で組み上げることにする。どれくらい塗布すればいいのかもよくわからないんだけど、Oリング部にはみ出さないように書いているので、それくらいを目安に塗布。まずはカムチェーンケースから。

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中央のクーラント流路。こんなふうに液体パッキンを塗布するようにとの指示。Oリングの横の穴2つ(ボルト固定部)の塗布はこれでいいんかなと心配になる。

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こっちのOリングは丁寧に溝が刻まれていて、液体パッキンがOリングと接触しないように考えられている。

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塗布後3分経過したので、チェーンケースを組み上げようと思ったけど、クランク軸がオイルシールにうまく挿入しない。あまり時間が経過するとパッキンが固まってしまうとあせって手で叩いたら、変な手応え。見てみるとオイルシールのバネが外れてる。泣きそう。

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慌ててケースを外し、竹串3本を使ってバネをもとの場所に戻すのだけど、時間はどんどん過ぎていく。たぶん10~15分くらいは経過した。もう一回液体パッキンを塗布しなおしたほうがいいのかな、とも思ったがめんどくさくなって組付けた。クランク軸をオイルシールに挿入する時は、指で丁寧にオイルシールとクランク軸のアタリ誘導してやれば大丈夫だ。そしてボルトを締めていくと液体パッキンが隙間からはみ出てくる。なんとなく大丈夫そうだけど、この液体パッキンの処理は失敗だったかもしれない。エンジンが動き始めれば、ここのオイル漏れには注意しておこう。

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次はカムカバーである。スパークプラグホールシールを取り付ける。このエンジンはスパークプラグ部にオイルがたまっており、ここのシールが機能していなかった。新旧で比較すると、ゴムの弾性感がまったく違う。

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新品を3つ取付る。

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カムカバーにパッキンを取り付けるのがちょっと難しい。他の車種だと、パッキンの溝が深くて、パッキンをセットすればひっくり返しても落ちてこないが、アイの場合、溝がほとんどないのである。整備解説書によれば、液体パッキンを接着剤替りに使うとのこと。4か所塗るようにと書いているが、それではちょっと不安なので、16カ所ほど塗った。

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そしてパッキンを取り付ける。うまく接着しているようだけど、あまり時間が経過したらパッキンが固まって接着力が落ちそうなので、手早く組み付ける。

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ヘッド側の一か所に位置決めのために寸切りボルトをつけておく。

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カムカバーの組付け完了。

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オイルパンはまだ取り付けていないので、エンジンは直立している。この状態だとエンジンを持ち上げやすいので、体重計で重さを測ると38.5kgだ。この重さ、この形状なら一人で持ち運びができる。

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今後のエンジン移動時や、降ろしたNAエンジン保管用にエンジンを垂直に置ける台座を製作しよう。

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オイルパンを垂直に置けるように木枠を製作。

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PCVバルブプレートをシリンダーに組み付ける。PCVバルブは単体ではちゃんと動作していたけど、いろいろ不安なので新品を購入。またPCVバルブプレートを外した時に中から謎の赤い棒が出てきたのだが、この正体は結局わからずじまいだ。当初はPCVバルブの部品が取れたものかと思っていたが、新品のPCVバルブと見比べても、こんな棒は見当たらない。

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プレートの取付も液体ガスケット。液体ガスケットは塗布後に指先で塗り広げようとしてもうまくいかなかったが、塗布時に先端を少し振りながら擦りつけていけばいい感じで塗布できる。また私のイメージではやや多めと思えるくらい(下の写真)が適量のもよう。エンジン組み立て風景の動画などもよく見るのだが、だいたいはチューブ先端からΦ2mm程の円柱形でしぼりだして塗っていくだけだ。三菱アイの整備解説書でもそう。そしてすぐに接合する。でもこのホルスのガスケットはちょっと性質が違うようだ。接合面に塗りつけていく感じ。だからチューブ先端は円錐形になっていない(する必要がない)のかもしれない。でも私が採用した先端に円錐カバーを取り付ける方法は使いやすいので今後もこれを使用していく。

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2回目の液体ガスケットの塗布はうまくいった。

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あれ~? ピストンがある。ええ~~~、組み込むの忘れてたぁーーー?

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・・・な訳はありません。

実はターボ車用のピストン&コンロッドを1台分某クションで落札したのだ。

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理由を書けば長くなるけどせっかくなので書く。某クションでこれを見たときは、「なつかしー、これをちまちまクリーニングしたなぁ~」っという程度の反応。出品開始価格は漱石さん二人。これがどれくらいで落札されるのか興味がありウォッチだけしていた。毎日入札はないかと見ているうちに、ピストンをちまちまクリーニングしていた頃がすごく懐かしくなってきた。机の上にピストンが転がってて、気が向いた時にちまちま汚れを落とすのって、楽しかったな~っと追憶にふけっていた。それだけなら入札まではしないけど、突然やり残した作業に気が付いた。コンロッドの研磨である。意味もなくコンロッドを磨きたかったのだ。きっとこの気持ちはこれから先の人生で大きくなる一方だろう。でも当時(数か月前ね)の私ではピストンピンを外すこともできなかった。将来プレスを入手して、ピストンピンを外してコンロッドをぴかぴかに磨くんだ~ってな夢を見てしまったので、入札してしまいました。今動いているNAエンジンにこいつを組み込むのもありかもね。NAとターボ車ではピストンの形が違うと思うのだが、いつかNAエンジンをばらしてピストン比較できればと考えている。

次はオイルパン。エンジンをひっくり返して取り付ける。綺麗に塗装したカムカバーなどを保護するために毛布を敷いて慎重にひっくり返す。

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スティフィナープレート(クランク補強板)の組付けから。

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オイルパンに液体ガスケットを塗布して

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オイルパンの組付け終了。

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ちょろっと液体パッキンがはみ出るくらいがちょうどいいんだよね。液体パッキンの扱いにもだいぶ慣れてきた。

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そして直立台座に設置。見事に直立した。コンパネで周囲を箱状にすれば一人で持ち上げられるし、自動車への搭載も大丈夫そう。車載角度(45°)に比べ占有面積もコンパクトになるし部屋のオブジェとしても大丈夫そう(笑)。

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あれ、なんか変に隙間が空いている。そうそう、ここにはオイルシールケースが取り付くんだけど、これ再利用できないか悩んでいてそのまま部品購入してなかったとこだ。でっかいサイズのオイルシールで、部品代が3000円以上もするので躊躇してなかなか部品発注できなかったのだ。まあここは後からでも組付けられると思うのでそのうちに購入しよう。

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これでエンジンは大まかに組みあがった。後は補機類などを取り付ければ完成だな。今で全行程の7~8割くらいかな。

 

6-2.アイのターボ化_25(ヘッド&タイミングチェーン組付け)

6-2.アイのターボ化_25(ヘッド&タイミングチェーン組付け)

■2020年5月

 さあて、いよいよシリンダーヘッドの組付けだ。まずはシリンダーを木枠にがっちり固定する。とにかくヘッドの組付けではボルトをものすごいトルクで回す必要がある。シリンダーを木枠に完全固定しても、木枠ごと回ってしまいそうなほどに。

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シリンダーヘッドガスケットの新品が届いたので、新旧で比較する。

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燃焼室のまわりの黒いのは耐熱温度の高いシール膜かな?使用済みヘッドでは、このシール部はほぼなくなっている。この耐熱シール剤が入手できれば、使用済みのガスケットに新品と同じように塗布して再利用できるのかな?ウォータージャケット部のシールも同様に塗ってやればね。でもたぶんメタル部の歪みとかあるからやっぱ再利用はNGなんだろうな・・・とは思っている。でももし次の機会があればぜひ再利用したいとも思っている。

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燃焼室周辺のシール材の様子

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こちらは裏側(下側)

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ではシリンダーヘッドの合わせ面の最終確認だ。焼付処理とかで、ヘッド、シリンダーともガスで炙ったりして、熱歪みとかしてないかちょっと心配なのだ。まずはシリンダー合わせ面に光明丹を塗り・・・

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シリンダーヘッドを合わせてすぐに外す。ヘッド面に光明丹が一様に転写されているかの確認である。

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光明丹は油で練るのだが油が多すぎて薄すぎた感じだ。粘度が足らず転写がうまくいかない感じであったが、燃焼室まわりのアタリは大丈夫そう。ウォータージャケット周辺はちょっとあやしい気もするが、そこはガスケットのシール材が何とかしてくれるだろう。合わせ面の精度はOKとする。ホントはヘッドの面精度はストレートエッジでの計測で0.03mm以下、限度値0.2mmなんだけど、ストレートエッジなんて持ってないからこの方法で代用。

それではヘッドの組付けだ!   と思ったのだが、整備解説書を読んでいると「シリンダーヘッドボルトは再利用不可」と太文字で記されている。たしかにヘッドボルトは相当締め付けられて、弾性領域は完全に超えて、塑性域締め付けだった感じだもんね。8本で3000円ほどするんだけど、やっぱり新品を使わないとね。ということで購入。試しに長さを測ってみたら使用済みボルトは確かに長くなっていた。ちなみにヘッドボルトはネジ部外径Φ9mm、ピッチ1.25mmのM9ボルト。何かに使う機会があるかもしれないので大事に保管しておく。

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それではヘッドの組付けだ。合わせ面をしっかり脱脂し、ブッシュを2個セット。

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そしてタイミングチェーン側の端っこに液体ガスケットを塗布。

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ガスケットを置いて、

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ガスケットにもチェーン側に液体ガスケットをちょこっと塗布。

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そしてヘッドを載せてボルトを締めていく。シリンダーヘッドボルトは24.5±2Nmで締めて、その後90°回転を2回実施。つまり180°増し締め。2回目の90°増し締め時なんかは、ボルトネジ切るんじゃないかとひやひやだし、相当に力もいる。やっぱこのボルトは再利用不可だよな。

 シリンダーヘッドが組み付いたのでカムをつける。タペットを一個づつ外しアッセンブリールブを塗布していく。

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タペットを組み付けている時に、気になるものを発見。カムとの摺動面に多数のキズがある。なんじゃこりゃ? たぶん仮組でカムを動かしていた時についたキズだな。一応オイルを塗布していたのにねぇ。

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念のためカム山も軽くラッピングする。

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カム山のエッジ部もR状に軽く研磨。

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研磨前のカム山。

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研磨後のカム山。まあ気持きれいになったかな。

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カムチェーンも組んでいく。チェーンガイドも新品を購入。

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新品と見比べても思った程摩耗してないなぁ。

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テンショナーレバー側

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こっちもそんなに摩耗してない。

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拡大して見ても1mmも摩耗してない。これなら再利用できたかもね。

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次にタイミングチェーン。こちらも思ったほど伸びてない。

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念入りに長さ確認してみる。

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それでも差は1mmほど。これも再利用できた?

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横から撮影。

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やっぱそれほど伸びてないよね。

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テンショナーとの接触面。

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こちらは新品。この面を研磨すればいいとの話もあるが、10万キロ走行でもチェーンガイドの摩耗がちょっとなので、あまり気を使わなくてもいいかなと思い研磨は省略。

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タイミングチェーンを組み付け。ギヤ部クランク軸にタイミングマークがあり、これの位置をあわせればいい。チェーンの合いマークもあるが、これは気にしなくてもいいと思う。でも念のためチェーン合いマークも合わせる。

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排気カムと吸気カムの駆動歯車にあるタイミングマークを向かい合わせにセットする。

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タイミングチェーンにはところどころ黒いコマがある。2つ連続している所を一番上にして、カム歯車に掛けると、各カム歯車にあるチェーン合いマークに、黒いコマが一致する。

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クランクシャフトはタイミングマーク(ポッチ)を真上にしておく。各マークの位置がそれぞれ一致していたら、タイミング合わせはOKとなる。ちなみにクランクを回していくと2回転で、チェーン1コマ分ずれていく。

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 次にチェーンテンショナーを取り付ける。ラチェットは取り外しておいた方が組付けしやすい。

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ラチェットの前後の向きに注意してセットし、ラチェットバネを置いて、固定具をはめ込む。

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これでテンショナーの組付け完了。

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エンジン本体の組み上げは目前だ。

6-2.アイのターボ化_24(圧縮比の計測)

6-2.アイのターボ化_24(圧縮比の計測)

■2020年5月

  シリンダーヘッドも組み上がったので、圧縮比を計測してみる。まずはシリンダーヘッドの燃焼室容量の計測から。薄いアクリル板を燃焼室より少し大きい円形に切り取り、端に10mmほどの穴をあける。これを燃焼室に蓋しておもしを置いて密閉する。ヘッドは少し傾けて置き、オイルを注入した時に穴からエアが抜けるようにしておく。そしてシリンダーでオイルを注入し、注入したオイル量を計測するというもの。

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この時はタペットも組み込んでいたので必然的にカムも取り付けている。カムなしでヘッドを逆さまにするとタペットが落ちちゃうもんね。タペットを外しておけばいいんだけどタペット調整した後なので場所がわからなくなるのが怖くて、タペットはつけたまま計測した。ここで注意する点としては、カムを取り付けると3気筒全てのバルブが閉じた状態にはならないことだ。アイの場合は1気筒のカム山をタペットから反対方向にすると、残りの2気筒はわずかながらバルブを押した状態になる。燃焼室容量を計測する時は、計測気筒のカム山をタペットから反対方向に回わしてやる必要がある。

念のため3回計測したが、2番燃焼室は3回とも差があるねぇ。計測がヘタなのだろうけど。計測後半は要領を得てうまくなっているとして、適当荷重平均して、21.4cc、21.4cc、21.6ccとした。3番だけ0.2cc大きいけど、この段階でまたバルブばらしてとか燃焼室の研磨とか考えられないので、このままいく。

※実はこの計測時にカム山を回転させていたか記憶があやふや。もしも3番のカム山がタペットと反対方向のまま1~3番を計測していたとすれば燃焼室容量の差の説明がつく。1番と2番はわずかにバルブが出ている状態なので、その分燃焼室容量が小さくなったと考えると。バルブ隙間については粘性の高い油なのでほとんど漏れないから。

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次はピストントップの容量計測。上死点ではピストン上端はヘッド面より上にくるので、上死点から5mm下の位置で計測する。

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この時もシリンダーは少し傾けて、オイル注入時にエアーが抜けるようにしておく。

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ピストン側の容量は3回とも、3気筒とも完全に一致。ガスケットの厚さは0.5mm、内径は66.5mmなので、ここから圧縮比を計算する。1気筒は220ccで計算。

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このエンジンの本来の圧縮比は8.8なんだけど、計測結果は思ったよりも低い。バルブ表面やピストントップの文字を削ったり、表面を磨いたりしているので圧縮比が下がるのはその通りだけど、せいぜい8.5くらいかと思ってた。そもそもこの計測方法で合っているのか?100均のシリンダーの精度もちゃんと計測してないしね。3番の気筒だけ数値が異なるけど、これは見なかったことにしよう。これから修正するなんて考えただけでも気が滅入る。

 ※後日追記:圧縮比の計算って間違えてるかな? ピストン径が65.4mm、ストロークが65.4mmなので、ストローク容積は219.7cc。燃焼室容積が26.34ccなら

圧縮比=(219.7+26.34)/26.34=9.34になる。同様に2番:9.34  3番:9.28 だよね。こっちが本来の計算方法と思うので、つまり圧縮比が上がってる。ほんまかな~。上がる要因なんてないはずだけど。まあ今回は深く追求するのはやめとく。

 ちなみにNAエンジンは圧縮比が10.8。もしも今動いているNAエンジンをターボエンジンとして復活させる場合、圧縮比を8.8に下げるために燃焼室容量を6ccほど広げてやればいい。例えばピストン表面を薄く一様に削るとすれば、削る厚さは1.78mmになる。思ったよりも削る必要があるなぁ。まあ燃焼室側とピストントップを両方削れば、許容強度を保ちながら圧縮比8.8化はできそうだよね。無理せず圧縮比9.0くらいでも大丈夫だよね。変に削って燃焼室の形状が変わって性能ダウンとかもありそう。まあNAエンジンのターボ化復活なんてやるとも思えんけどね。

 

6-2.アイのターボ化_23(ヘッドカバー・カムチェーンカバーの塗装)

6-2.アイのターボ化_23(ヘッドカバー・カムチェーンカバーの塗装)

■2020年5月

 シリンダーヘッドカバーのクリーニングを実施。まずはパッキンを剥がしていく。パッキンは本来ゴムなのだろうけど、カッチカチになっている。カッターで切り取ったけど合わせ面に緩い凹みがあるので、その部分にパッキンが残る。割りばしを使ってこそぎ落とした。

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サイド面の鋳造跡をリューターで削り、見た目的に美しくする。

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全体を耐水ペーパー(#320)で磨き、塗装の下準備。

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色は赤を選択。どうせ見えない所だし、妻の不評などを気にしなくていいところなので、思いっきり派手な色にした。できれば黄色にしたかったが、黄色の耐熱スプレー塗料は見当たらなかったので、耐熱の赤のスプレー式で一番安いものを選択。

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ブレーキキャリパー用だね。塗装後24時間経過後に加熱処理すべしとある。

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塗ってみると結構鮮やかな赤だ。なんかテンションがあがる色である。

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問題は焼付処理。ヘッドカバー裏側に片側にカバーがあるのだが、これにはゴム製のパッキンが入っている。このカバーは外せない構造になっているので、裏から炎を当てるとパッキンが溶けてしまいそう。特別重要なパッキンではないのであまり気にしなくてもいいけど。

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思案の末、ワイヤーでつるして塗装面を直接コンロで炙ることにした。

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炎と塗装面が十分離れるようにして炙っていく。カバー内に置いた温度計は120℃くらいまで上昇している。

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断熱用(というか防風用)としてダンボールで囲む。

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蓋もする。ちょくちょくコンロの位置を動かしながら1時間程炙る。

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ワイヤーはワッシャとボルトで固定していたのだけど、焼付処理すると、ワッシャーが張り付いたて取れなくなった。

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無理やり剥がすとこの通り。焼付処理すると塗装が少し溶けるような感じなのかもしれない。というのもヘッドカバーの表面は塗装粗を取るため、耐水ペーパーで軽く磨いていたのだが、その磨き跡が焼付処理後は見えなくなったのだ。

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勢いに乗ってヘッドカバー固定用のボルトも塗装する。ボルト頭は凹んでいて汚れが付きやすいので、平らに削ってから塗装する。

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またネジ部もダイスで成型し直す。結構削れた。

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ボルトも赤で塗装。

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タイミングチェーンカバーも塗装する。タイミングチェーンカバーは結構凸凹しており、汚れがたまっている。細かい所まで竹串リューター+耐水ペーパーで落とした。

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ついでにオイルポンプ吐出口(オイルフィルター入口部)の穴を軽くR加工。大した意味はないのだけど、長らく机の上に置いていたら無意味に加工したくなるのだ。

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マスキングして黒塗装。

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タイミングチェーンカバーはオイルポンプを内蔵しているので、炎で炙っていいものか思案していたが、長らく机の上に置いていたら、「もうええか」という吹っ切れるタイミングが来るのだ。そもそもガスコンロの炎で炙るって、熱歪みとか起こしそうだし基本はダメだよね。でもせっかく綺麗にしたエンジンがまた汚れるのも耐え難いのでやっぱ焼付処理しました。

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炎で炙る前に油圧センサスイッチは外しておきました。

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これでほぼ組み立て準備は完了。エンジンのOHといっても、作業の8割は汚れ落としだもんね。サンドブラスターほしい。これからは楽しい組み上げ作業がメインになっていくよー。

ちょっと息抜きに別作業も実施。

まずはA/TのECUについて。かなり前だがターボ用のA/T-ECUを某クションで入手していたのだが、こいつの動作テストを実施。今ついているNA用(8631-A001)を外して付け替えるだけ。軽く運転したけどちゃんと動作はしている。変速タイミングがちょっと変わり、2→3、3→4へのシフトアップがなかなかしない。ゆっくり走っているんだからもっとぽんぽんとシフトアップしてくれた方がいいんだけどねぇ。でも4速でのロックアップ領域が広がった感じもする。つまり4速のままシフトダウンしにくい感じで個人的にはいいと思う。ただ4速に入るまではエンジン回転数が高めになり、無駄にエネルギーを使っているという感じでもある。まあNA用とT/C用のを気分で繋ぎ変えて楽しめばいいかなと思う。ちなみにターボ後期の8631-A004はかなりシフトアップが早く、低回転を使いやすいとの評価らしいが、オークションなどではほとんど見ない。

 

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あと密林さんでステアリングカバーを購入。送料込みで310円という、たとえ気に入らなくてもなんの愚痴もでない価格。ただコロナさんの影響か、届くまで2カ月くらい。

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暖かい日に取り付けた。ステアリングカバーは結構伸びるので、多少ハンドルが小さくても問題なく取り付けられそう。ハンドルに取り付けて、ちまちま縫っていく。

 

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1時間ちょっとで完成。見た目は結構いい感じだし、ハンドルが少し太くなった感じだけど、操作はしやすくなった。

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6-2.アイのターボ化_22(バルブ組付け&タペット調整)

6-2.アイのターボ化_22(バルブ組付け&タペット調整)

■2020年4月

 バルブの組付けを実施。バルブにマジックで番号書いているのだが、これが消えて組付け場所がわからなくなると大惨事である。そうならないように1気筒づつ組み上げていく。まずはバルブ密閉テスト。点火プラグを取り付け、バルブを差込むだけ(スプリングは未装着)とし、燃焼室に灯油を満たす。

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そして1時間放置。液面はほぼ変化ないのでバルブ漏れは大丈夫そう。本来はバルブスプリングを組み付けてからする作業だと思うのだけど、それはいろいろめんどくさいのでスプリングなしで実施。

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この気筒のバルブステムシールを組み付ける。ステムシールの外周の金属環部分を押し込めるように9mmのソケットを使う。

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そしてバルブシートカッター用の軸で押し込めばまっすぐ押し込める・・・はずだったんだけど、この軸はガタガタでステムシールに入らない。直径はバルブと同じなので入るはずなんだけど、無理して押し込むとシール部を痛めそうなので、この方法は断念。

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ステムシールを挿入する軸の隣の軸部にバルブシートカッター用の軸を差込み、角度を確認する方法に変更。

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バルブステムシールにエンジンオイルを塗って手で軽く差し込み、9mmソケットで隣の軸と並行になるように押し込んでいく。抜くときはかなり固かったので刺し込むのに力がいるかと思ったが、簡単に刺し込めた。指先で押すだけでも入りそうな感じで簡単に入る。

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この調子で1気筒分のステムシールを組み付ける。

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そしてバルブスプリングの組み付け。スプリングシートも忘れずに。ちなみにシートは表裏があるのかないのかわからないが、エッジ部が丸まっている側とエッジがある側があるので、エッジが丸まっている側を下(ヘッド側)にした。

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自作のスプリングコンプレッサーでバルブを圧縮し、コッターを嵌めていく。はじめは不慣れでコッターの取付に時間かかった。何度もチャレンジしてラッキー的にはまるのが15分に1回とかいう感じ。まあ後半は慣れてきて1~2分でつけられるようになったけどね。コツはバルブ圧縮は十分にして、バルブ軸にグリースをたっぷり塗る(コッターの接着剤として)。そして磁石のあるドライバでコッターをやさしくバルブ端に置き、竹串2本でコッターを180°回転させ(下側に)、残りのコッターを磁石ドライバーでやさしくバルブ端に置く、という感じ。

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まずは1気筒分にバルブスプリングの組付け終了。

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そして真ん中の気筒にもバルブを差込み、もう一度バルブ漏れテスト。

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しかし悲しいトラブルが・・・。

バルブスプリングを組み込んだ側は漏れなし。でもスプリング無しの気筒は灯油がちょっと漏れた。そして吸気ポートから灯油がちょろちょろと垂れて、塗装が剥げた。なんか泣きたい。

やっぱり漏れテストでスプリングはいるよね。けしてバルブ密閉が悪いわけではないよね(と信じたい)! ということで、残りの気筒もバルブスプリングを組み付けた。

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そして3気筒の最終漏れテスト。

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1時間経過。液面は変化ないけど、心なしか吸気ポートに灯油の気配が・・・。

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気配だけだし、もういいことにする。ヘッド面を綺麗にして記念撮影。

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8か月前に対面した頃に比べ、なんと美しいことか!

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次はタペット調整だ。

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タペットをペコペコと組み付ける。

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カムを取り付け、バルブクリアランスを計測。カム山がタペットと反対になる場所でクリアランスを計測する。

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念のため3回計測した。カムを少し回転させるとクリアランスが少し(10~20μm)広がる時があるので、数回計測して一番大きいクリアランスを記録すれば1回でも大丈夫そう。

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バルブフェース研磨の前後でクリアランスがどう変化したか比較。研磨したのだからクリアランスは小さくなるはずなのに大きくなっているのもある。なんでかな~?

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それではタペットの厚さ調整(研磨)だ。3個は場所の移動だけで研磨は不要だ。目標クリアランスは許容クリアランスの真ん中、吸気バルブ 0.21mm、排気バルブ0.30とする。

タペットを旋盤に咥えてリューターで研磨する。外周はジュースの缶を、背面は紙を貼り付けて保護する。

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研磨の様子を見やすくするため、タペット裏(シム部)を青マジックで塗る。

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旋盤に咥えてリューターで研磨。1回で0.02mmずつくらいしか研磨できないけれど、音も静かで夜なかでもできるので、夕方から始めて風呂前に終了。

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研磨終了。

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マイクロゲージで厚さチェック。

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吸気バルブ側のクリアランスはバッチリ0.21±1。排気バルブ側は目標が0.30mmだったけど、吸気バルブ側の0.21という数字がごっちゃになって、いつの間にか0.31mmを目標にしていた。一個だけ0.33mmのがあるけど、まあいい出来だと自画自賛

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これでヘッド周りの作業も完了だ。

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直押しバルブはバルブクリアランス調整がめんどくさいので、ロッカーアーム式がいいのでは、と当初は思っていた。しかし実際クリアランス調整やってみると思いのほか簡単だった。部品構成も必要最小限だし調整ミスというのもなさそうだし、さらにロッカーアームのネジが緩んでくるなんてこととも無縁なので、やっぱ直押しバルブが最高ではないかという結論に達した。

 部品数が多く管理に注意が必要だったシリンダーヘッドの組み上げがひと段落したので、精神的にはかなり安心感が出た。次はヘッドとシリンダーの組み立て。そこで問題になるのがシリンダーヘッドガスケット。こいつは4000円を超える大物。できれば再利用したいけど、一般的には再利用NGだよね。とりあえずまじまじ眺めてみる。

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上面と下面。

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シリンダー部は色の違うメタルを重ねている。

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ウォータージャケットのシール部はメタル部が凹んでおり、そこにシール材が塗られている。

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この凹み部のシール材をきれいに剥がして、手持ちの液体ガスケットを塗ればなんとかならんかなーと思案するんだけど・・・

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やっぱりそれはリスキーなので、三菱に行って部品を発注してきました。ネットとかでもっと安く買えないかと調査したけど、見つけられなかったんだよね。あとタイミングチェーンのガイドなども一緒に発注。

ちなみにタイミングチェーンはモノタロウで日産DAYZ用(型番13028-6A00B)を購入。純正だと8000円超えだけど、こちらは3333円。このあたりについてはKomatechさんの情報を参考にさせて頂いた。ありがとうございます。

 

6-2.アイのターボ化_21(バルブすり合わせ&ヘッド塗装)

6-2.アイのターボ化_21(バルブすり合わせ&ヘッド塗装)

■2020年4月

 バルブすり合わせを実施。バルブシートカットもしたので、細目のコンパウンドで簡単に終わると思ってた。

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当初はタコ棒を入手して、手での擦り合わせを想定していたのだが、タコ棒だって少しはお金がかかる。じゃあということで端材で丸棒を削り出し、先端に両面テープを貼りバルブとくっつけようかと考えた。・・・が、そこまでするなら電動化をしない理由はないよな! ということでハンドドリル(電動ドライバ)に円柱丸棒を取り付け、先端に両面テープを貼った。

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バルブフェース面にバルブコンパウンドを薄く塗り、

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イザ!   擦り合わせ。

バルブを叩きつけるように回転させながらすりあわせすればいいんだから、この方法でも間違ってはいないはず。こういうやり方はあまり見たことないけど、手での擦り合わせと動きは同じはず。数分作業をするとフェース面に擦り合わせの面が出てくる。

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2~3分で終了かと思っていたが、ちゃんと擦り合わせができるまでは結構が時間がかかった。バルブフェース側は下の写真のようにしっかりと擦り合わせ面が出るようにする。※余談だが、擦り合わせ面の外周側に溝みたいなのができる。たぶんフェース面の角度とバルブシートの角度が少しずれていて外周側がより接触していることに起因すると想像する。

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擦り合わせ作業に想像以上に時間がかかるのは、バルブシートカットの精度に問題があるからだ。下写真は上から2分、10分、15分すり合わせしたシート面。

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シートカットはダイヤモンド刃ではなく、超硬刃を使ったのが原因で、半径方向のキズ(刃の食い込み)がある。おそらくダイヤモンド刃ではこういう食い込み跡は出ず、逆に周方向のキズが多数できると思う。半径方向のキズは圧縮抜けに直結するが、周方向のキズは圧縮抜けに直結しないと想像するので、そういう意味でも45°あたり面はダイヤモンド刃を使うのが一般的なのだろう。それでもダイヤモンド刃は粗すぎて、次回同じ作業をするとしても超硬刃を使いそうだけどね。上の写真をよく見ると、当たり面の外側から順に擦り合わさっていくみたい。これはおそらくシート側の角度(45°)とフェース側の角度(45°)がちょっとずれているのが原因だろう。まあ十分擦り合わせれば問題ないと思うけどね。

 とにかく当たり面が一様に擦り合わさるまで擦り合わせる。電動ドライバを使って1本擦り合わせるのに15分ほどかかる。やっぱ電動化して正解だ。実際の作業は1分擦り合わせ⇒バルブを抜いてコンパウンドを塗り直し、というのを15回ほど繰り返す。両面テープは3~4回で粘着力を失うので、頻繁に張り替える。

 下の写真ではぱっと見はまあOKそうだけど、当たり面の様子を光の反射でよく見るとまだらになっている。これではだめだろう。

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ひたすら擦り合わせして、下写真くらいになればOKかな。

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一応光明丹で当たりの様子を確認。当たり面の確認はバルブフェース面に光明丹を塗り、パチンとバルブシートに一回当てる(回転はさせない)。これでシート側に光明丹が転写されるので、次にバルブフェース側の光明丹を拭き取り、もう一度パチンとバルブシートに当てる。こうするとフェース面側もシート側も当たり面だけに光明丹がつくので見やすい。全バルブのアタリ面を光明丹でチェックするのはめんどくさいので、光明丹チェックしたのは写真の2本だけ。擦り合わせ時に擦り合わせ面をしっかり観察しているので、たぶん擦り合わせはOKだと思う。

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下の写真ではバルブフェース面に転写されている光明丹は少し薄いね。

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連続して単純作業を繰り返す集中力がなく、ちょっとして休憩の繰り返し。結局、12本のバルブを擦り合わせるのに1日半かかった。4本だけ記念撮影。

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続いてシリンダーヘッドの塗装。接合面をマスキングして、

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耐熱塗料の黒をスプレー。

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マスキングテープを剥がすと、キリッと引き締まった感じになった。

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焼き付け処理はちょっと迷った。コンロであぶっての焼き付けっていいんかな?局所的な加熱でヘッドが熱歪みするとかのイメージもあるんだけどね。でも3気筒の小さなエンジンなので焼き付け処理実施だ。

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この日はちょっと風があったので、段ボールで囲み簡単に断熱。

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上部もダンボールで蓋して加熱していく。しばらくすると煙が出てきたので、この煙がでなくなったら焼き付け処理終了だね。と思ってたんだけ・・・、30分してもまだ出てくるし、なんだかオイルの焼けたような匂い。

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火を止めて冷めてからヘッドを観察してみると、なんかオイルが出ている。このオイルが焼けた煙だったのね  (*´з`)。  バルブガイドあたりからと、カム軸受けあたりからオイルが出ている。なんでかなー? 塗装前にパーツクリーナーでオイル穴とか結構きれいにしたのにね。しかも、オイルを拭き取ったら塗装も剥げてきた。泣きそう。

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またプラグホールの鉄パイプ部はコンロの火があたっていたので、酸化して表面が傷んでる。やっぱコンロで炙るのはだめかな。せめてプラグホールとコンロの中心をしっかり合わせて、炎がプラグホールの周辺にあたるようにしておけば良かったかも。

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